文学部Faculty of Letters
LIT300BD(文学 / Literature 300)英米文学演習(5)ASeminar in English and American Literature (5) A
小島 尚人Naoto KOJIMA
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 文学部Faculty of Letters |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2022 |
授業コードClass code | A2951 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 春学期授業/Spring |
曜日・時限Day/Period | 金4/Fri.4 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | 各学部・研究科等の時間割等で確認 |
配当年次Grade | 2~4 |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
他学部公開科目Open Program | |
他学部公開(履修条件等)Open Program (Notes) | |
グローバル・オープン科目Global Open Program | |
成績優秀者の他学部科目履修制度対象Interdepartmental class taking system for Academic Achievers | |
成績優秀者の他学部科目履修(履修条件等)Interdepartmental class taking system for Academic Achievers (Notes) | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
SDGsCPSDGs CP | |
アーバンデザインCPUrban Design CP | |
ダイバーシティCPDiversity CP | |
未来教室CPLearning for the Future CP | |
カーボンニュートラルCPCarbon Neutral CP | |
千代田コンソ単位互換提供(他大学向け)Chiyoda Campus Consortium | |
カテゴリーCategory | 英文学科 |
他学科公開科目 | |
クラスGroup | |
昼夜表記Day or Night |
すべて開くShow all
すべて閉じるHide All
Outline (in English)
This course is a seminar on American literature. Through the close reading of The Catcher in the Rye and a biographical drama film on Salinger, students will develop their skills to analyze literary and visual texts in a critical way.
Most classes consist of presentations by students, class discussions, and lectures. In particular, students participate in many group discussions on the topics introduced in the lectures.
Grades will be determined based on the following:
1) Participation and discussion (30%)
2) Presentations (30%)
2) Final paper (40%)
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
アメリカの作家の長篇をくわしく読解することを通じて、小説のおもしろさ、解釈をおこなうことのおもしろさを知るとともに、米文学・文化への理解および文学研究の方法論への理解を深めることを目的とする。春学期は、第二次大戦後まもない時期に発表され、16歳の少年の生き生きとした語り口で若者の不安や焦燥や反抗、そして自己の探求のありさまを鮮やかに描き出したJ. D. Salingerの代表作The Catcher in the Rye(1951)を一学期かけて読破する。
到達目標Goal
・作品の細部に目を配り、正確に意味をとって読解しようとする習慣をつける。
・他者の考えに耳を傾けて理解し、建設的なやり方で応答することができる。
・自分の考えを分かりやすく効果的に伝えることができる。
・自分の解釈を論理的に記述することができる。
・多様な批評の方法についての知識を得て、関心を持つ。
・『ライ麦畑でつかまえて』について、テクストの具体的なキャラクターや細部に触れながら自分なりに語れるようになる。
・J・D・サリンジャーの生涯と作品、その時代背景を学ぶことを通じ、米国の文化と社会についての知識を深める。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「DP1」「DP2」「DP5」に関連
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
受講者は毎週予習として作品を読み、感想・疑問や気になったことをまとめて授業に臨む。予習の段階では適宜翻訳を参照して構わないが、授業内での発表やディスカッションにおいては基本的に英語原書を用いる。授業は演習形式で進め、毎回発表担当者がハンドアウトを作成のうえでプレゼンテーションをおこない、担当コメンテーターによるコメント・質問、そして受講者全員参加によるディスカッションをする。適宜教員による補足説明がおこなわれる。発表担当者は、担当箇所の物語内容を要約したうえで、本文から気になった箇所をいくつか引用して分析し、ディスカッションのためのトピックを提示する。
発表に対しては授業内で口頭によるレスポンスがなされ、レポートに対してはフィードバックのコメントをつけたファイルが返却される。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching:対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回[対面/face to face]:ガイダンス
顔合わせ・自己紹介のあと、授業の進め方と発表の仕方を説明し、発表の分担を決定する
第2回[対面/face to face]:作者と作品の概説講義
J・D・サリンジャーと第二次大戦・戦後アメリカ、『ライ麦畑』の影響力
第3回[対面/face to face]:映画視聴と分析
伝記映画『ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャー』(2017年)を観てディスカッション
第4回[対面/face to face]:The Catcher in the Rye読解①――書き出しの分析、語りの特質、語り手と読者の関係
受講者による発表とコメント、全員参加のディスカッション、教員による補足解説
第5回[対面/face to face]:The Catcher in the Rye読解②――過去の記憶と現在、家族と学校
受講者による発表とコメント、全員参加のディスカッション、教員による補足解説
第6回[対面/face to face]:The Catcher in the Rye読解③――ホールデンの好きなものと嫌いなもの、“phony”とは
受講者による発表とコメント、全員参加のディスカッション、教員による補足解説
第7回[対面/face to face]:The Catcher in the Rye読解④――戦後アメリカの物語、大人の時代と無垢(innocence)の力
受講者による発表とコメント、全員参加のディスカッション、教員による補足解説
第8回[対面/face to face]:The Catcher in the Rye読解⑤――ニューヨークという舞台設定、都市の放浪と自己の探求
受講者による発表とコメント、全員参加のディスカッション、教員による補足解説
第9回[対面/face to face]:The Catcher in the Rye読解⑥――ユーモアと孤独、反逆と不安、ホールデンのもがき
受講者による発表とコメント、全員参加のディスカッション、教員による補足解説
第10回[対面/face to face]:The Catcher in the Rye読解⑦――結末の分析、「キャッチャー・イン・ザ・ライ」とは
受講者による発表とコメント、全員参加のディスカッション、教員による補足解説
第11回[対面/face to face]:関連作品の読解
短篇集Nine Storiesから関連する作品を数作読む
第12回[対面/face to face]:日本語論文の読解
The Catcher in the Ryeについて書かれた論文を読み、小説を論じる方法について考える
第13回[対面/face to face]:英語論文の読解
The Catcher in the Ryeについて書かれた論文を読み、小説を論じる方法について考える
第14回[対面/face to face]:まとめのワークショップ
受講者が各自のレポートの計画について発表し、それについて討議することを通じて、今学期のまとめをおこなう
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
発表担当者になっているときはもちろん、そうでないときも、毎回事前に作品を読んで、ディスカッションに積極的に参加できるように準備しておくことが最も重要。読みながら面白かった点、気になった点、質問したい点などについてメモをとっておく(予習4時間以上)。
授業でのディスカッションを通じて自分の興味・関心のありかを見定め、それに関する研究書、論文、関連資料などを自ら調査・収集して読むことも重要。
テキスト(教科書)Textbooks
J. D. Salinger, The Catcher in the Rye. Penguin, 2010. ISBN: 978-0241950432
参考書References
ケネス・スラウェンスキー『サリンジャー 生涯91年の真実』田中啓史訳(晶文社、2013年)柴田元幸(編)『MONKEY vol. 19 サリンジャー ニューヨーク』(スイッチパブリッシング、2019年)
田中啓史『ミステリアス・サリンジャー──隠されたものがたり』(南雲堂、1996年)
竹内康浩『「ライ麦畑でつかまえて」についてもう何も言いたくない──サリンジャー解体新書』(荒地出版社、1998年)
竹内康浩『ライ麦畑のミステリー』(せりか書房、2005年)
村上春樹・柴田元幸『翻訳夜話2 サリンジャー戦記』(文春新書、2003年)
諏訪部浩一(編)『アメリカ文学入門』(三修社、2013年)
杉野健太郎(編)『アメリカ文化入門』(三修社、2010年)
竹内里矢・山本洋平(編)『深まりゆくアメリカ文学――源流と展開』(ミネルヴァ書房、2021年)
巽孝之・宇沢美子(編)『よくわかるアメリカ文化史』(ミネルヴァ書房、2020年)
成績評価の方法と基準Grading criteria
・授業への貢献度(ちゃんと予習ができているか、討議に積極的に参加しているか):30%
・プレゼンテーション(担当箇所の内容が正確に把握できているか、引用箇所の分析がよくできているか、討議のための主題を提示できているか):30%
・4000字程度の期末レポート(自分の解釈を提示し、リサーチにもとづいて、適切な箇所を引用しながらその解釈の妥当性を論証する):40%
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
学生の皆さんが発言しやすい環境がつくれるようつとめます。また、クラス全体のディスカッションと教員による補足解説との配分をバランスよくしたいと思います。
その他の重要事項Others
秋学期に英米文学演習(5) Bを履修することが望ましい。