通信教育部(通信学習)School of Correspondence Education (Correspondence Learning)
HIS300TD(史学 / History 300)日本史特講(地方史学)Lecture on Japanese History (Regional History)
教科担当責任者 / Instructor in charge of class:松本 剣志郎Kenshiro MATSUMOTO
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 通信教育部(通信学習)School of Correspondence Education (Correspondence Learning) |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2022 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
担当者Instructor name | 中山 学 |
科目種別Class Type | 通信学習(リポート・試験) |
履修学年Grade | 3~4 |
単位数Credit(s) | 4 |
備考(履修条件等)Notes |
※2020年度で廃止(2023年3月まで経過措置) ※2021年度以降入学者は履修不可 |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
カテゴリーCategory | 文学部 史学科 専門教育科目 |
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Outline (in English)
①To be able to explain the significance of local history research established in Japan in the 1950s.
②To be able to explain the significance of "regional history" and its influence on historical research in general, as well as the reason why "regional history" began to be advocated in the late 1960s.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
【学習の到達目標】Goal
①日本近代歴史学の成立と発展に関する知識を前提として、戦後、戦前の歴史学への反省から地方史研究にどのような役割が期待されることとなったのかを説明することができる。
②1960年代末頃に「地域史」が提唱された理由と共に、「地域史」の意義、歴史研究における影響力について説明することができる。
【この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)】Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
①日本近代歴史学の成立と発展に関する知識を前提として、戦後、戦前の歴史学への反省から地方史研究にどのような役割が期待されることとなったのかを説明することができる。
②1960年代末頃に「地域史」が提唱された理由と共に、「地域史」の意義、歴史研究における影響力について説明することができる。
【授業で使用する言語】Default language used in class
日本語 / Japanese
【科目の概要】Method(s)
1945年の敗戦を契機とする日本歴史学の転回の中に成立したのが、民衆を歴史発展の主体と位置づける地方史研究であった。当科目では、まず、この地方史研究が成立するまでの戦前の日本歴史学の歩み(日本近代歴史学の成立と発展の過程)を知るとともに、戦後、戦前の歴史学への反省から地方史研究にどのような役割が期待されることとなったのかを理解する。
ただし、現在は「地方史」に代わって「地域史」という新たな立場が加わり、近年ではむしろ後者への傾向がほぼ確実のものとなった。そこで、当科目では1960年代末頃以降の「地域史」の提唱についても学習を促し、歴史研究が「地域史」を重視するようになった理由とともに、「地域史」の意義についても理解するよう求める。この点に関して、受講者においては、「地域史」が「地方史」とどのような点で相違するのかについて理解することが最も重要な課題となる。
【成績評価基準】Grading criteria
最終成績は単位修得試験により評価する。ただし評価基準は以下の通りである。
・リポート: テキストおよび参考文献の内容を踏まえ、設題に適切に答えているか否か。
・単位修得試験: 問題を正しく理解し、その問いに適切に答えているか否か。
【テキスト名および詳細】Textbooks
通教テキスト『日本史特講(地方史学)』第1版、村上 直、馬場憲一、1985年
(※ 前・通教テキスト『地方史学』)
【学習指導、注意点等】Work to be done outside of class (preparation, etc.)
通信学習のリポートに添削・講評でフィードバックする。
・「国史」とは何か、「郷土史」とは何かということを、それぞれの成立経緯も含めて整理すること。また、「国史」と「郷土史」の関係性に着目し、戦前の日本近代歴史学がはらんだ問題を整理すること。
・戦後の上原専禄および西嶋定生の業績について知るとともに、地方史研究が世界史とのかかわりを重視することとなった時代背景を努めて理解すること。
・地方史研究の目的及び意義を整理すること。
・地方史研究と密接な関わりをもつ史料保存や文化財保存が抱える課題などについて理解を深めること。
・戦前の郷土史と戦後成立の地方史研究と、歴史把握の方法をめぐる両立場の同質性を理解すること。
・通教テキスト『日本史特講(地方史学)』に十分な解説はないが、下記参考書を頼りに「地域史」という新たな歴史把握の方法が導入されていることについても学習すること。また、特にその導入の事情や、「郷土史」・「地方史」とは異なる歴史把握の方法とその意義についても理解に努めること。
●塚本学(1976)「地域史研究の課題」『岩波講座 日本歴史 25・別巻2』(岩波書店)
●村上直(1989)『日本近世史研究事典』初版(東京堂)
●朝尾直弘ほか共編(1994)『岩波講座日本通史 別巻2』「地域史研究の現状と課題」(岩波書店)
●濱下武志ほか共編(1997)『地域の世界史1 地域史とは何か』(山川出版社)
●李成市(2000)『世界史リブレット 東アジア文化圏の形成』(山川出版社)
●大津透ほか共編(2014)『岩波講座日本歴史』第20巻「地域論(テーマ巻1)」(岩波書店)
※学習指導の場面で、適宜、適切と考えられる参考文献を紹介する場合がある。