国際文化学部Faculty of Intercultural Communication
HIS300GA(史学 / History 300)言語文化演習Seminar
アジアから見た日本
鈴木 靖Yasushi SUZUKI
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 国際文化学部Faculty of Intercultural Communication |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2022 |
授業コードClass code | C1111 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 春学期・秋学期/Spring・Fall |
曜日・時限Day/Period | 金4/Fri.4 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 / Ichigaya |
教室名称Classroom name | 各学部・研究科等の時間割等で確認 |
配当年次Grade | 2~4 |
単位数Credit(s) | 4 |
備考(履修条件等)Notes | 単位数は、春学期2単位/秋学期2単位である。 |
他学部公開科目Open Program | |
他学部公開(履修条件等)Open Program (Notes) | |
グローバル・オープン科目Global Open Program | |
成績優秀者の他学部科目履修制度対象Interdepartmental class taking system for Academic Achievers | |
成績優秀者の他学部科目履修(履修条件等)Interdepartmental class taking system for Academic Achievers (Notes) | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
SDGsCPSDGs CP | |
アーバンデザインCPUrban Design CP | |
ダイバーシティCPDiversity CP | |
未来教室CPLearning for the Future CP | |
カーボンニュートラルCPCarbon Neutral CP | |
千代田コンソ単位互換提供(他大学向け)Chiyoda Campus Consortium | |
旧科目との重複履修Duplicate Subjects Taken Under Previous Class Title | |
人数制限・選抜・抽選Capacity/Selection/Rondom | 選抜 |
毎年・隔年Frequency | 毎年開講 |
すべて開くShow all
すべて閉じるHide All
Outline (in English)
[Course outline]
This course introduces how Japan's self image differs from the ideas and opinions held by the people of China, Taiwan and Korea, throughout history and what historical events, issues and persons of note helped to shape these ideas and opinions.
[Learning Objectives]
The goal of this course is to understand the reasons for the difference between how Japan sees itself, and how they are seen by the countries of China, Taiwan and Korea, through the use of text and visual materials.
[Learning activities outside of classroom]
Before each class, students will be expected to have read the relevant chapter(s) from an assigned text. Required study/preparation time will be four, or more, hours per class.
[Grading Criteria/Policies]
Each student is expected to give at least one presentation during the course. Grading will be decided based on the quality of the student's performance(60%) and in class participation(40%).
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
中国や台湾、韓国などアジアの人々の対日イメージと日本人の自己イメージとの間には大きな懸隔があり、良好な近隣関係を築く上での障害となっている。この授業では「アジアから見た日本」をテーマに、これらの国や地域と日本との政治的関係や文化的交流の歴史を概観するとともに、アジアの人々の対日イメージに大きな影響を与えた事件や人物に焦点を当て、それらが当該国や地域の教育やテレビ・映画などを通じてどのように語り伝えられているかを学ぶ。
到達目標Goal
アジアの人々の対日イメージがどのように形成されたかを理解し、日本とアジアという双方の視点から問題を考える力(「共感力」empathy)を養い、国際社会人として円滑な異文化間コミュニケーションを行う力を身につける。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
国際文化学部のディプロマポリシーのうち、「DP1」「DP2」「DP3」「DP4」に関連。
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
今年度は春学期に日本と中国、秋学期に日本と朝鮮半島の関係史を学ぶ。
春学期には、ハーバード大学のエズラ・F・ヴォーゲルが第三者の視点から書いた『日中関係史』と高校の歴史教科書を比較しながら、グローバルな視点から日中の交流史を考えてみたい。
秋学期は、日本の歴史教育研究会と韓国の歴史教科書研究会が1997年から10年間にわたる共同作業を経て編纂した『日韓歴史共通教材・日韓交流の歴史』をテキストに、朝鮮半島の人々の対日イメージがどのように形成されたのかを考える。
また、これらの学習と並行して、アジアに関連したドキュメンタリー映像作品を制作する。一昨年度は朝鮮大学校に通う在日コリアンの学生さんに取材した映像作品を制作した。
課題や発表に対するフィードバックの方法としては、受講生全員が参加するLINEのグループを用意し、これを通じて全員または個別にフィードバックを行う。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
あり / Yes
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching:対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回[対面/face to face]:ガイダンス
一年間の学習目標と方法、計画について話し合う
第2回[対面/face to face]:中国の日本文化への貢献―600~838年
遣隋使・遣唐使の時代、日本は中国から何を学んだのか、今日に残るその遺産について考える
第3回[対面/face to face]:革新的な学びを伴わない貿易関係―838~1862年
最後の遣唐使が派遣されて以降、幕末に日中の政府関係者が再び顔をあわせるまでの1000年の日中関係史を概観する
第4回[対面/face to face]:西洋諸国への対応と関係再開―1839~1882年
アヘン戦争後の西洋諸国の進出に対する日中の対応と、明治維新後の日中関係について考える
第5回[対面/face to face]:朝鮮をめぐる競争と日清戦争―1882~1895年
日清戦争の発端となった壬午軍乱から下関条約、三国干渉に至るまでの朝鮮・日本・中と、この戦争が中国に与えた衝撃について考える
第6回[対面/face to face]:日本に学ぶ中国の近代化―1895~1937年
日清戦争の敗北後、日本を手本として近代化を進めた中国と、日本の対応について考える。
第7回[対面/face to face]:台湾と満州の植民地化―1895~1945年
台湾の植民地化と、傀儡国家満州国ができるまでの経緯と、それらが今日に残した遺産について考える
第8回[対面/face to face]:政治的混乱と戦争への道―1911~1937年
辛亥革命後の中国の政治的混乱と日中戦争に至るまでの日中関係を考える
第9回[対面/face to face]:日中戦争―1937~1945年
1937年から45年まで8年に及んだ日中戦争とそれが残した負の遺産について考える
第10回[対面/face to face]:大日本帝国の崩壊と冷戦―1945~1972
1945年の終戦から、1972年の日中国交正常化に至るまでの日中関係を考える
第11回[対面/face to face]:協力―1972~1992年
中国の「改革開放」政策と日本の経済協力について考える
第12回[対面/face to face]:日中関係の悪化―1992~2018年
1992年以降、歴史問題や領土問題の再燃よって悪化した日中関係について考える
第13回[対面/face to face]:新時代に向かって―2014年~
現代の日中関係の課題とその解決策について考える
第14回[対面/face to face]:春学期のまとめ
春学期の学習を振り返り、どのような新たな知見を得たかを話し合う
第15回[対面/face to face]:日韓の和解のために
朴裕河『和解のために』とは
・大震災のあとに、未来を考える
・はじめに
・日本語版あとがき
・(解説)あえて火中の栗を拾う
・(解説)和解のために降りる
第16回[対面/face to face]:教科書問題①
第一章
一、日本の「反省」と新しい歴史教科をつくる会
二、反省する戦後日本
三、「つくる会」の不満
第17回[対面/face to face]:教科書問題②
第一章
四、韓日双方の対応の問題点
五、「事実」と倫理
六、「つくる会」と民族主義
七、「愛国心」を超えて
第18回[対面/face to face]:教科書問題③
〔調査発表〕
教科書問題の歴史と現状について
第19回[対面/face to face]:慰安婦問題①
第二章
一、「慰安婦はなかった」のか
二、日本政府の対応と「女性のためのアジア平和国民基金」
三、「道義的」責任の意義と限界
第20回[対面/face to face]:慰安婦問題②
四、韓国の不信
五、韓国の内なる責任
六、韓国のなかの加害性
七、「国家」を超えて
第21回[対面/face to face]:慰安婦問題③
〔調査発表〕
慰安婦問題の歴史と現状について
第22回[対面/face to face]:靖国問題①
第三章
一、小泉首相の「反戦」の意志
二、靖国と戦後日本
三、被害意識としての靖国支持
第23回[対面/face to face]:靖国問題②
第三章
四、「国家のための死」と守られるべきもの
五、韓国の矛盾、国立墓地
六、被害者としての軍人
七、「謝罪」する追悼
第24回[対面/face to face]:靖国問題③
〔調査発表〕
靖国問題の歴史と現状について
第25回[対面/face to face]:領土問題①
第四章
一、ふたつの独島ものがたり(一)
二、所有の政治学
三、ふたつの独島ものがたり(二)
第26回[対面/face to face]:領土問題②
第四章
四、領土拡張の欲望と近代
五、ふたつの独島ものがたり(三)
六、アメリカというファクター
第27回[対面/face to face]:領土問題③
第四章
七、警戒心と表象
八、島根県と独島
九、境界民の思考のために
十、独島の主は誰か
第28回[対面/face to face]:まとめ
第五章
一、近代がもたらした四つの問題
二、本質主義を超えて
三、新たな批判のために
四、韓日協定と日本の選択
五、冷戦の構図のなかの韓国と日本
六、「国民」を超えて
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
・発表者は、テキストの内容をまとめるだけでなく、それを補充あるいは反証する資料を紹介し、論理的思考と批判的思考をもって実証的な発表ができるよう準備する
・発表者以外は、テキストの当該箇所を精読するとともに、他の関連資料も事前に参照して、発表後のディスカッションに積極的に参加できるように準備する。
本授業の準備学習・復習時間は各2時間を標準とします。
テキスト(教科書)Textbooks
【春学期】
・エズラ・F・ヴォーゲル著・益尾知佐子訳『日中関係史―1500年の交流から読むアジアの未来』(日本経済新聞出版社、2019年)
【秋学期】
・朴裕河著・佐藤久訳『和解のために 教科書・慰安婦・靖国・独島』(平凡社ライブラリー、2011年)
参考書References
【春学期】
・本⽥勝⼀著『南京への道』(朝⽇⽂庫、1989年年)
・笠原十九司『南京事件論争史―日本人は史実をどう認識してきたか』(平凡社新書、2007年)
【秋学期】
・内海愛子『戦後補償から考える日本とアジア』(山川出版社、2002年)
・孫崎享『日本の国境問題―尖閣・竹島・北方領土』(ちくま新書、2011年)
成績評価の方法と基準Grading criteria
成績は輪読発表(60%)とリアクション・メッセージ、グループワークなどゼミの活動への参加度(40%)によって評価する。この成績評価の方法をもとに、本授業の到達目標の60%以上を達成した者を合格とする。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
全体のディスカッションではなかなか意見を出しにくいようなので、一昨年度から小さなグループにわかれて意見交換を行い、そこでの議論の内容を代表者が発表するグループワーク形式に変更した。
またコロナ禍での感染防止のため、リアクション・ペーパーは使用せず、かわりにLINEのメッセージで発表者に意見や感想を送ることにした。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
演習では、授業時間外でも共同作業ができるよう、独自に設置したSNSサービスfixiを活用する。URLは、
・fixi
http://fic.xsrv.jp/elgg/
授業の中では次のような情報機器を使用する。
(1) プレゼンテーション
パワーポイントを使ってわかりやすく伝える技術を身につける
〔使用機材〕PC、パワーポイント、プロジェクタ、スクリーンなど
(2) グループ・ワーク
発表者や他者の意見にしっかり耳を傾けるとともに、批判的思考と資料的根拠をもって論理的、実証的に意見を述べ、ディスカッションに貢献する力を身につける
〔使用機材〕マイク、教室内の拡声装置
(3)現地取材
取材の申し込みから、現地でのインタビュー、映像撮影、インタビューの起こし、礼状の送付までの一連の作業を通じて、コミュニケーション能力とメディア・リテラシーを身につける
〔使用機器〕ビデオカメラ、三脚、マイク、fixi(インタビューの起こしと翻訳に利用)
(4)映像制作
文献での調査と現地取材からドキュメンタリー映像作品を制作し、パソコンを活用した映像制作の技術とメディア・リテラシーを身につける
〔使用機器〕パソコン、fixi(資料の共有と構成表の共同作成に利用)、映像編集ソフト、ビデオカメラ、三脚、マイクなど