市ヶ谷リベラルアーツセンター(ILAC)ILAC Course
BIO200LA(その他の総合生物・生物学 / Biology 200)教養生物学LBGeneral Biology LB
不思議な生物テトラヒメナが教えてくれたこと
沼田 治Osamu NUMATA
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 市ヶ谷リベラルアーツセンター(ILAC)ILAC Course |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2022 |
授業コードClass code | Q3234 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 秋学期授業/Fall |
曜日・時限Day/Period | 月2/Mon.2 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | 各学部・研究科等の時間割等で確認 |
配当年次Grade | 法文営国環キ1~4年 |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
他学部公開科目Open Program | |
他学部公開(履修条件等)Open Program (Notes) | |
グローバル・オープン科目Global Open Program | |
成績優秀者の他学部科目履修制度対象Interdepartmental class taking system for Academic Achievers | ○ |
成績優秀者の他学部科目履修(履修条件等)Interdepartmental class taking system for Academic Achievers (Notes) | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
SDGsCPSDGs CP | |
アーバンデザインCPUrban Design CP | |
ダイバーシティCPDiversity CP | |
未来教室CPLearning for the Future CP | |
カーボンニュートラルCPCarbon Neutral CP | |
千代田コンソ単位互換提供(他大学向け)Chiyoda Campus Consortium | |
選択・必修Optional/Compulsory | |
カテゴリー(2017年度以降)Category (2018~) |
2017年度以降入学者 ILAC科目 200番台 リベラルアーツ科目 3群(自然分野) |
カテゴリー(2016年度以前)Category (2017) |
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Outline (in English)
Tetrahymena is a research material that led to the discovery of ribozymes and the telomere, which won the Nobel Prize. Even now, discoveries such as epigenetic regulation by chemically modifying histones and genetic reediting by low-molecular RNA have been made using Tetrahymena as a research material. In this lecture, we introduce wonderful research results revealed using Tetrahymena, with the aim of students to understand the cutting edge of modern biology. In addition, students want to learn how researchers have reached a major discovery of biology by using Tetrahymena and understand the interest of biology and the wonders of Tetrahymena.
【Learning activities outside of classroom】
Materials such as PowerPoint presentations for use in class will be presented in the Teaching Materials section of the Learning Support System in advance, so students are expected to prepare well in advance. Students are required to thoroughly review the class content and answer the assignments presented in class without making mistakes. Please spend at least 4 hours per class for preparation and review.
【Grading Criteria /Policy】
Assignments will be given after class, and grading will be based on the evaluation score of 14 assignments, each assignment is worth 10 points, and the total score for 14 assignments is 140 points.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
テトラヒメナはノーベル賞に輝いたリボザイムとテロメアの発見に導いた研究材料である。現在でも、テトラヒメナを研究材料として、ヒストンの化学修飾によるエピジェネティック調節や低分子RNAによる遺伝子再編成などの発見がなされている。沼田はテトラヒメナを用いて発酵茶ポリフェノール(MAF)がミトコンドリアの酸素呼吸を活性化することを発見した。本講義では、テトラヒメナを用いて明らかにされた素晴らしい研究成果を紹介し、学生諸君が現代生物学の最先端を理解することを目的とする。さらに、学生諸君は研究者がテトラヒメナを利用して、いかに生物学の大発見に到達したかを学び、生物学の面白さとテトラヒメナの不思議を理解してもらいたい。授業では上記に加えて、MAFの効果や、新型コロナウイルスの最新情報についても言及する。
到達目標Goal
テトラヒメナを研究材料として明らかにされた生物学上の大発見について学ぶ。リボザイムの発見が生命誕生のなぞの解明につながったこと、テロメアの発見が我々の老化のしくみの理解に貢献していること、エピジェネティック調節が個体の発生分化を調節していること、エピジェネティック調節がガン化にも関係していることなどを学ぶ。水たまりにいる単細胞生物、テトラヒメナが現代生物学の進歩に如何に貢献したかを理解し、研究材料の重要さと研究者の熱意が大発見につながること、その発見が我々の人生にも影響していることを理解してもらいたい。さらに、発酵茶MAFの生理作用や新型コロナウイルスの情報から、私たちの健康について生物学的に考察する。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
各学部のディプロマ・ポリシーのうち、以下に関連している。法学部・法律学科:DP3・DP4、法学部・政治学科:DP1、法学部・国際政治学科:DP1、文学部:DP1、経営学部:DP3、国際文化学部:DP2、人間環境学部:DP2、キャリアデザイン学部:DP1
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
リアルタイムのオンライン講義を主に授業は進める。随時、質疑応答を行い、学生諸君が積極的に授業に参加できるように授業を進める。また、授業の最後に課題を出し、授業内容理解の向上を目指す。課題と同時に授業に関する質問やコメントの提出を求める。
課題、質問、コメントに対するフィードバックは次回の授業で行う。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching:オンライン/online
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
1回[オンライン/online]:不思議な生物テトラヒメナ
テトラヒメナの不思議な性質を紹介する。具体的には、2種類の核を持つこと、7つの性を持つこと、細胞口と細胞肛門と収縮胞を持つことなど。
2回[オンライン/online]:テトラヒメナの小核(生殖核)と大核(栄養核)の働き
テトラヒメナが持つ2種類の核、生殖核と栄養核の働きを、我々の体を構成する生殖細胞と体細胞と比較しながら説明する。
3回[オンライン/online]:テトラヒメナは7つの性を持つ。生物の性とは何か?
テトラヒメナは7つの性を持つが、ほとんどの生物は2つの性しか持たない。生物の性とは何か、性を決めるしくみは何かを学ぶ。
4回[オンライン/online]:テトラヒメナの繊毛を動かすモータータンパク質
精子の鞭毛運動や、テトラヒメナの繊毛運動を引きおこすモータータンパク質、ダイニンの発見と、ダイニンの性状について紹介する。
5回[オンライン/online]:染色体末端構造テロメアの発見
染色体の末端問題と染色体末端構造であるテロメアの発見、テロメアを合成するテロメラーゼの発見について紹介する。
6回[オンライン/online]:テロメアは生物の寿命を決めるか?
生物の寿命とは何か?生殖細胞、体細胞、そして不死化したガン細胞のテロメアから生物の寿命について考察する。
7回[オンライン/online]:酵素活性を持つRNA,リボザイムの発見
テトラヒメナのRNAが酵素活性を持つことが発見された。リボザイムの発見である。その発見の経緯と、リボザイムの働きを解説する。
8回[オンライン/online]:リボザイムはセントラルドグマを覆すか?
セントラルドグマでは遺伝情報は「DNA→mRNA→タンパク質」の順に伝達される。生命誕生はDNAからか?タンパク質からか?それが問題だ。リボザイムの発見はこの問題に解答を出した。
9回[オンライン/online]:大核分化で生じるDNA再編成
接合過程で、小核から大核が分化する時、DNAの大規模な再編成が起きる。我々の体の中で起きるDNAの組み換えと比較して、テトラヒメナのDNA再編成について解説する。
10回[オンライン/online]:大核のDNA再編成を指揮するscnRNA
大核の大規模なDNA再編成をコントロールしているscnRNAの発見とscnRNAの働きについて解説する。
11回[オンライン/online]:遺伝子の発現を調節するヒストンの化学修飾
大核は盛んに遺伝子発現し、小核は全く遺伝子発現しない。この違いの原因は何とDNAが巻き付いているヒストンの化学修飾であった。ヒストンの化学修飾が遺伝子発現を調節するしくみを解説する。
12回[オンライン/online]:ヒストンの化学修飾による遺伝子発現調節はすべての生物で起きている。
ヒストンの化学修飾による遺伝子発現調節はエピジェネティック調節と呼ばれている。エピジェネティック調節による発生分化の調節について解説する。
13回[オンライン/online]:テトラヒメナの7つの性を司るDNA再編成
テトラヒメナが持つ7つの性が、どのような遺伝子によって調節されているか、どのように個体の性が決まるかが明らかになった。大核のDNA再編成によって,7つの性のから一つが選択されるしくみを説明する。
14回[オンライン/online]:テトラヒメナが教えてくれたこと
45年間テトラヒメナを研究材料として、研究してきた沼田治にテトラヒメナが教えてくれたこと。研究者と研究材料の間の交流、交感について話す。
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
授業で使うパワーポイントなどの資料を学習支援システムの教材欄に事前に提示するので、十分予習すること。授業内で示した課題は、授業内容を十分復習して間違えの無いように解答すること。予習復習には1回の授業につき4時間以上かけて下さい。
テキスト(教科書)Textbooks
教科書名:ノーベル賞に二度も輝いた不思議な生物 テトラヒメナの魅力
著者: 沼田治
出版社: 慶応義塾大学出版会
出版年: 2018年10月12日
価格: 1,800円
参考書References
書名:誰も知らない紅茶の秘密
著者:沼田治
出版社:幻冬舎
出版年:2021年4月15日
価格:880円
成績評価の方法と基準Grading criteria
授業の最後に課題を出す。14回の課題の評価点で成績評価を行う。1回の課題は10点満点とし、14回分合計して140点満点で成績評価を行う。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
毎回、授業に関する質問やコメントを提出してもらい、授業改善に役立てる。
課題、授業に関する質問、コメントに対するフィードバックは次回の授業で行う。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
特になし
その他の重要事項Others
オフィスアワー:月曜日の4時限終了後、16:40から18:00まで