生命科学部Faculty of Bioscience and Applied Chemistry
MAC200YB(材料化学 / Materials chemistry 200)環境安全化学Managing Safety in Chemistry
吉原 利一Toshihiro YOSHIHARA
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 生命科学部Faculty of Bioscience and Applied Chemistry |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2022 |
授業コードClass code | H7019 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 春学期授業/Spring |
曜日・時限Day/Period | 月3/Mon.3 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 小金井 |
教室名称Classroom name | 各学部・研究科等の時間割等で確認 |
配当年次Grade | |
単位数Credit(s) | |
備考(履修条件等)Notes |
成績優秀者の他学部科目履修制度で履修する学 生:教員の受講許可が必要(オンライン授業の場合は、学習支援システムで許可を得るようにする) |
他学部公開科目Open Program | |
他学部公開(履修条件等)Open Program (Notes) | |
グローバル・オープン科目Global Open Program | |
成績優秀者の他学部科目履修制度対象Interdepartmental class taking system for Academic Achievers | ○ |
成績優秀者の他学部科目履修(履修条件等)Interdepartmental class taking system for Academic Achievers (Notes) | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
SDGsCPSDGs CP | |
アーバンデザインCPUrban Design CP | |
ダイバーシティCPDiversity CP | |
未来教室CPLearning for the Future CP | |
カーボンニュートラルCPCarbon Neutral CP | |
千代田コンソ単位互換提供(他大学向け)Chiyoda Campus Consortium | |
カテゴリー<生命科学部>Category | 学部共通科目 |
すべて開くShow all
すべて閉じるHide All
Outline (in English)
[Course outline]
Even in developed countries, they had caused many environmental problems so called “pollutions” in their economically/idealistically immature eras. These experiences are now commonly utilized not only to keep their domestic environments, but also to solve similar problems in developing countries. A common issue of such “pollutions” is understandable as a clear relationship between the cause and the result and/or between the perpetrator and the victim. However, such a clear relationship would be disappeared, and at the present time, all humankind is simultaneously a perpetrator and a victim when we face to newly happening environmental problems, such as greenhouse gas problems, PM2.5, and micro-plastics. Thus, we are still seeking for the way to solve them, which may stand on a different approach than ever.
Studying the environmental sciences could lead us to the answer. It is not a sole but a total natural science, and sometimes, it includes social sciences like economy, politics, and cultural anthropology. Here, this lecture provides you a basis of “the environmental sciences” (e.g., history of pollutions and how mankind solve the problems). In addition, the lecture may promote you to deepen your mind, what is the safety in environment and how to solve environmental problems at the present time and/or in future we will face in a mean of SDGs.
The learning schedule is showing below.
1. Guidance and Introduction
2. What makes the environment
3-4. The environment and the Ecosystem
5-6. The pollution of the air
7-9. The pollution of the water
10-11. The pollution of the soil
12-14. Group Discussion (or debate)
[Learning Objectives]
1. To have basic knowledge for the past and the present problems
2. To understand the nature of the problems from the social and the scientific background
3. To know methodology to solve the problems without self-righteousness
[Grading Criteria /Policy]
The grading is based on reports after each lecture. The semester test is not conducted. The reports are graded by following three points of views; 1. Analyzed with a correct data/information (indicate the reference), 2, Witten in clear, consistent, and original sentences in response to a theme, 3. Easy to read without wrong character.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
かつて「公害」と呼ばれた様々な環境問題があった。「公害」の特徴は原因と結果のつながり、および被害者と加害者が明かなことである。しかし現在、我々が直面する温室効果ガスやPM2.5、マイクロプラスチックなどの問題では、一人一人が被害者であると共に問題を生じさせる加害者となっている。また、これらは国境を越えて広がるため、従来とは異なるアプローチが求められている。言い換えれば、これらの問題は単一の因果論としての自然科学ではなく、エネルギー論から地球物理学や遺伝学を含めた総合的な自然科学、そして経済・政治から個人のライフスタイルといった社会科学の知見の統合によってようやく解決できるものなのである。
そこで、「環境科学」という学問がある。本講義では、まず人類の発展と共に変遷してきた環境問題を題材に基礎を学ぶ。そして環境を安全に保つこととは何か、我々が現在直面している、あるいは子孫が直面するかもしれない環境問題について解決・回避のために何が必要なのかなどについて考察を深める。また近年、SDGsと呼ばれる国際的な取り組みの一環として様々な分野において環境保全への関心が高まっている。あるいはESGとして、国、企業活動、個人の活動の正当性、継続性を担保するために必須の取り組みとなっている。本講義では、このような近年の環境問題を取り巻く変化に対応しながら、関連した「情報」の収集と分析、および発信のための基礎を習得することを目指す。
到達目標Goal
1.種々の環境問題に関する基礎的な知識を身につける、
2.歴史的、科学的視点の双方から問題の本質を理解する、
3.独善を排して問題解決のための方向性を見出す術を身につける
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
DP2
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
講義(第1~11回) 本シラバスに示した内容に沿って進めていく。予・復習のために、グループディスカッションを除く第11回までの講義内容の概要を記した資料を、学習支援システムにアップロードする。
グループディスカッション(第12~14回) 7~8人の小グループに分かれて、与えるテーマについて学生同士意見を交わしてもらい、情報の収集・分析・発信の方法を身につける。また、テーマに関して収集した情報の違いや、同じ情報に接したときでも他我のとらえ方の違いなどを知る。さらに、グループごとに結論をまとめて発表を行う。
なお、できる限り対面での講義を志向するが、コロナウイルスに係る状況次第でオンデマンド方式(ZOOM)による講義を行う。
・レポート
受講生は、課題についてレポートを提出して成績評価を受ける(成績評価の項を参照)。講義回ごとに迅速に評価し、個別にフィードバックを行う。なお、質問は4月1日以降、メール(宛先:toshihiro.yoshihara.65@hosei.ac.jp)にて随時受け付ける。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching:対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
1[対面/face to face]:ガイダンスと概要
授業の概要と進め方、成績評価などについて概説する。また、環境とは何かについて考える。
2[対面/face to face]:環境を形作るもの
元素、化合物、計量単位などについて。今後の授業において必要な化学の基礎を思い出す。特に近年話題となっているレアアースについて知る。
3[対面/face to face]:環境と生態系Ⅰ
生態系とは何かについて学ぶ。特に、土地の生産性とは何かを考える。
4[対面/face to face]:環境と生態系Ⅱ
なぜ多様性が生じたのか、多様性を守る価値とは何か、種の進化と絶滅を学ぶ。また、SDGsとLCAについて概説する。
5[対面/face to face]:大気の汚染Ⅰ
大気の構造、構成要素と循環、公害と呼ばれたかつての大気汚染について学ぶ。
6[対面/face to face]:大気の汚染Ⅱ
オゾン層の破壊、温室効果ガスと地球温暖化について学ぶ。また、エネルギー問題、食糧問題(フードマイレージ)との関わりを知る。
7[対面/face to face]:水の汚染Ⅰ
水の物理・化学的性質と生命の発生について学ぶ。また、水の循環、水質とは何か、および水の利用にかかわる問題(水利権、仮想水)について知る。
8[対面/face to face]:水の汚染Ⅱ
水の汚染、富栄養化、生物濃縮、環境ホルモンについて学ぶ。
9[対面/face to face]:水の汚染Ⅲ
酸性雨の問題について、森林の役割・衰退と環境への影響について学ぶ。
10[対面/face to face]:土の汚染Ⅰ
土とは何か、土の構成成分と構造・機能、土の汚染(金属・農薬による汚染)、砂漠化について学ぶ。
11[対面/face to face]:土の汚染Ⅱ
植物における養分の吸収・蓄積とカドミウム・セシウム等の非必須元素の吸収と蓄積・耐性、およびこれらに関する分子機構について学ぶ。また、植物を使って土をきれいにする方法=ファイトレメディエーションについて知る。
12[対面/face to face]:グループディスカッションⅠ
グループディスカッションへの導入(KJ法について、ディスカッション手法の例示・実際)。
13[対面/face to face]:グループディスカッションⅡ
ディスカッションの継続、発展(新たな視点の追加)。
14[対面/face to face]:グループディスカッションⅢ
ディスカッションのまとめと要旨の発表、成績の基礎となるレポートについて。
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
【本授業の準備・復習等の授業時間外学習は、4時間を標準とする】
毎回のテーマについて、予習としてWEBでキーワード検索を行ったり、講義資料や参考書を読んだりする。また、復習としてレポートを書いて提出する。さらに、講義で得られた知識の確認・深化のために参考書・参考文献を読む。
テキスト(教科書)Textbooks
講義において常時使用する教材としてのテキストは指定しない。
参考書References
吉原利一編 地球環境テキストブック 環境科学 オーム社¥3300に準拠した形で講義を進める(講義はこの情報を更新する形で進める)。また、各回講義資料に加えて参考となる様々な文献をPDFなどとして配布する。
成績評価の方法と基準Grading criteria
成績評価は、講義回ごとに課すものと学期の終わりに課すものの2種類のレポートの提出によって行う。期末の試験は実施しない。講義回ごとに課すレポートは講義資料末尾の演習問題として示すテーマから一つ選択して提示から2週間以内に提出する。学期の終わりに課すものは、グループディスカッションの内容を要約した上で、テーマに関する意見の他我の違いを明示する形式とする。レポートの採点においては、①正確な情報と分析に基づくこと(主な出典の明記等)、②テーマに応答した論旨の明確さ・一貫性・新奇性、③文章の読みやすさ(誤字脱字等がないこと、表現力)、の3項目をそれぞれ5段階で評価し、レポート別にその点数を合計する(最大15点)。科目としての成績評価では、講義回ごとのレポートの平均点と学期末のレポートの点数を50:50として総合する。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
前年度講義におけるアンケート結果は全体的に好評だったが、今期は特に評価の高かったレポートの個別フィードバック、グループディスカッションに重点を置く。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
パソコン等情報機器。資料配布等に学習支援システムを使用。
その他の重要事項Others
本講義を担当する教員は、電力中央研究所等において30年以上にわたり研究を行っているほか、樹木医としての活動を行っている。これらの経験を活かし、天然記念物の保護活動や東京電力福島原子力発電所事故における帰還困難区域でのフィールドワークを行った経験など、研究者や樹木医を目指す学生の参考となる事例を紹介する。また、投稿論文等に掲載された「自らが得たデータ」を多く引用する。