理工学部Faculty of Science and Engineering
PHY300XG(物理学 / Physics 300)複雑系モデルComplex Systems
梶田 雅稔Masatoshi KAJITA
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 理工学部Faculty of Science and Engineering |
添付ファイル名 Attached documents |
講義資料ー複雑系の物理 |
年度Year | 2022 |
授業コードClass code | H9075 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 秋学期授業/Fall |
曜日・時限Day/Period | 月2/Mon.2 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 小金井 |
教室名称Classroom name | 各学部・研究科等の時間割等で確認 |
配当年次Grade | |
単位数Credit(s) | |
備考(履修条件等)Notes | |
他学部公開科目Open Program | |
他学部公開(履修条件等)Open Program (Notes) | |
グローバル・オープン科目Global Open Program | |
成績優秀者の他学部科目履修制度対象Interdepartmental class taking system for Academic Achievers | |
成績優秀者の他学部科目履修(履修条件等)Interdepartmental class taking system for Academic Achievers (Notes) | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
SDGsCPSDGs CP | |
アーバンデザインCPUrban Design CP | |
ダイバーシティCPDiversity CP | |
未来教室CPLearning for the Future CP | |
カーボンニュートラルCPCarbon Neutral CP | |
千代田コンソ単位互換提供(他大学向け)Chiyoda Campus Consortium | |
カテゴリー<理工学部>Category |
創生科学科 学科専門科目 |
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Outline (in English)
Also with progress of physics, there are phenomenos, which we cannot analyse easily. It is because of the correlation between phenomenos, and the equation becomes nonlinear. In this class, we show the numerical solution of differential equations,, and then we show also the phenomenon with which the solution is significantly different with a slight difference of initial state.
Goal
At former half, students are expected to understand the fundamental of numerical calculation. The latter half, chaotic phenomenon is introduced. It is expected that students understand that there are also case that the cannot obtain the deterministic solutions.
These contents are explained following the files of words or power point. To understand the content, it is important to experience the actual calculation using Excel.
The evolution is based on the reports (several times 80 %) and final examination.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
物理学が進歩しても実際には簡単に現象を解析できない事象が多いい。それは事象の間に相関があるために方程式が非線形になるからであり、今回の授業のテーマは微分方程式のパラメータ、初期値の微妙な違いが最終的な解に与える影響の大きさを示すこととする。
到達目標Goal
前半では方程式の数値的計算方法について理解することを目標にする。
後半では方程式を解いても原理的に答えが予測不可能なカオスなどを紹介して、実際には簡単に答えが出ない場合があることの理解を目指す
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「DP1」と「DP2」と「DP4」に関連
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
複雑系モデルの物理学に占める位置づけ、常微分方程式の基礎、微分方程式の数値計算による解析方法、複雑系の例としての生体の個体数変化の解析、カオスの概念、フラクタルについて講義用プリントを中心に解説する。概念をつかむために、Excelによる計算をプロジェクタ上で実演することも考えている。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching:対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
複雑系の位置づけ[対面/face to face]:物理学全体に占める複雑系の位置づけを解説する。
物理学の中に占める複雑系の位置づけを解説する。特に、独立事象を前提とする統計力学と事象間相関が強う場合を扱う複雑系の違いを強調する。
日常的にみられる複雑系[対面/face to face]:複雑系が特別なものでなく、日常的に見られることを示す。
テニスのラリーの打ち合いでポイントを取る確率から試合に勝つ確率などから、複雑さを生み出すもとを概説。
基本的な微分方程式[対面/face to face]:常微分法的式の基礎を概説する
斉次方程式の基本的解法を示したうえで、重ね合わせ原理などを紹介。非線形になるとどうなるかをも示す。
数値解析の基礎[対面/face to face]:解析的に解けない方程式の解の求め方
複雑な方程式f(x) = 0の解を求める方法を示す。f(a)<0、f(b)>0ならばその中間値を計算することを繰り返す。
数値解析の基礎[対面/face to face]:微分方程式の数値的な解法を紹介する。
解くことができない微分法的式を数値的に解くEuler法らRnge-Kutta法の紹介
複雑系の例(生物個体数)[対面/face to face]:生物の個体数の変化を表す方程式に異なる生物個体数が与える影響を取り入れる
猫とネズミの個体数の変化を解析する。ネズミが増えると、猫は増えやすいが、猫が増えるとネズミが減り猫の数も減る様子を示す。
カオスの概念[対面/face to face]:厳密な方程式があってもその解が予測不可能なカオスの概念を紹介する。
方程式の非線形性が顕著な場合には、初期値の微小な変化が解に大きなずれを生み出すカオスの概念を紹介する。
カオスの現象[対面/face to face]:カオスの現象の例としてパイこね変換を紹介する。
線を2倍に伸ばして真ん中で折り曲げる操作を行うことによる、線上の位置の変化がパイこね変換であるが、その操作を繰り返すと初期位置の微小なずれが大きな違いに広がることを示す。
カオスの現象[対面/face to face]:ロジスティック変換の紹介
生体個体数の変化が世代ごとに不連続で起こるとしたときの変化が、条件次第で予測不可能なカオス状態になることを示す。
カオスの現象[対面/face to face]:ローレンツ方程式
気象学者が提唱したローレンツ方程式の解が示すカオス性を示す。それが天気予報がせいぜい数日先までしかできないことを示す。
レーザーカオス[対面/face to face]:レーザー共振器内の吸収媒質の飽和による不安定さ
レーザーの原理を簡単に紹介したうえで、吸収媒質の飽和効果が光の強度の揺らぎの幅を増幅させることによってカオス的な発振をも起こすことを紹介する。
量子カオス[オンライン/online]:量子論におけるカオスの理解
古典力学での現象はすべて量子論でもあらわされなければならないが、量子論では初期値の不確定さの範囲のずれは影響を与えないことになっている。その矛盾を追及する(まだ答えは出ていない分野)
フラクタル[オンライン/online]:複雑な形状を示すものとしてフラクタルを紹介する
フラクタルとは、一部を拡大してみても同じに見える自己相似性を持つ図形である。その概念を紹介する。カオス運動の軌道はフラクタルになることが多い
フラクタルの次元[オンライン/online]:フラクタルの線の長さが無限であることなどから定義される非整数の次元数
直線は、長さhの部分に切ったら、その部分の数Nとの関係はNhが有限値になる。平面の場合はNh^2が有限値になる。フラクタルは長さが無限大になり、Nh^Dを有限値とするDの値が次元数になるが一般的に1.2-1.5程度の非整数になる。
次元数がフラクタルの画像認識として重要なパラメータである。
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
【本授業の準備・復習等の授業時間外学習は、4時間を標準とする】PCで、少なくともExcelを使えるようになっていてほしい。授業中にPCを用いた演習を行うことが多いのでPCを持ってくることを強く勧める。
テキスト(教科書)Textbooks
講義用のプリントを配布する。配布するプリントのファイルは本シラバスに添付しています。ここ2年にオンライン授業で用いた音声入りのppt資料も提供する
参考書References
特に指定しないが、講義プリンとは以下の書籍を参考にしている
「複雑系の理論と応用」中嶋正之監修 Ohmsha
「Excelで試す非線形力学」平山修 コロナ社
近く出版予定の"Fundamentals of Analysis in Physics" M. Kajita Bentham出版の第一章は本講義の内容を元に書いている
成績評価の方法と基準Grading criteria
レポート課題(配分80%)で、微分方程式の解析的、数値的計算法などの理解を目指す最終試験(20%)でカオスやフラクタルについての理解度を評価する
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
比較的好意的なアンケート結果であったけれども、プロジェクタを使用するときに部屋を暗くするなどの工夫はしていきたい。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
PCのプロジェクタを使用したい