教職・資格(多摩)Teacher-Training Courses and Qualification Courses (Tama)
美術史(日本)AHistory of Japanese Arts A
稲本 万里子Mariko INAMOTO
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 教職・資格(多摩)Teacher-Training Courses and Qualification Courses (Tama) |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2021 |
授業コードClass code | A3857 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 春学期授業/Spring |
曜日・時限Day/Period | 水5/Wed.5 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | |
配当年次Grade | 3~4 |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
SDGsCPSDGs CP | |
アーバンデザインCPUrban Design CP | |
ダイバーシティCPDiversity CP | |
未来教室CPLearning for the Future CP | |
カーボンニュートラルCPCarbon Neutral CP | |
千代田コンソ単位互換提供(他大学向け)Chiyoda Campus Consortium | |
カテゴリーCategory | 資格関係科目 |
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Outline (in English)
This course introduces the basics of narrative scroll study to students taking this course.
The aim of this course is to help students acquire an understanding of the analysis method of visual image.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
この授業では、平安時代後期に制作された絵巻を取りあげ、基礎知識を説明するとともに、どのような技法と表現法が使われているのか解説し、制作年代や注文主などの諸問題を検討する。
この授業の目的は、視覚表象(ヴィジュアル・イメージ)をさまざまな角度から分析する手法を知るために、絵巻を鑑賞し、技法と表現法を理解し、美術史研究の現況を把握することである。
到達目標Goal
授業で取りあげた絵巻の基礎知識を修得し、技法と表現法について説明することができる。
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
授業は講義形式でおこなう。はじめに、美術史と絵巻についての概説をおこなう。次に、平安時代後期に制作された「源氏物語絵巻」「信貴山縁起絵巻」「伴大納言絵巻」を取りあげ、基本的な事柄を説明する。毎回教室備えつけの液晶プロジェクターを使用して、スライドを映写しながら、どのような技法が用いられ、どのような表現がなされているか説明するので、映写時はノートをとることよりも、スライドをじっくり見てもらいたい。そのうえで、制作年代や注文主などの諸問題を検討する。その際、ジェンダーやクラスの視点から注文主の権力や幻想、欲望を読み解く新しい美術史学(ニュー・アート・ヒストリー)の方法を紹介する。授業で紹介する手法を用いて、現代の我々を取り巻く視覚表象の問題についても考えてもらいたい。質問はコメントペーパーで受けつける。翌週の授業開始時に答え、皆でシェアする。筆記試験の結果と優秀レポートは、成績提出後に講評をおこなう。
また、現在私たちが作品を鑑賞する場のひとつになっている“展覧会”というイベントについて考えるために、授業期間中に開催されている日本美術の展覧会を紹介し、美術館・博物館が現在抱えている問題点を指摘するので、展覧会場に足を運んでもらいたい。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
なし / No
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
春学期
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回:ガイダンス、美術史概説
授業内容の説明、美術史の研究方法・ジャンル・時代区分
第2回:絵巻概説
絵巻の形態、鑑賞法
第3回:「源氏物語絵巻」Ⅰ
「源氏物語絵巻」概説
第4回:展覧会の見方
独立行政法人化と指定管理者制度の問題
第5回:「源氏物語絵巻」Ⅱ
「源氏物語絵巻」柏木第一段~御法段
第6回:「源氏物語絵巻」Ⅲ
「源氏物語絵巻」の情景選択法、竹河第一段~東屋第二段
第7回:「源氏物語絵巻」Ⅳ
「源氏物語絵巻」蓬生段・関屋段、諸問題の検討
第8回:「信貴山縁起絵巻」Ⅰ
「信貴山縁起絵巻」概説
第9回:「信貴山縁起絵巻」Ⅱ
「信貴山縁起絵巻」飛倉巻、延喜加持巻、尼公巻
第10回:「信貴山縁起絵巻」Ⅲ
「信貴山縁起絵巻」諸問題の検討、レポートの書き方
第11回:「伴大納言絵巻」Ⅰ
「伴大納言絵巻」概説
第12回:「伴大納言絵巻」Ⅱ
「伴大納言絵巻」上巻~下巻、諸問題の検討
第13回:授業のまとめⅠ
筆記試験の説明
第14回:授業のまとめⅡ
各作品の相違点
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
準備・復習時間は各2時間を標準とする。授業後、作品と作品名が一致するように、各自で参考図版を見ておくこと。ただし「源氏物語絵巻」については、『源氏物語』の内容を講義する時間がないので、あらかじめ物語のあらすじを把握しておくことが望ましい。参考書に記した『すぐわかる源氏物語の絵画』が便利。
テキスト(教科書)Textbooks
教科書は使用しない。毎回スライドとプリントを使って進める。
参考書References
入門書として、 田口榮一監修、稲本万里子・木村朗子・龍澤彩『すぐわかる源氏物語の絵画』(東京美術、2009)、稲本万里子『源氏の系譜―平安時代から現代まで』(森話社、2018)、佐野みどり『じっくり見たい『源氏物語絵巻』』(小学館、2000)、泉武夫『躍動する絵に舌を巻く 信貴山縁起絵巻』(小学館、2004)、黒田泰三『思いっきり味わいつくす伴大納言絵巻』(小学館、2002)。
各作品についての参考図版、参考文献は授業中に紹介する。
成績評価の方法と基準Grading criteria
学期末の筆記試験80%、コメントペーパー20%。
筆記試験は、基礎知識を習得しているか否かを判断する。ただし、筆記試験の点数の1/4をレポート点に代えることもできる。レポートの提出は任意。レポートの内容については授業中に説明する。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
前年度とは授業内容が異なるので、確認のうえ受講すること。教室の設備にかんする苦情は受けつけない。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
毎回教室備えつけの液晶プロジェクターを使用して、スライドを映写する。対面授業の場合は、学生が準備すべき機器はない。
その他の重要事項Others
時間配分により、実際の授業では順序や内容が変わることがある。