政策創造研究科Graduate School of Regional Policy Design
TRS510R1(観光学 / Tourism Studies 500)観光社会学Sociology of Tourism
須藤 廣Hiroshi SUDO
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 政策創造研究科Graduate School of Regional Policy Design |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2022 |
授業コードClass code | XW012 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 秋学期前半/Fall(1st half) |
曜日・時限Day/Period | 金6/Fri.6,金7/Fri.7 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | 各学部・研究科等の時間割等で確認 |
配当年次Grade | |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
選択・必修Optional/Compulsory | 選択必修 |
カテゴリーCategory |
(修士課程)基本科目 選択必修 |
所属群1Affiliation group 1 | |
経済・社会・雇用創造群Economic/Social/Employment/ Creation Group | |
所属群2Affiliation group 2 | |
文化・都市・観光創造群Culture/City/Tourism/ Creation Group | |
所属群3Affiliation group 3 | |
地域産業・企業創造群Regional Industry and Business Creation Group |
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Outline (in English)
Tourism is an important resource of modern society. Sociology of Tourism is a part of sociology which considers the formation of modern society by investigating the role of tourism in modern society. This lecture depicts both the positive and the negative sides of tourism culture in modern or postmodern societies
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
現代社会における観光のあり方、及び現代社会がいかに「観光的なるもの」によって成立しているのかを探究することによって、現代社会の成り立ちを考えるのが観光社会学である。したがって、観光が元来持っている文化の特徴と消費社会における現代文化の特徴の両者を把握しつつ、現代の「観光」について理解することを本講義では目的とする。
到達目標Goal
現代社会における観光のあり方を、現代社会の特徴との関係において、学生が分析できる力を養う。現代社会において観光はサービス商品であるとともに現代政治の重要な手段である。しかし、観光は、商品や手段からはみ出す「余剰」としての創造性、「社会構築(連帯)的」部分を持っている。そういう意味において、「観光」は両義的なものである。この両義性のなかで観光現象を的確に分析できる研究者及び実践者を養うことがこの授業の到達目標である。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
政策創造研究科修士課程のディプロマポリシーのうち、「DP1」「DP3」に関連
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
内容に区切りを設け、その都度学生に質問や意見を求め議論をする。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
なし / No
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching:対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回[未定/undecided]:オリエンテーション、観光の基本構造ー観光とは何か
先ず、授業を概説し、その後で観光社会学の基本理論について概説する。近代社会と観光的なるものの変容について、ダニエル・ブーアスティン、ディーン・マッキャーネル、ジョン・アーリ、ジョージ・リッツアーの理論を紹介し議論する。
第2回[未定/undecided]:起源としての巡礼と観光の近代化
最初に宗教的側面について、実例として、伊勢参りを取り上げる。日本以外の巡礼についてもビデオ等を見ながらその特徴を考える。また、ヨーロッパのグランツアーについても解説し議論する。
第3回[未定/undecided]:戦後の日本の観光(戦後から1970年代まで)ー産業化する観光
戦後、特に東京オリンピック以降、日本人の観光のあり方がどのように変わったかを見てゆく。観光は視覚化され、イメージ化され、さらに次第に人工的なものになってゆく。1970年代の「ディスカバー・ジャパン」キャンペーンまでの日本の観光についても考える。
第4回[未定/undecided]:メディア消費化する観光(1980年代以降)
1970年代から急激に成長した日本人のハワイ観光について考える。また、1980年代以降の日本人の観光客の個人化と観光消費の記号消費化について考える。特に1983年の東京ディズニーランドの開園は日本の観光のあり方を大きく変えた。ディズニーランドの意味についても議論する。
第5回[未定/undecided]:記号消費とポストモダニズム、ーアイデンティティと結びつく観光消費
ポストモダニズムの文化と観光消費の親和性について考える。成長と平等という「大きな物語」が消失した後、観光地住民にとっても、観光者にとっても、観光がアイデンティティ創出の重要な手段となってきた。下町散策等、生活圏の観光化も一つの潮流になりつつある。ノスタルジーやエキゾティシズムも含めた、日本の記号消費と観光のあり方について考える。
第6回[未定/undecided]:ポストモダン社会における観光と参加する観光地住民
1990年以降、観光による社会的アイデンティティづくりを重要な手段とするまちづくり運動が各地で行われるようになった。このような運動は1987年に施行された「リゾート法」以降の日本の観光のあり方への批判とセットとなっている。こういった「観光まちづくり運動」とは何だったのかを問う。由布院の例を解説する。また、まんがアニメツーリズム、アートツーリズム、ダークツーリズムと観光地の表象について考える。
第7回[未定/undecided]:観光は人々を統合するのか、それとも分断するのか?現代観光の両義的側面についてー観光における文化創造、観光と権力、政治の両義性
これまでの講義の結論部分である。受講生と共に社会における観光の「可能性」や「限界」について議論する。最後には、アフターコロナ時代の観光について考える。
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
観光地、観光的なるものについて、観光しているときに、あるいは街を歩いているときに観光で発見するものと隠蔽されるのについて、批判的(批評的)に考える習慣を身につけて欲しい。本授業の準備学習・復習時間は各 2 時間を標準とします。
テキスト(教科書)Textbooks
須藤 廣, 遠藤英樹 , 高岡文章 , 松本健太郎 (編著)『よくわかる観光コミュニケーション論』ミネルヴァ書房,ISBN978-4623091874,2022年。
参考書References
須藤廣・遠藤英樹『観光社会学 2.0』福村出版、2018年
須藤廣『ツーリズムとポスト・モダン社会』明石書店、2012年
D.マッキャーネル(安村克己、須藤廣他訳)『ツーリストー高度近代社会の構造分析』学文社、2012年
木村至誠、森久聡(編著)『社会学で読み解く文化遺産ー新しい研究の視点とフィールド』新曜社、2020年
その他、授業にて提示する。
成績評価の方法と基準Grading criteria
平常点30点、レポート70点。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
アンケート内容をよく見て改善する。