国際文化学部Faculty of Intercultural Communication
HUI200GA(人間情報学 / Human informatics 200)システム論Theory of Systems
人と社会の営みを理解する、もう一つの視点
甲 洋介Yousuke KINOE
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 国際文化学部Faculty of Intercultural Communication |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2022 |
授業コードClass code | C0211 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 秋学期授業/Fall |
曜日・時限Day/Period | 火2/Tue.2 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 / Ichigaya |
教室名称Classroom name | 各学部・研究科等の時間割等で確認 |
配当年次Grade | 1~4 |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
他学部公開科目Open Program | |
他学部公開(履修条件等)Open Program (Notes) | |
グローバル・オープン科目Global Open Program | |
成績優秀者の他学部科目履修制度対象Interdepartmental class taking system for Academic Achievers | ○ |
成績優秀者の他学部科目履修(履修条件等)Interdepartmental class taking system for Academic Achievers (Notes) | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
SDGsCPSDGs CP | |
アーバンデザインCPUrban Design CP | |
ダイバーシティCPDiversity CP | |
未来教室CPLearning for the Future CP | |
カーボンニュートラルCPCarbon Neutral CP | |
千代田コンソ単位互換提供(他大学向け)Chiyoda Campus Consortium | |
旧科目との重複履修Duplicate Subjects Taken Under Previous Class Title | |
人数制限・選抜・抽選Capacity/Selection/Rondom | |
毎年・隔年Frequency | 毎年開講 |
すべて開くShow all
すべて閉じるHide All
Outline (in English)
This class allows you to learn basic principles of "System" theory.
By the end of the course, students should be able to practice basic principles of "Systems Thinking," and to re-examine some selected social issues by applying the methods of "Systems Thinking".
Before/after each class meeting, students will be expected to spend four hours to understand the course content.
Final grade will be decided based on (1) final report/exam (40%) and (2) short reports and the quality of the student’s in-class contribution (60%).
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
● 『家族』も『人間』もシステム?
コンピュータやSNSばかりがシステムではない。私たちの生活はたくさんの『システム』に囲まれている。電子マネーやオンラインショップがシステムという説明は頷けるとしても、家族や社会、国際食糧支援、チームスポーツ、コンビニもシステム、と云われたらどうだろうか。
暮らしや社会の意外な仕組みが、広い意味でのシステムとして、私たちの文化の中に様々な形態で組み込まれている。交通にしても、家族にしても、多国間関係にしても、うまく機能している間は人々は気にしない。その仕組みがシステムとしてうまくはたらかない時に問題として顕在化する。
● 「システムという考え方」を学ぶ
本講義を通じて、最初は複雑すぎて捉えられない事柄も、「システムという考え方」を用いて整理し、自分で系統立てて捉えることができるようになる。
システムとは何か。文化の中の様々な対象をシステムとして捉えることによって、考え方が変わる。
本講義では、暮らしの中の身近な例や、システムとして意識したことがない意外な例を取り上げながら、それがどのような意味でシステムなのか、解きほぐしていく。複雑な事柄も複数の構成要素が巧みに関係し合った現象として、理解が進む。対象の本質を浮かび上がらせ、改善策の考案へとつなげる。これを練習する。
● システムから世の中を見ると、いろいろな事が見えてくる
人が作ったモノだけでなく、『家族』や『社会』も一種のシステムである。
たとえば『家族』とは何か、家族が家族でいようとする目的は何か、なぜ現在の形態になっているのか、一度は考えたことがあるかもしれない。あるいは、差別や階層など、他と区別するための概念が新たに生まれたり、消滅すると何が変わるのか。システムとして捉え直すと、それが社会の営みに対する questions を整理し、明確化することにもつながる。
社会にはさまざまな形でシステムが埋め込まれている。その様態は常に変化している。そして、そこにはシステムとしての役割の変化がある。それらを発見する作業は面白い。なぜならその変化は、人間が暮らし方を変革してきた足跡そのものだから。
到達目標Goal
社会、またはあなたが直面する一見複雑に見える問題に対して:
・それはどのような要素からなっているか
・その本質は何か、何を目的としているのか
・複数の要素間の相互関係はどうなっているか
・その問題は、解決可能な幾つかの小さな問題に分けて考えることができるか
・どのようにすれば解決に近づくことができるか
を、システムの考え方を用いて、問題の構造を理解して、複数の視点から分析し、自分なりの答えを「系統立てて」導くまでの道筋を、自分で組み立てられるようになることを目指す。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
国際文化学部のディプロマポリシーのうち、「DP2」「DP3」「DP4」に関連。
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
概ねつぎの流れに沿って各回の授業を構成する。
(1) 前回のコメントシートを踏まえた解説、ディスカッション(約15分)
(2) 講義形式で、題材を提示し、考え方・いくつかの視点を解説(65分)
(3) 小課題を演習し、質問応答、コメントシート作成(20分)
講義と小課題の演習を組み合せる。授業冒頭(1)で前回をおさらいし、受講生のコメントシートを踏まえた解説で理解の深化を促し、各回の講義(2)につなぐ。各自の内容理解を小演習(3)で確認し、コメントシートとして提出する。この対話サイクルで授業を進める。
授業中の討議を通じて,他の意見を認めつつ自分のオリジナルな考えをまとめ,他者が理解できるよう論理的な説明を練習する。その成果を期末レポートで確認する。
※新型コロナ感染状況により授業の進め方を修正せざるを得ない場合は学習支援システム等で周知する。その場合も上記の基本方針の効果が得られるよう工夫する。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching:対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回[対面/face to face]:はじめに
システムは難しくない。本講義の狙いと、進め方
第2回[対面/face to face]:システムは、あなたの身近にある
システムとはどのようなものか
第3回[対面/face to face]:暮らしの中のシステム
暮らしの中にある、様々なシステム
第4回[オンライン/online]:システム、という考え方
システム思考の基礎。複雑そうな事を、要素の間の関係性として捉え直してみる
第5回[オンライン/online]:大きな視野から、システムの要素を整理し、働きを分析する
システムの成果物、インプット・資源、環境条件、環境への副次的影響、の整理
第6回[オンライン/online]:人間の行為を、システムの視点から理解する
気まぐれに見える人間の行為も、システムから捉えると
第7回[オンライン/online]:システムの信頼性、可用性を高める
故障しないモノはない。しかしシステムのデザインを工夫すれば、信頼性、可用性を高められる
第8回[オンライン/online]:人と道具のシステム論 -文房具から宇宙旅行まで
人が何か目的をもって道具を使う、その状況をシステムとして捉えてみよう
第9回[オンライン/online]:社会というシステム ~個人から社会へ(パーソンズの理論)
社会は複雑に見える。社会をシステムとしてどう捉えるか
第10回[対面/face to face]:社会のシステム論(1) -ルーマンの理論
オートポイエーシス概念を用いて、社会システム論を説明する
第11回[対面/face to face]:社会のシステム論(2) -コミュニケーションの連鎖
ルーマンは,社会の複雑さや『分化』をどのように捉えるか
第12回[対面/face to face]:社会や文化に埋め込まれたシステムたち
人の住まう都市、地域コミュニティの生活を、システムとして再検討する
第13回[対面/face to face]:システムダイナミクス
システムダイナミクスを用いて、複雑な社会現象を、多様な見方から捉える
第14回[対面/face to face]:まとめ:暮らしから社会へ、人間社会から環境へ
まとめ、課題について、ディスカッション
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
・授業の復習を兼ねて、小課題に取り組む。提出は主に学習支援システムを用いる。
・本授業の準備学習・復習時間は各2時間を標準とする。社会システムの理解には、ニュースにある社会問題の背景について、自分で考える日頃の習慣が役に立つ。
テキスト(教科書)Textbooks
講義資料を提示し、テキストは使用しません。
参考書References
・知恵の樹 — 生きている世界はどのようにして生まれるのか(マトゥラーナ著、ちくま学芸文庫)1998
成績評価の方法と基準Grading criteria
・レスポンスシートや,授業・討議における積極的な貢献度合い(60%),
・期末レポートまたは期末試験(40%)
で総合的に評価します。
この成績評価の方法をもとに、本授業の到達目標の60%以上を達成した者を合格とする。 基本事項の理解、記述の明確さ、答えを導くまでの論理性、必要に応じて多角的な視点から考察すること、が重要です。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
「込み入った話になると難しい」との意見がありました。例示を増やし、分かりやすく解きほぐすことを心がけようと思います。
関連科目
「道具のデザイン」「文化情報空間論」と直接的に関連しています。また国際社会コース、表象文化コースの専門科目の基礎としても役立つように工夫されています。