国際文化学部Faculty of Intercultural Communication
ARSx300GA(地域研究(その他) / Area studies(Others) 300)言語文化演習Seminar
フランコフォニーの言語文化
廣松 勲Isao HIROMATSU
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 国際文化学部Faculty of Intercultural Communication |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2022 |
授業コードClass code | C1113 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 春学期・秋学期/Spring・Fall |
曜日・時限Day/Period | 木3/Thu.3 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 / Ichigaya |
教室名称Classroom name | 各学部・研究科等の時間割等で確認 |
配当年次Grade | 3~4 |
単位数Credit(s) | 4 |
備考(履修条件等)Notes | 単位数は、春学期2単位/秋学期2単位である。 |
他学部公開科目Open Program | |
他学部公開(履修条件等)Open Program (Notes) | |
グローバル・オープン科目Global Open Program | |
成績優秀者の他学部科目履修制度対象Interdepartmental class taking system for Academic Achievers | |
成績優秀者の他学部科目履修(履修条件等)Interdepartmental class taking system for Academic Achievers (Notes) | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
SDGsCPSDGs CP | |
アーバンデザインCPUrban Design CP | |
ダイバーシティCPDiversity CP | |
未来教室CPLearning for the Future CP | |
カーボンニュートラルCPCarbon Neutral CP | |
千代田コンソ単位互換提供(他大学向け)Chiyoda Campus Consortium | |
旧科目との重複履修Duplicate Subjects Taken Under Previous Class Title | |
人数制限・選抜・抽選Capacity/Selection/Rondom | 選抜 |
毎年・隔年Frequency | 毎年開講 |
すべて開くShow all
すべて閉じるHide All
Outline (in English)
This course deals with the problematics of the French-speaking world (la francophonie) around the world while reading a variety of books and articles (principally written in japanese). It also enhances understanding of the situation of french language or national identity in the relevant countries or regions. For this year 2022, we will deal with Carribean and North American regions (Martinique, Guadeloupe, Quebec,etc).
The goals of this course are to understanding and explaining the socio-cultural situation of each French speaking regions.
Before and after each class meeting,students will be expected to spend four hours to read the relevant chapter(s) from the text.
Your overall grade in the class will be decided based on the followings:
in class contributions (discussion, reaction paper, etc): 30%, presentations: 30%, term-end reports: 40%.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
「フランコフォニー(=フランス語圏)」の言語や文化を総合的に分析・検討することで、世界に散在するフランス語・フランス文化の多様性と共通性を考察する。それにより、フランコフォニーに留まらず、文化接触や文化的差異の調整を理解する際の分析手法を身につけることを目的とする。
2022年度は、主にカリブ海域と北米大陸のフランコフォニーに関連する書籍・論文・映像作品などを読解・視聴し、検討する(フランス海外県のマルティニックやグアドループ、カナダ・ケベック州など)。
多少なりとも「フランス的なもの」に関心があれば、フランス語の言語能力などの前提知識は必要としない。
到達目標Goal
到達目標は、大きく分けて2つある。
①「フランス共和国」の言語文化を超えて、「フランコフォニー」の言語文化へと拡張を遂げつつあるフランス語・フランス文化が、各地域において、どのような方法によって多文化・他文化との共生の道を探っているのかを説明できること。
②文化接触や文化的差異の「妥当な調整」といった現象を分析する際に必要となる方法論を、確りと意識して分析・考察に取り組むことができるようになること。
これらの目標に到達するために、学生は自ら選んだフランコフォニー地域におけるフランス語・文化を調査・分析することで、「どのような文化接触の結果として、どのような共生への道が目指されてきたのか」、その上で「そのような共生への道が今後も有効なものであるのかどうか」を考察することになる。
調査・分析・考察の結果は、中間発表に加えて、最終的にレポートや論文などの形にまとめる。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
国際文化学部のディプロマポリシーのうち、「DP1」「DP2」「DP3」「DP4」に関連。
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
本演習は原則として対面で行う。ただし、大学の行動方針レベルにより一時的に変更などがある場合には、詳細を学習支援システムで伝達する。
本演習では、学生の人数・関心等に鑑みながら、以下のような形で演習を進める。
≪春学期について≫テクストや映像を丁寧に読み込む方法を知るため、主に演習形式(レジュメ発表と討議)で進める。邦訳・字幕版の存在する代表的なフランコフォニーの文献・映像、それらに関するエッセイなどを分析対象とする。まず最初の数回の演習では、参加学生と対話しながら、フランコフォニーの言語文化を読解する際の「方法論」や「レジュメの作成方法」などを講義する。その後、演習形式の講読では、担当の学生が分担箇所をレジュメ発表し(何がどのように描かれているか?など)、その上で問題提起とゼミ全体での討議を行う(なぜそのように描かれているのか?など)。
春学期の最後には、個人研究のテーマや分析方法を決定する際のヒントを見つけるべく、学習内容についてレポートを提出してもらう。
≪秋学期について≫前半では、講読形式を継続する予定である。後半では、各自が自らの関心・問題意識から個人研究の口頭発表を行った上で、全員で討議を行うことになる。
秋学期末までに、個人研究の成果をレポートや論文などの形で提出してもらう。
≪リアクション・ペーパーについて≫全体討議などで触れられなかった疑問点や意見、さらに演習運営上の希望を含めて、リアクション・ペーパーを提出してもらう。その内容については、翌週の演習などで検討する。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching:対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
1[対面/face to face]:イントロダクション
・本演習(特に春学期)の内容および参加方法を説明する。
・「フランコフォニー(フランス語圏)」とは何か?
・春学期の講読分担を決める。
2[対面/face to face]:Ⅰ.方法論の概説、レジュメ作成方法・問題提起の仕方の確認
・文献読解の方法論を概説する。テクストや映像を対象とした「テクスト分析」や「社会学的分析」を中心に論じる。
・講読で必要となる「レジュメ」等の作成方法や「レポート」の書き方・構成方法等を解説する。
・研究テーマ、関心などを抽出する方法を学ぶ。
3[対面/face to face]:Ⅱ.フランス植民地帝国の歴史を知る①
・平野千香子の評論『フランス植民地主義の歴史』(序、第一章)を読む。
・映画『移民の記憶』(一部分)
4[対面/face to face]:Ⅱ.フランス植民地帝国の歴史を知る②
個人発表①
・評論『フランス植民地主義の歴史』(第二章、第三章)を読む。
・研究テーマや関心について簡単に口頭発表
5[対面/face to face]:Ⅱ.フランス植民地帝国の歴史を知る③
・評論『フランス植民地主義の歴史』(第四章、第五章)を読む。
・映画『はじまりの小屋』(一部分)を見る。
6[対面/face to face]:Ⅲ.カリブ海域の言語文化①
・概略的にアメリカ大陸のフランコフォニーについて解説を行う。
・概説的にカリブ海域諸島に関する解説を行う。
・特に、ネグリチュード、アンティユ性、クレオール性、クレオール化といった文化概念を説明する。
7[対面/face to face]:Ⅲ.カリブ海域の言語文化②
個人発表②
・エメ・セゼールの『帰郷ノート/植民地主義論』の一部を講読する。
・研究テーマに関する視点・問題意識などについて発表
8[対面/face to face]:Ⅲ.カリブ海域の言語文化③
・『帰郷ノート/植民地主義論』の訳者による「エメ・セゼール小論」を講読する。
・セゼールに関する映像を見る。
9[対面/face to face]:Ⅲ.カリブ海域の言語文化④
・エドゥアール・グリッサンの評論『関係の詩学』(ⅠとⅡ)を講読する。
10[対面/face to face]:Ⅲ.カリブ海域の言語文化⑤
個人発表③
・評論『関係の詩学』(ⅢとⅣ)を講読する。
・研究テーマの調査状況を報告する。
11[対面/face to face]:Ⅲ.カリブ海域の言語文化⑥
・評論『関係の詩学』(Ⅴ)を講読する。
・グリッサンに関する映像を見る。
12[対面/face to face]:Ⅲ.カリブ海域の言語文化⑦
・J・ベルナベ、R・コンフィアン、P・シャモワゾーの評論『クレオール性礼賛』の前半を講読する。
13[対面/face to face]:Ⅲ.カリブ海域の言語文化⑧
個人発表④
・評論『クレオール性礼賛』の後半を講読する。
・シャモワゾーの映像作品を見る。
・研究テーマの調査状況を報告する。
14[対面/face to face]:Ⅲ.カリブ海域の言語文化⑨
総括
・春学期のまとめを行う。
・個人発表やレジュメ作成に関する講評を行い、秋学期の準備をする。
15[対面/face to face]:イントロダクション
研究テーマの状況報告
・概略的にアメリカ大陸のフランコフォニーについて解説を行う。
・特に歴史的・言語的コンテクストに注目しつつ、マルチカルチャー、インターカルチャー、トランスカルチャーといった文化概念を説明する。
・個人研究の進捗状況について報告する
16[対面/face to face]:Ⅳ.カナダ・ケベック州の言語文化①
・ジェラール・ブシャール、チャールズ・テイラーの報告書『多文化社会ケベックの挑戦』(はじめに、第一章~第二章)を講読する。
・映画『ブレイキングコップ』を見る(一部)
17[対面/face to face]:Ⅳ.カナダ・ケベック州の言語文化②
・ジェラール・ブシャール、チャールズ・テイラーの報告書『多文化社会ケベックの挑戦』(第三章~第五章)を講読する。
18[対面/face to face]:Ⅳ.カナダ・ケベック州の言語文化③
・ジェラール・ブシャール、チャールズ・テイラーの報告書『多文化社会ケベックの挑戦』(第六章~第八章)を講読する。
・ハイチ系移民に関する映像作品を見る。
19[対面/face to face]:Ⅳ.カナダ・ケベック州の言語文化④
・ダニー・ラフェリエールの小説『帰還の謎』(前半)を講読する。
20[対面/face to face]:Ⅳ.カナダ・ケベック州の言語文化⑤
・小説『帰還の謎』(中盤)を講読する。
・ラフェリエールの映像作品を見る。
21[対面/face to face]:Ⅳ.カナダ・ケベック州の言語文化⑥
・小説『帰還の謎』(後半)を講読する。
22[対面/face to face]:Ⅳ.カナダ・ケベック州の言語文化⑦
・ジャック・ゴドブーの小説『やぁ、ガラルノー!』(前半)を読む。
・ジャック・ゴドブーの映像作品を見る。
23[対面/face to face]:Ⅳ.カナダ・ケベック州の言語文化⑧
・小説『やぁ、ガラルノー!』(中盤)を読む。
24[対面/face to face]:Ⅳ.カナダ・ケベック州の言語文化⑨
・小説『やぁ、ガラルノー!』(後半)を読む。
・グザヴィエ・ドランの映像作品を見る(一部)
25[対面/face to face]:個人発表①
・学生各自の個人研究に関して発表を行う。各発表につき、発表20分程度/討議20分程度を予定。
・映画『ルムンバ』を見る。
26[対面/face to face]:個人発表③
・学生各自の個人研究に関して発表を行う。各発表につき、発表20分程度/討議20分程度を予定。
・映画『ラスト・キング・オブ・スコットランド』を見る。
27[対面/face to face]:個人発表④
・学生各自の個人研究に関して発表を行う。各発表につき、発表20分程度/討議20分程度を予定。
・映画『ホテル・ルワンダ』を見る。
28[対面/face to face]:総括
・秋学期、および一年間のまとめを行う。
・研究テーマの発展方法や調査分析について検討を行う。
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
本授業の準備・復習時間は、各4時間を標準とします。主に以下の2点です。
≪準備学習に関して≫レジュメ作成担当の学生は、充実した討議のためにも、「要旨」と「問題提起」を確りと切り分けて提示すること。また、担当ではない学生も積極的に討議に参加するために、講読文献を含めた関連資料にも触れておくこと。
≪情報収集に関して≫参加学生は、各種メディアを介して、フランコフォニー社会の言語・文化・社会等について、できるだけ情報収集するように心掛けてほしい。また、演習内などで告知する講演会や上演会への参加は義務ではないが、できれば積極的に参加してくれることを願う。
テキスト(教科書)Textbooks
講読文献に関しては、参考文献とともに、初回の演習において一覧を配布する。ただし、学生との相談によって、講読文献・映像を追加・変更する場合がある。
適宜、その他の資料は配布する(紙媒体またはシステム上にて)。
参考書References
参考文献に関しては、講読文献とともに、初回の演習において一覧を配布する。希望者には、さらに詳しい参考文献・映像等を提示する。
以下の「フランコフォニー国際組織 OIF」のサイトも参考になります(英語ページあり)。
https://www.francophonie.org/
成績評価の方法と基準Grading criteria
「平常点(リアクションペーパーの提出、質疑参加など):30%」、「講読発表・個人発表:30%」、「学期末ごとのレポート:40%」を見て、総合的に評価する。この成績評価の方法をもとに、本授業の到達目標の60%以上を達成した者を合格とする。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
文献講読を行うために必要なレジュメ作成や問題提起の仕方等については、春学期最初の授業だけでなく、適宜解説を行う。
その他の重要事項Others
履修に際しては、できるだけ春学期と秋学期合わせての履修を推奨する。
フランス語の知識(=語学能力)は要求しない。ただし、講読の際にフランス語原典を読み、レジュメを作成しても構わない(ただし、フランス語を知らない学生にも分かるようなレジュメであって欲しい)。また、日本語以外の文献も積極的に参照することが望ましい。
講読文献の分量や内容によっては、比較的多くの準備時間が必要となることがある。そのため、レジュメ作成担当者は、早めに準備作業を始めることを推奨する。
講読や個人研究を進める上で疑問点などがあれば、廣松研究室(BT2008)での個人面談やオンライン面談、メール相談などにて話し合うことができる。