通信教育部（スクーリング）School of Correspondence Education (Schooling)
HIS300TD（史学 / History 300）史学演習（西洋）(秋期スクーリング)Seminar in History
山野 貴彦Takahiko YAMANO
授業コードなどClass code etc
| 学部・研究科Faculty/Graduate school | 通信教育部（スクーリング）School of Correspondence Education (Schooling) |
| 添付ファイル名Attached documents | |
| 年度Year | 2022 |
| 授業コードClass code | 25006 |
| 旧授業コードPrevious Class code | |
| 旧科目名Previous Class title | |
| 担当教員（自由記述）Instructor name | |
| 科目種別Class Type | |
| 教室名称Classroom name | 各学部・研究科等の時間割等で確認 |
| 配当年次Grade | |
| 単位数Credit(s) | 2 |
| 備考（履修条件等）Notes | |
| 実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
| カテゴリーCategory | 秋期 |
| 期間Period | 秋期 |
| 定員Capacity | |
| 予備登録の有無Presence or Absence of Preliminary Registration | |
| 受講可能な学科・学年Eligible Courses / Grade | 『法政通信』受講手続き等関連頁を参照 |
すべて開くShow all
すべて閉じるHide All
Outline (in English)
In this course. the New Testament will be analyzed in the method of the historical-literary criticism. We will study the characteristics of this book, which has become the basis of Western history and the history of Christianity.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的（何を学ぶか）Outline and objectives
本授業では新約聖書を歴史文献批判的に精読する。それによって西洋史およびキリスト教の歴史の基礎を築く要因の１つとなったこの書物の特性を学ぶ。
到達目標Goal
1) 歴史におけるキリスト教の影響を考察する際に必須である聖書の内実をその史的背景をふまえて知る
2) 歴史学において重要な史料批判・文献批判の方法論を多種多様な文書群で構成される聖書を通して知る
3) 各自の関心・視点に応じた文献収集力および調査力を獲得する
4) レジュメ・口頭発表・リポートの作成力を実際の演習発表を通して獲得する
5) 演習を通してこれまで以上の聴解、議論、問題解決力を獲得する
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか（該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連）Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「DP1」「DP2」「DP3」に関連
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)（学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. ）
新約聖書の諸文書を精読する。
教員が概観を行う回を除く各回においては、担当者の発表を受けて担当者以外の参加者が各自の見解・疑問点・掘り下げたい部分について言及し全体討議を行い、その後、教員が講評を加えることとする。
各人は担当箇所（第１回目に決定する）について、当日の自身の発表前までにレジュメを用意して配布することが求められる。
なお、オンライン開講に移行する場合には、動画配信形式もしくはZOOMリアルタイム方式で授業をおこなう。
アクティブラーニング（グループディスカッション、ディベート等）の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク（学外での実習等）の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching：対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回[対面/face to face]：新約諸文書の成立
新約聖書に収録されている文書の特徴について教員が概論を行う。
また、演習の進め方や報告担当者の割り当てなども決定する。
第2回[対面/face to face]：いわゆる新約聖書時代史の問題
ナザレのイエスや使徒が生きた時代および新約諸文書が成立した時代についての概観を教員が行う
第3回[対面/face to face]：パウロ書簡１
発表担当者による概要報告と質疑応答
第4回[対面/face to face]：パウロ書簡２
発表担当者による概要報告と質疑応答
第5回[対面/face to face]：マルコによる福音書
発表担当者による概要報告と質疑応答
第6回[対面/face to face]：マタイによる福音書
発表担当者による概要報告と質疑応答
第7回[対面/face to face]：ルカによる福音書
発表担当者による概要報告と質疑応答
第8回[対面/face to face]：ヨハネによる福音書
発表担当者による概要報告と質疑応答
第9回[対面/face to face]：新約聖書後期書簡群１
発表担当者による概要報告と質疑応答
第10回[対面/face to face]：新約聖書後期書簡群２
発表担当者による概要報告と質疑応答
第11回[対面/face to face]：新約聖書後期書簡群３
発表担当者による概要報告と質疑応答
第12回[対面/face to face]：ヨハネの黙示録
発表担当者による概要報告と質疑応答
第13回[対面/face to face]：ローマ帝国支配下のユダヤ教とキリスト教
既回の新約諸文書の特性をふまえつつ、ユダヤ教からキリスト教が分離してゆく状況を宗教史およびローマ帝国の統治という歴史的な文脈から考察する。
第14回[対面/face to face]：まとめ：新約聖書という歴史的現象
新約聖書という書物が成立した歴史的文脈と歴史的意義とについて総括する。
授業時間外の学習（準備学習・復習・宿題等）Work to be done outside of class (preparation, etc.)
本授業の準備学習・復習時間は、各２時間を標準とする。
「準備」においてはその回で扱う文書の精読（レジュメを作成する発表者はもちろんであるが、議論の時間があるので発表者以外もこれを行う）および参考文献の精読が、「復習」においてはその回に扱った文書に関する議論をふまえた再読・参考文献の確認が該当する。
新約聖書の諸文書は様々な相互関連性があるので、取り組めば取り組むほどその成果が期待できるものとなる。
テキスト（教科書）Textbooks
日本聖書協会『聖書新共同訳 旧約聖書続編つき』を推奨する：
様々な版があるが、標準サイズ（小型）の『聖書 新共同訳 旧約聖書続編つき』は￥3,600+税、ハンディタイプは￥3,100+税
※その他の翻訳聖書（聖書協会共同訳、岩波新約聖書翻訳委員会訳、田川建三訳、フランシスコ会訳など）でもかまわない。
ただし、いずれにせよ、旧約と新約の両方を参照できるようにしておくことを望む。
なお、ギリシャ語原典で新約聖書を読むことのできる受講者には
・Nestle E. / Aland K., Novum Testamentum Graece (Aufl. 28). Stuttgart, 2012. ￥ 6,000＋税（オンラインショップなどで購入すればこれより安価に購入可能な場合もある）
を推奨する（27版＝Aufl. 27 でもよい）。
参考書References
・荒井献／石田友雄（翻訳版監修）『旧約新約聖書大事典』、教文館、1995年（第2版）
・上村静『宗教の倒錯――ユダヤ教・イエス・キリスト教』岩波書店、2008年、￥2,800+税
・大貫隆／山内眞 監修『新版 総説新約聖書』 、日本キリスト教団出版局、2003年、￥ 7,200＋税
・佐藤研『聖書時代史 新約篇』(岩波現代文庫)、2003年、￥ 1100＋税
（参考として山我哲雄『聖書時代史 旧約篇』（岩波現代文庫）、2003年、￥ 1100＋税も推奨する）
・田川建三『新約聖書 訳と註』（８分冊） 参考URL https://sakuhinsha.com/list/bible.html
―――――
・フラウィウス・ヨセフス『ユダヤ戦記』（秦剛平訳、全3巻）（ちくま学芸文庫）および『ユダヤ古代誌』（秦剛平訳、全6巻――この授業の扱う範囲としては特に第4巻から第6巻）は歴史批判的に検証される必要があるが、紀元前後のユダヤ教・キリスト教の歴史を知るための重要な史料となるので推奨したい――新本では手に入りにくいが電子書籍化もされており、そちらであれば入手可能。
他にも必要に応じて提示する。
成績評価の方法と基準Grading criteria
平常点のみとする。
なお、基準は以下を予定している
1) 文書精読の予習度および精度：30％
2) 担当文書発表の内容：40％
3) 質問・討議への参加度など授業への積極的参加度：30％
このような成績評価の方法と基準であるため、出席は評価基準ではなく大前提となるので注意されたい。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
聖書の文章は訳文としても難しい表現や普段目にしない言い回しが多いとのことであったので、上記参考文献の事典を推奨するとともに、補足説明を演習・通教LMSでも行っている。ご質問を歓迎する。