イノベーション・マネジメント研究科Business School of Innovation Management
MAN500F2(経営学 / Management 500)人的資源管理論Human Resource Management
藤村 博之Hiroyuki FUJIMURA
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | イノベーション・マネジメント研究科Business School of Innovation Management |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2022 |
授業コードClass code | W0010 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 春学期授業/Spring |
曜日・時限Day/Period | 月3/Mon.3,月4/Mon.4 |
科目種別Class Type | 専門講義 |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | 各学部・研究科等の時間割等で確認 |
配当年次Grade | 1・2 |
単位数Credit(s) | 4 |
備考(履修条件等)Notes | 基礎科目、MBA特別必修 |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
カテゴリーCategory | 基礎科目 |
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Outline (in English)
The puopose of the lecture is to understand characteristics of human resource management in Japanese firms. It is said that seniority-based wage system, lifetime employment and enterprise union are three main characteristics of Japanese HRM. However, when we carefully investigate statistics and practices of HRM in other countries, we can observe many similarities of HRM. We have to know real situations of HRM in Japanese companies.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
この講義では、イノベーションを担う人材がどのように育成されるのか、また育成された人材が組織の中で活躍するにはどのような条件を整える必要があるのかを学ぶ。企業調査に基づいて得られた知見を題材として使うとともに、学生自身の経験も報告してもらいながら、ディスカッションを通して理解を深めていく。
到達目標Goal
イノベーションを担うのは、その組織に所属する人材である。コンサルタント等の外の力を借りることは可能だが、組織の中で中心となって動く人材がいなければイノベーションは遂行できない。企業が必要な人材をどういう基準で採用し、育成し、配置するか、従業員に対する賃金や評価制度はどうあるべきかなど、ヒトの問題を幅広く勉強する。
日本企業のヒトに関する問題や課題について、一定の考え方ができるようになることを到達目標とする。目先の状況に左右されることなく、問題の本質をつかむ能力を養う。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
イノベーション・マネジメント研究科のディプロマポリシーのうち、「DP2」「DP3」「DP4」に関連
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
2コマ単位で進める。まず教員が講義し、各回のテーマの概要をつかんだ上で、グループディスカッションを行う。毎回必読文献を用意し、それを読んだ上での出席を前提とする。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching:対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
1[対面/face to face]:日本企業の組織と人事の課題;人的資源の特徴(1)
日本企業の人事制度の変遷について概説する。特に、成果主義的な人事制度がなぜ入ってきたのか、成果主義が日本に定着しない理由は何かなどについて考察する。
1[対面/face to face]:日本企業の組織と人事の課題;人的資源の特徴(2)
人的資源の特徴は情報の非対称性。これを補うために内部労働市場がある。
2[対面/face to face]:採用と配置:採用基準、選考方法、人材配置の基準と実際(1)
採用基準の設定と採用選考のあり方。もともと優秀な人材はいない。優秀な人材は仕事を通して作られる。
2[対面/face to face]:採用と配置:採用基準、選考方法、人材配置の基準と実際(2)
人員配置の手法。従業員の適性を知るためには配置転換によって複数の仕事を経験させることが有効である。
3[対面/face to face]:退職管理(1)
余剰人員が発生したときの対処方法。市場競争を前提とする限り、人を減らさざるを得ない局面が来る。そのときに、どう対応するか。
3[対面/face to face]:退職管理(2)
定年制はなぜ存在するのか。定年制を廃止すると何が起こるか。雇用保障はどこまで必要か。
4[対面/face to face]:人材育成:能力開発のあり方
人は育つものか育てるものか。育てようとする企業の施策と育ちたいとする働く側の意思がかみ合わないと、人材は育たない。
4[対面/face to face]:人材育成:キャリアカウンセリング
能力の賞味期限を延ばす方法を考える。何もしなければ能力の賞味期限はやってくる。どうすれば賞味期限を延ばせるだろうか。
5[対面/face to face]:賃金:何のために、何を基準として支払うのか?(1)
賃金は労働の対償。賃金支払いの基準、適切な賃金水準を決める方法。
5[対面/face to face]:賃金:何のために、何を基準として支払うのか?(2)
賃金体系のあり方。定期昇給の意味。ボーナスの支払基準。
6[対面/face to face]:評価と目標管理:育成のための評価と配分基準としての評価(1)
差をつけることが評価制度の目的か。評価には育成という目的もある。
6[対面/face to face]:評価と目標管理:育成のための評価と配分基準としての評価(2)
目標管理制度は、もともと育成のためのツール。これを成果配分に使おうとしたところから問題が始まった。
7[対面/face to face]:労働時間:時間管理か成果管理か(1)
労働時間管理はなぜ必要か。ホワイトカラーの労働時間管理をしないと困ったことが起こるか。
7[対面/face to face]:労働時間:時間管理か成果管理か(2)
ホワイトカラー・エグゼンプションは日本企業に導入可能か?
8[対面/face to face]:非典型労働者:正社員は本当に必要か?(1)
企業が正社員を雇用する理由。正社員に求められているのは、予期しない事態への対処。予期できないことは目標に書けない。
8[対面/face to face]:非典型労働者:正社員は本当に必要か?(2)
有期雇用から正社員になる道が多くの企業で用意されているが、使われていない。なぜか?
9[対面/face to face]:高齢者雇用:65歳現役社会実現の方法(1)
世界の最先端を行く日本の高齢者雇用。ヨーロッパをはじめとしてアジアの国々も高齢化している。日本は、世界の最先端を走っている。
9[対面/face to face]:高齢者雇用:65歳現役社会実現の方法(2)
高齢者雇用を解決するには現場からの発想を大切にすることが重要である。現場に行けば、しなければならないのに手がつけられていない業務がたくさんある。
10[対面/face to face]:女性労働:ワークライフバランス(1)
ダイバシティ・マネジメントの重要性が言われるが、ダイバーシティはとてもめんどうであることが多くの人はわかっていない。
10[対面/face to face]:女性労働:ワークライフバランス(2)
女性労働は男性の問題。男性の働き方が変わらなければ何も変わらない。
11[対面/face to face]:外国人労働者:労働力人口の減少を補う勢力;留学生の就職(1)
高度外国人材を積極的に活用するには企業はどのような仕組みを入れる必要があるのか。
11[対面/face to face]:外国人労働者:労働力人口の減少を補う勢力;留学生の就職(2)
高度外国人材として留学生が考えられるが、彼らは日本に企業に就職できていない。なぜ日本企業は留学生を採用しないのか。
12[対面/face to face]:福利厚生とメンタルヘルス(1)
福利厚生には、法定と法定外がある。企業は、なぜ法定外福利費を負担するのか?
12[対面/face to face]:福利厚生とメンタルヘルス(2)
メンタル不全を起こさないためにメンタルヘルスのメカニズムを知る
13[対面/face to face]:労使関係:日本企業の労使コミュニケーションの特徴(1)
労働組合がなくても労使関係はある。労働者と使用者の間のコミュニケーションはどうあるべきか。
13[対面/face to face]:労使関係:日本企業の労使コミュニケーションの特徴(2)
日本の労働組合の実態。組織率は17%に下がってきたが、労働組合は社会の中で様々な役割を果たしている。
14[対面/face to face]:グローバル経営人材の育成(1)
グローバル人材とはどのような人材か?
14[対面/face to face]:グローバル経営人材の育成(2)
グローバル人材を育てるにはどうすればいいか。
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
各回に必読文献が指定されているので、それを熟読し、自分の考えをA4版1~2ページにまとめて持参する。文献を読んだだけでは自分の中に考えが定着しない。レポートを書くことによって学習効果が高まるからである。本授業の準備学習・復習時間は、各2時間を標準とします。
テキスト(教科書)Textbooks
最初の講義の時に各回の必読文献を指示する。
参考書References
佐藤・藤村・八代『新しい人事労務管理[第6版]』(有斐閣)は、人事管理の基本を理解する手助けになる。
人事管理に関する最新の情報を得るには、独立行政法人労働政策研究・研修機構が発行している『日本労働研究雑誌』と『ビジネス・レーバー・トレンド』が有用である。
成績評価の方法と基準Grading criteria
次の2つの要素を合計して評価する。①毎回の出席と講義時間中の議論への関与(40%)、②毎回提出するレポートの質(20%)、③自分でテーマ設定した期末レポートの作成(40%)
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
毎回の課題の分量を少し軽減することにしたい。
その他の重要事項Others
講義時間中の議論に積極的に参加することを求めます。情報を発信することが、実は最も効果的な情報収集になります。コミュニケーションが活発に行われる講義にしたいと思います。
オフィスアワー:講義終了後に相談を受け付けます。
担当教員の専門分野、最近の主要業績
<専門領域>人材育成論、労使関係論
<研究テーマ>産学連携による若年層の育成、管理職の育成、高齢者雇用、労働組合の役割再構築
<主要研究業績>
①『新しい人事労務管理[第6版]』(佐藤、八代と共著)2019年10月、有斐閣
②「『福岡県70歳現役応援センター』の設立にかかわって」『エルダー』2019年9月号
③「優秀な人材は内部養成している企業に集まる『産業訓練』2019年1月号
④「大学教育と就職活動の関係を考える」『人事実務』2018年12月号、
⑤「企業の競争力を高める外国人材の活用を」『商工ジャーナル』2018年12月号
⑥「考える集団の醸成が競争力を高める」『中央労働時報』2018年9月、pp.14-18.
⑦「高度外国人材は企業の競争力を高める」『東京社会保険労務士会会報』2016年7月
⑧“The challenge of keeping Japanese older people economically active” Australian Journal of Social Issues, Vol. 51 No. 2, 2016, pp.167-185.
⑨「グローバル化と日本企業の課題~広い視野を持った経営者をどう育てるか~」『Work & Life 世界の労働』(日本ILO協議会)2015年3月、pp.2-10.
⑩「70歳現役をめざして」『エルダー』2015年1月号、pp.7-11。