法学研究科Graduate School of Law
LAW500A1(法学 / law 500)憲法特殊講義ⅡConstitutional Law II
建石 真公子
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 法学研究科Graduate School of Law |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2022 |
授業コードClass code | X4023 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 秋学期授業/Fall |
曜日・時限Day/Period | 水5/Wed.5 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | 各学部・研究科等の時間割等で確認 |
配当年次Grade | |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | 博士後期「公法特殊研究Ⅳ」と合同 |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience |
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Outline (in English)
<Course outline>
In the Constitutional Special Lecture II, we examine the judicial guarantee of human rights, for example the right to autonomy, self-determination and mental and phisical integrity
<Learning Objectives>
The purpose of the lecture is to consider and clariphy the rights on life and body integrity, sexuality which have not yet been established in Japan.
<Learning activities outside of classroom>
Before/after each class meeting, students will be expected to spend two hours to understand the course content.
<Grading Criteria /Policy>
Grading will be decided based on the quality of the students’ contribution in the class (50%) and presentation(50%).
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
コースワーク科目である憲法特殊講義IIでは、人権の裁判的保障の具体例として人格権に関わる人権問題について考察する。
授業の目的は、生命や身体、セクシュアリティに関する人権は、まだ判例でも解釈でも確立していない分野であるが、比較法などを検討しつつ、人権論としてどのように考察できるのかを検討することを目的とする。
到達目標Goal
人格権に関する人権課題について、どのような憲法問題かを理解し、比較法の検討を通じて、人権保護に資する理論を提示することである。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「DP1」「DP2」「DP3」「DP4」に関連、特に「DP1」と「DP3」は強く関連している。
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
秋学期も、Zoomを利用したオンライン授業を行う予定だが、状況に応じて対面授業も取り入れる。
文献や判例、映画、また弁護士等のインタビューを通じて、課題に関する理解を深める。
担当者による文献等の報告をもとに、参加者でディスカッションをし、多様な考え方を知り、そのうえで、自分の考えをまとめる。
報告に関する評価や課題については、口頭で、あるいは事後に文章でフィードバックします。質問は、授業開始後にメールアドレスをお知らせするので、いつでもメールで連絡してください。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching:オンライン/online
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回[オンライン/online]:イントロダクション
個人の尊厳と生命倫理に関わる法的問題について、日本の現状と課題を確認する。
課題や参加者の問題関心を共有のうえ、文献等を決定する。
第2回[オンライン/online]:個人の尊厳と生命倫理に関わる憲法上の権利の検討
配付論文に関して検討する。
第3回[オンライン/online]:憲法13条と個人の尊重
配付論文について検討する。
第4回[オンライン/online]:憲法13条と人格権
人格権に関する判決、学説の検討ー肖像権ー
第5回[オンライン/online]:憲法13条と人格権(2)
人格権に関する判決、学説の検討−ハンセン病訴訟−
第6回[オンライン/online]:性別を決定する権利は自己決定権・人格権か−日欧比較
自己の性別を決定する権利について、日本国憲法とヨーロッパ人権条約を取り上げ、解釈や判例からどのような権利かについて理解を深める
第7回[オンライン/online]:性的指向は人格権か−日欧比較
性的指向はどのような権利か、日本国憲法とヨーロッパ人権条約を取り上げ、解釈や判例から理解を深める
第8回[オンライン/online]:ヨーロッパ人権裁判所における人格権(3)
プライヴァシーの権利−生殖補助医療へのアクセス
第9回[オンライン/online]:他者の権利と人格権(1)
凍結受精卵による出生に関する最高裁判所判決
第10回[オンライン/online]:他者の権利と人格権(2)
代理懐胎による子の出生と親子関係に関する最高裁判所判決
第11回[オンライン/online]:尊厳と人格権
受精卵の研究利用への提供の禁止に関するヨーロッパ人権裁判所判決
第12回[オンライン/online]:中絶の自由
中絶合法化に関するフランス憲法院違憲審査
第13回[オンライン/online]:人格権としての中絶
ドイツ・イタリア及びスペインにおける中絶法の違憲審査
第14回[オンライン/online]:秋学期の総括
参加者によるディスカッション
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
本授業の準備学習・復習時間は各2時間を標準とします。準備は、課題となっている論文や書籍について目を通し、内容を理解した上で、不明な点や課題について明らかにする。報告を担当する場合には、内容を簡潔にまとめ、論点を提示する。
復習は、まず授業での論点を再確認する。そのうえで疑問点がある場合は、関連する論文や資料等にアクセスし考察を深める。
テキスト(教科書)Textbooks
適宜配布、紹介
参考書References
適宜配布、紹介
成績評価の方法と基準Grading criteria
議論への参加:50%
報告:50%
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
ディスカッションの時間をより多くとりたいと思います。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
特になし。
担当教員の専門分野等
<専門領域>
憲法学、国際人権法学
<研究テーマ>
人権の裁判的保障
国際人権保障
生命倫理に関わる人権保障
<主要研究業績>
・建石真公子「生命への介入、その法的課題(1)~(11)(連載継続中)時の法令、2020年4月〜2021年2月。建石真公子「日本における研究目的の『ヒト胚のゲノム編集』と『ヒト胚の作成』 ─人権の観点からどう考えるか」学術の動向、25/10,2020年、p.40-45. 建石真公子「わいせつ概念の再構築ー「四畳半襖の下張」事件」判例百選第7版、2019年。建石真公子「個人の尊重とゲノム(遺伝)情報保護—フランスにおける個人情報保護制度を例に」『憲法の普遍性と歴史性』辻村みよ子先生古稀記念論集、日本評論社、2019年。共編著『ヨーロッパ人権裁判所の判例II』信山社、2019年。建石真公子「トランスジェンダーの権利論−ジェンダー・アイデンティティをめぐる個人の尊重の射程−」『スポーツ・医・科学研究報告II』2019年、p.9-22.建石真公子「フランスにおける「私生活の尊重の権利」の憲法規範化」憲法研究4号、2019年、p.79-92. 建石真公子「提供型生殖補助医療(代理懐胎を含む)における生殖の自由の制約としての人間の尊厳および他者の人権 (ミニ・シンポジウム 提供型生殖補助医療(代理懐胎を含む)における人権保護の課題)」比較法研究、no.80,2018,p.217-223.建石真公子「同性愛者の権利(LGB・SO)の権利保障の進展における私生活の尊重・人格権・差別禁止」平成29年度 日本体育協会スポーツ医・科学研究報告I
『スポーツ指導に必要なLGBTの人々への配慮に関する調査研究』、2018年、p.7-19.・Hiroko Tateishi, Sources du droit et interprétation des juges: l’émergence d’un dialogue avec le droit comparé et les traités internationaux relatifs aux droits de l’homme à la Cour suprême du Japon, in C.Guerin-Bargues et H.Yamamoto(sous la direction), Aux sources nouvelles du droit, Mare & martin, 2018, p.237-258.建石真公子「ヨーロッパ人権条約第 15 議定書による『補完性原則の条 約化』をめぐる人権条約の実効性と国内裁判所の自立性」、工藤達朗・西 原博史・鈴木秀美・小山剛・毛利透・三宅雄彦・斉藤一久編『戸波江二先 生古稀記念 憲法学の創造的展開』信山社、2017 年 12 月,101-124 頁。 総頁 801 頁。
・建石真公子「提供型生殖補助医療(代理懐胎を含む)における生殖の自由の制約とし ての人間の尊厳および他者の人権」比較法研究、80 号。
・建石真公子「フランスの人権保障における合憲性と条約適合性―」辻村みよ子編
『フランス憲法からの展望 政治社会の変動と憲法』信山社、2017 年 3 月。