経済学部Faculty of Economics
ECN100CA(経済学 / Economics 100)経済史Economic History
長原 豊Yutaka NAGAHARA
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 経済学部Faculty of Economics |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2022 |
授業コードClass code | K6017 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 年間授業/Yearly |
曜日・時限Day/Period | 火3/Tue.3 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 多摩 |
教室名称Classroom name | 各学部・研究科等の時間割等で確認 |
配当年次Grade | 1 |
単位数Credit(s) | 4 |
備考(履修条件等)Notes | |
他学部公開科目Open Program | |
他学部公開(履修条件等)Open Program (Notes) | |
グローバル・オープン科目Global Open Program | |
成績優秀者の他学部科目履修制度対象Interdepartmental class taking system for Academic Achievers | |
成績優秀者の他学部科目履修(履修条件等)Interdepartmental class taking system for Academic Achievers (Notes) | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
SDGsCPSDGs CP | |
アーバンデザインCPUrban Design CP | |
ダイバーシティCPDiversity CP | |
未来教室CPLearning for the Future CP | |
カーボンニュートラルCPCarbon Neutral CP | |
千代田コンソ単位互換提供(他大学向け)Chiyoda Campus Consortium | |
カテゴリー(2015年度以前入学生) | 専門教育科目 |
カテゴリー(2016年度以降入学生) | |
カテゴリーCategory |
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Outline (in English)
(1): Our class aims at understanding the modernity so-called and the formation processes of Capitalism associated with it in terms of the two viewpoints: "the historical facts" and "the theories (or logics).
(2) Based on (1), our calss is to guide students to actually grasp the economic histories and then become to be able to explain to others what is learned in the class.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
(1) 授業概要:近代とその土台である資本主義の形成過程を「史実」と「論理(あるいは理論)」という2つの視点から整理する。
(2) 授業目的と意義:現代という観点から歴史を俯瞰的かつアクチュアルに捉え、他者に説明できるようになることを目的とする。
到達目標Goal
到達目標は以下の2点である。
(1)「歴史的近代」が「資本主義的近代」へと具体化していく過程を「資本」形成の視点から大摑みにできるようになること。
(2)またそのさい、「史実」とその「理論−論理」的理解を説明できるようになること。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、経済学科・現代ビジネス学科は「DP2」「DP9」に関連。国際経済学科は「DP2」「DP8」に関連。
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
(0) この講義はオンライン講義となります。またその講義スタイルは、以下の(1)〜(6)の過程を取り入れた「リアル・タイム」講義(Zoom)です。 なお以下の【成績評価の方法と基準】からも分かるように出欠状況を採点の対象とはしませんが、講義改善のために、Zoomの機能を用いて不定期に出欠「状況」を確認します。
(1) 教員が作成した図表および資料等の「基本データ」(教員だけが加工可能)および講義の基本的行程を示した「基本ノート」(受講者も加工可能)を講義の進捗に合わせて「学習支援システム」の「教材」欄から順次配置し(講義の前日に更新される)、それをZoomの「画面共有」で教員と受講生の共通の議論の「素材」として使用する、リアルタイム講義を行う。
(2) 「基本データ」は教員だけが加工可能(色つけ・ハイライトなどによる視覚化)であり、「基本ノート」は受講生が自分のノートとして加工利用できる。
(3) 教員が講義中に書き込みした「基本データ」および「基本ノート」は、講義終了後に「学習支援システム」にアップロードされ、受講生はそれを自分が書き込んだ「ノート」と統合して、蓄積することができる。
(4) 教員による書き込みがなされた「基本資料」および「基本ノート」は、学期間中「学習支援システム」に残され、受講生はいつでも繰り返しアクセスできる。
(5) 講義の最後に10分ほどの「ディスカッション・タイム」を設けるだけでなく、受講生には、「学習支援システム」を通じてリアクション・ペーパーの提出を求め、有益なコメントについては、次回の講義冒頭で紹介的に受講生全体にフィードバックする。
(6) 最終授業では、(5)で蓄積されたさまざまな論点を講評的に紹介し、学期末試験として出題される「課題=レポート」作成のための一助とする。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching:オンライン/online
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回[オンライン/online]:「経済」史とは何か
いわゆる歴史学と経済史との関係を「経済」概念に重点を置いて概説する。
第2回[オンライン/online]:経済「史」とは何か
経済史はどのように経済理論と関係しているかを概説する。資料「概念図」(1)と「ノート」(1)を配布。
※ 以下配布される資料はすべて受講生も書き込み可能な資料です。
第3回[オンライン/online]:経済史が描き出す「対象」とは何か?
経済史の「対象」としての「資本」の成り立ちを「経済理論」的に概説する。資料「概念図」(1)を講義中に受講生の目の前で「改訂し」、第4回講義へ接続させる。
第4回[オンライン/online]:「資本−主義」的システムが歴史的にどのように形成されてきたかを俯瞰する——時間編——。
第3回講義で「改訂」された資料「概念図」(1)を教員がさらに整理した資料「概念図」(2)を用いて、「資本−主義」的システムの歴史的形成の出発点を「大航海時代」として提示する。
第5回[オンライン/online]:「資本−主義」的システムが歴史的にどのように形成されてきたかを俯瞰する——空間編——。
大航海時代における「中心」と「周辺」の変遷過程を具体的に論ずる。資料「概念図」(2)を講義中に受講生の目の前で「改訂し」、第6回講義へ接続させる。
第6回[オンライン/online]:ポルトガルとスペインという2つの「帝国」の大航海時代における展開とその展開方法の相違を論ずる。
これまでの講義を踏まえて、視点としての「流通」と「生産」の歴史的かつ経済的な「相違」を「ノート」(1)を用いて概説する。
第7回[オンライン/online]:第6回講義を受けて「世界」という概念を「世界市場」という視点から考える。
前回配布した「資料」(3)に加えて、数種類の「世界地図」を地勢的に比較しながら、「世界」という概念が「世界市場」という概念として広がることを確認する。
第8回[オンライン/online]:第7回における「世界市場」という視点から「流通」と「生産」の相違を「オランダ」において論ずる。
オランダはなぜイングランドになれなかったのか? 書き込み可能な「ノート」(2)を配布する。
第9回[オンライン/online]:第8回講義を受けて、資本主義の形成という視点から見た「オランダ」の先進性と限界を論ずる。
ふたたび資本とは何かを「商人資本」と「産業資本」との「異同」として確認する。資料「概念図」(2)をさらに受講生とともに改訂し、受講生とともに資料「概念図」(3)を講義中に改訂する。
第10回[オンライン/online]:第9回講義で確認された「オランダ」の先進性と限界を「市民革命」との関係で論ずる。
いわゆる「イングランド」とは? 本当に「典型」だったのか?
第11回[オンライン/online]:第10回講義で論じられた経済史的意味における「市民革命」を「技術革新」を視野に入れて整理する
ノート(3)を配布し、このノートに受講生とともに農業革命・産業革命などの技術における変革を整理する。
第12回[オンライン/online]:技術革新と採算性の問題
同上、続き。最低限の「史実」を中心に講義を進める。
第13回[オンライン/online]:大航海時代からイングランドにおけるいわゆる「産業資本」の形成を遡行的に整理し、春学期の講義の「総括」を行う。
資料「概念図」(3)を総括的に完成させ、資本−主義の形成過程を図式的に理解する。
第14回[オンライン/online]:なぜ資本主義は「変化」するのか?
資料「概念図」(3)を総括的に完成させ、資本−主義の形成過程を図式的に理解する。また前回配布した「資本の原型Final」とレポート作成のための「手引き」を配布し、春学期を振り返る。またこれまでのレアクション・ペーパーの総括的講評を行う。
第15回[オンライン/online]:自由主義世界の経済史的構造(1)
「1820年代以降」の世界の構造を整理する。資料「俯瞰図」と「講義の要」を配布する。
第16回[オンライン/online]:1825年恐慌の「経済的」意義
産業資本のイングランドにおける自律的運動の意味を整理する。資料「産業資本と『自己』」を配布する。
第17回[オンライン/online]:いわゆる「平和の百年」をパクス・ブリタニカという視点から把握する。
イングランドにおける1840年代の意味を第2回講義との対比で考える。
第18回[オンライン/online]:恐慌の反復(1)
恐慌の反復と産業資本の「変質」との関係を整理する。資料「恐慌1」と「恐慌2」を配布する。
第19回[オンライン/online]:恐慌の反復(2)
第18回講義の続き。史実と統計数値を軸にして。
第20回[オンライン/online]:19世紀における「成長と衰退」と「貿易構造」(1)
イングランドを基軸国したシステムにおける基軸通貨の意味を考える。資料「決済システム」と「国際金本位制」を配布する。
第21回[オンライン/online]:19世紀における「成長と衰退」と「貿易構造」(2)
第20回講義の続き。統計を視点にして。
第22回[オンライン/online]:19世紀の生産構造
恐慌を繰り返す生産構造の変化を恐慌史論的に俯瞰する。
第23回[オンライン/online]:〈長い19世紀〉と「平和の百年」(1)
19世紀を資本の世紀と考えるための18世紀末と20世紀初頭:資料「長い19世紀」の配布。
第24回[オンライン/online]:〈長い19世紀〉と「平和の百年」(2)
第23回講義の続き。とくに国民経済の「個性」に関わって。先発と後発との対比。
第25回[オンライン/online]:国民国家と国民経済
なぜ資本主義に「国名」がつくのか?
第26回[オンライン/online]:〈長い19世紀〉と「平和の百年」という時期区分のズレ
国家と資本との緊張と政治あるいは支配的資本の変遷
第27回[オンライン/online]:第1次世界大戦の経済的意味
短い20世紀と介入主義的国家の「普遍性」
第28回[オンライン/online]:経済史Bの総括と質問日
レポート作成のための「手引き」(通称「単位への道」)を配布し、秋学期を振り返る。またこれまでのレアクション・ペーパーの総括的講評を行う。
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
著書のタイトルに「歴史」という文字が入っている書籍を少なくとも1冊は読みとおし、経済史へのそれぞれのイメージを作る。本授業の準備学習・復習時間は、各2時間を標準とします。
テキスト(教科書)Textbooks
教科書は使用しない。
【注意事項】
さきに【授業の進め方と方法】Method(s)で示した方法で講義が進められることから、講義のなかで受講生とのインタラクションも含めて、学期末での課題提出のための「資料集的なガイドブック」を作成するという形態をとっている。
参考書References
■ 金井雄一・中西聡・福澤直樹編『世界経済の歴史:グローバル経済史入門』名古屋大学出版会、初版第3刷(2014年、2,800円+税):必ずしも購入の必要はありません。
成績評価の方法と基準Grading criteria
学期末試験(記述式の課題=レポート)によって成績評価する(100%)。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
講義冒頭で前回講義の単なるサマリーを行うだけでなく、理解深度が浅いと感じられた場合は、重複的に講義を反復する必要があることに気づかされた。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
【重要】
例えば、MSWord・PowerPoint・Excelなどの機能をマウントしたPCあるいはタブレットが必須です。
専門分野
日本経済史・経済理論
研究テーマ
経済史・経済史方法論・経済理論
主要業績
『天皇制国家と農民』日本経済評論社、1989年
『われら瑕疵ある者たち』青土社、2008年
『ヤサグレたちの街頭』航思社、2015年
『敗北と憶想』航思社、2019年
「人間の群れ」小泉義之・立木康介編『フーコー研究』岩波書店、2021年