通信教育部（通信学習）School of Correspondence Education (Correspondence Learning)

①江戸時代を通じての村社会の段階的な変容の過程を一般論として説明することができる。
②江戸時代の村と百姓との関係がどのようであったのかを、その時代固有の社会的観念に基づいて説明することができる。

日本語 / Japanese

日本に伝来した古文書や古記録を用いた歴史研究を通じて、日本の現在の地域社会の淵源は、おおむね江戸時代に求めることができると考えられています。これを言い換えれば、江戸時代の地域社会は、現代日本の地域社会の歴史的出発点であり、そこからどのような過程を経て現在があるのかということを考えるうえで重要な起点的位置にあります。また、現在の地域社会がそこからの様々な変容の帰結である以上、江戸時代の地域社会のあり方は、当然、現在のそれとはかなり異質なものであることが予想されます。したがって、江戸時代の地域社会の成り立ちを知ることを通じて、私たちは自分たちが属する現代社会のあり方を批判的に見つめ直すことができるとも期待されます。こうしたことから、この科目では、特に江戸時代の地域社会の基礎を成した村に注目し、村とそこに暮らした住人の具体像を通じて、当該社会を成り立たせていた仕組みや観念、あるいは常識がどのようであったのか、理解を深めます。

最終成績は単位修得試験により評価する。ただし評価基準は以下の通りである。
・リポート；　テキスト内容を踏まえ、設題に適切に答えているか否か。
・単位修得試験；　問題を正しく理解し、その問いに適切に答えているか否か。

渡辺尚志『近世百姓の底力　村からみた江戸時代』敬文社、2013年、￥2,400+税

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