国際文化学部Faculty of Intercultural Communication
HUI300GA(人間情報学 / Human informatics 300)文化情報空間論Theory of Cultural Information Space
『拡張された人間』『超える人工物』『仮想の空間』
甲 洋介Yousuke KINOE
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 国際文化学部Faculty of Intercultural Communication |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2022 |
授業コードClass code | C0820 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 秋学期授業/Fall |
曜日・時限Day/Period | 水3/Wed.3 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 / Ichigaya |
教室名称Classroom name | 各学部・研究科等の時間割等で確認 |
配当年次Grade | 2~4 |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | 情報関連科目を履修済みであることが望ましい |
他学部公開科目Open Program | |
他学部公開(履修条件等)Open Program (Notes) | |
グローバル・オープン科目Global Open Program | |
成績優秀者の他学部科目履修制度対象Interdepartmental class taking system for Academic Achievers | ○ |
成績優秀者の他学部科目履修(履修条件等)Interdepartmental class taking system for Academic Achievers (Notes) | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
SDGsCPSDGs CP | |
アーバンデザインCPUrban Design CP | |
ダイバーシティCPDiversity CP | |
未来教室CPLearning for the Future CP | |
カーボンニュートラルCPCarbon Neutral CP | |
千代田コンソ単位互換提供(他大学向け)Chiyoda Campus Consortium | |
旧科目との重複履修Duplicate Subjects Taken Under Previous Class Title | |
人数制限・選抜・抽選Capacity/Selection/Rondom | |
毎年・隔年Frequency | 毎年開講 |
すべて開くShow all
すべて閉じるHide All
Outline (in English)
This class addresses the "Augmented Human", "Virtual Society" and "Intelligent Artifacts", as one of the essential issues of our modern society. It allows you to learn basic principles for designing the symbiosis and augmentation of human, society, and artifacts.
By the end of the course, students should be able to (a) explain basic concepts and framework of the augmentation of human and the intelligence of artifacts, and (b) discuss the design of the symbiosis of the “Augmented Human/Society” and “Intelligent Artifacts”.
Before/after each class meeting, students will be expected to spend four hours to understand the course content.
Final grade will be decided based on (1) final report/exam (50%) and (2) short reports and the quality of the student’s in-class contribution (50%).
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
本講義は現代社会の重要な主題の一つとして、『知を変える人工物』『人間と社会の拡張』の問題を取り上げる。
● 人工物を次々に生み出すことで自らの限界を超える
人間は自然界で非力な存在である。人工物を次々に生み出すことで、自分の身体的・感覚的・知的な限界を超えてきた。その結果、この世界は自然的な世界と言えなくなりつつある。むしろヒトが作り出した人工的世界の中で生きている、と考えるほうが自然だろう。
● 人工物が姿を変える Society 5.0 の後、どこに向かう?
人工物は、文具や玩具のように人間から独立した分かりやすいモノだけではない。身体に装着する義足やコンピュータを埋込んだ衣服、脳波で作動させる道具やクルマなど、ヒトの身体や能力と一体化して機能する人工物もある。暮らしの至るところに埋め込まれた知的人工物に、やがて気がつかなくなると言われる。またスマート住宅のように人々を包む環境として存在する人工物もある。
● 本講義を通じて履修者は、「人間と人工物の一体化と拡張」という一見矛盾する2つの現象と、今後発展する方向性を、まず「人工物の科学」(H.A.サイモン)を理解することから始め、それをベースとして「知的人工物との暮らしのデザイン」について学ぶ。講義の終わりには、「都市」や「社会」もある意味で空間化した知的人工物として捉えることができるようになる。
また、人間の拡張と『持続可能な社会』の両立は今日的な検討課題となりうるだろう。
到達目標Goal
・人工物とは何か、それはどのように登場し、人間のもつ制約をどのように拡張してきたのか、「人工物の科学」の基礎を理解する。
・知的人工物が変化を感じ取り環境に適応するための技法として、知識表現、ニューラルネットワーク、遺伝的アルゴリズムの基礎を理解する。
・人間と人工物の共生を捉える幾つかの分析観点を学び、ある具体的な場面を切り出して、人工物によって拡張された暮らしのデザインに取り組む。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
国際文化学部のディプロマポリシーのうち、「DP1」「DP2」「DP3」「DP4」に関連。
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
本講義は、まず「現在」を人間と知的な人工物との共生社会として捉えることから始まる。 そして、私たちの生活空間のさまざまな局面に人工物が浸透する様態に着目し、
①人間と独立したモノとして存在するいまの人工物、
②人間の身体や能力と一体化して作動し、人間を拡張する人工物、
③空間化し人間を包み込む環境として存在する人工物、
の3つの存在形態について検討を加える。
これらの人工物が日常生活に埋め込まれることによって、私たちの生活習慣や文化はどのように変容し、生活空間はいかに拡張されうるのか。幾つかの生活場面を取り上げ、人間と社会の拡張を具体的にデザインすることに取り組む。
※新型コロナ感染状況により授業の進め方を修正せざるを得ない場合は学習支援システム等で周知する。その場合も上記の学習効果が得られるよう工夫する。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching:対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
1[対面/face to face]:イントロダクション
知的人工物との暮らし ~サイバーパンクSFを超えて
2[対面/face to face]:暮らしの人工物のサイエンス
日常生活を構成する人工物
3[対面/face to face]:暮らしの人工物のサイエンス②
人工物を科学する、とはどのようなことか
4[対面/face to face]:人間のもつ制約を超える
人間の身体・感覚・認知の諸特性を拡張する人工物と、その方向性
5[オンライン/online]:適応する人工物
環境を感じとり、身体を持つ知能としてのロボット
6[オンライン/online]:環境を感じ取り適応する知的な人工物
ニューラルネットワーク(神経回路網)モデル
7[オンライン/online]:環境を感じ取り適応する知的な人工物②
自然淘汰と遺伝的アルゴリズム
8[オンライン/online]:人間と一体化する人工物
身体と人工物の境界はすでにあいまいである
9[オンライン/online]:人間と一体化する人工物②
人間の知覚、感覚的諸能力との一体化
10[対面/face to face]:人間と協調する知的人工物
人間の認知的諸能力と一体化する
11[対面/face to face]:人間と協調する知的人工物②
人工物に感情は必要か
12[対面/face to face]:空間化する知的人工物
情報化する空間と、空間化する情報
13[対面/face to face]:人工物との暮らしのデザイン
具体的な場面を切り出して、人工物との暮らしをデザインする
14[対面/face to face]:まとめ
人間拡張学に向けて
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
講義後に、講義と討議を通じて各自で考えた事柄をまとめ、授業支援システムに蓄積する。受講生からのコメントは講義で活かされる。本授業の準備学習・復習時間は各2時間を標準とします。
テキスト(教科書)Textbooks
・システムの科学 第3版(H.サイモン著、パーソナルメディア)1999. 可能なら、The Sciences of the Artificial (The MIT Press、English Edition) 2019 が良い。J.E.Lairdによる序文が追補された.
他については、講義の進行に応じて指示する。
参考書References
・Society 5.0(内閣府・科学技術政策)https://www8.cao.go.jp/cstp/society5_0/index.html
・「複雑さと共に暮らす」(D.A.ノーマン、新曜社)2011.
・「深層学習:ディープラーニング」(麻生英樹他、近代科学社)2015.
・「攻殻機動隊」(監督:押井守、ワーナー)他一連の作品群
他については、講義の進行に応じて指示する。
成績評価の方法と基準Grading criteria
・期末レポートまたは試験(50%)、
・授業・討議における積極性な貢献度合い(発表、レスポンスシートを含む)(50%)
を総合して評価する。
期末レポート未提出者/試験未受験者の単位は認定しない。この成績評価の方法をもとに、本授業の到達目標の60%以上を達成した者を合格とする。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
具体例を増やし、分かりやすい説明を試みる。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
資料配布、リアクションペーパー・課題提出等に学習支援システムを利用するので授業前後にアクセスし確認すること。
その他の重要事項Others
いわゆるコンピュータの授業ではないので、注意のこと。
こころ、空間デザイン、人工知能、ロボットに興味のある皆さんに参画を期待する。
履修条件
・「情報リテラシーⅠ・Ⅱ」を単位取得済みであること。
関連科目
・「道具のデザイン学」「仮想世界研究」「こころの科学」「システム論」と組み合わせて受講することにより、履修効果が高まるようにデザインされている。