人間環境学部Faculty of Sustainabillity Studies
PHL300HA(哲学 / Philosophy 300)現代思想と人間ⅡContemporary Philosophy and Human Condition Ⅱ
竹本 研史
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 人間環境学部Faculty of Sustainabillity Studies |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2021 |
授業コードClass code | C2560 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 秋学期授業/Fall |
曜日・時限Day/Period | 金3/Fri.3 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | |
配当年次Grade | 1~4 |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
他学部公開科目Open Program | ○ |
他学部公開(履修条件等)Open Program (Notes) | |
グローバル・オープン科目Global Open Program | |
成績優秀者の他学部科目履修制度対象Interdepartmental class taking system for Academic Achievers | |
成績優秀者の他学部科目履修(履修条件等)Interdepartmental class taking system for Academic Achievers (Notes) | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
SDGsCPSDGs CP | |
アーバンデザインCPUrban Design CP | |
ダイバーシティCPDiversity CP | |
未来教室CPLearning for the Future CP | |
カーボンニュートラルCPCarbon Neutral CP | |
千代田コンソ単位互換提供(他大学向け)Chiyoda Campus Consortium | |
カテゴリー(一般・総合型選抜、編入学試験入学者)Category | |
カテゴリー(社会人RSP入試入学者)Category | |
カテゴリー(2022年度以前)Category (~2022) |
展開科目 コースコア科目/コース連環科目 |
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Outline (in English)
Theme : Philosophical Genealogy of " Work" and of "Labor"
We consider the following issues on the basis of philosophical knowledge; "Labor" and "Work".
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
テーマ:「労働」の思想的系譜
フランスでは、リセ(高校)の最終学年で哲学を学ぶことが必修とされています。大学入学資格試験に当たるバカロレアにおいても、人文系であれ、社会科学系であれ、自然科学系であれ、哲学は受験必須科目であり、生徒たちは4時間かけて、ディセルタシオンというフランス式小論文の形式で問題に取り組んでいます。
本講義では、人間環境学部、ならびに学部の主軸理念である「サステイナビリティ」の学問内容とも関わりの深いテーマを選び、みなさんと一緒に考えていきます。今年度は、2016年度バカロレア試験の理系の選択問題だった「労働を減らせば、より善く生きることになるのか(Travailler moins, est-ce vivre mieux ?)」をテーマとして設定します。
ただし、あくまで大学の学部専門科目として、それにふさわしいレベルで「労働」についての思想的知識を身につけたうえで、設定したテーマについてみなさんが見解を示すことが目的です。
社会では「働き方」について見直されつつある昨今、改めて「労働」とは何かについて根本的に考えてみましょう。
到達目標Goal
さまざまな学問領域において持続可能でインクルーシヴな社会の実現のためにマイノリティと不平等の問題を考察していくうえで、現代社会思想を中心に、基本的かつ不可欠な諸概念に関する思想的営為の系譜をたどり、それら諸概念にかけられている負荷を把握します。そこで得た知見を基に、それらの現代社会における意義を主体的に考察し、見解を示せるようになることで、広い視野に立ちながら、平和で民主的な社会を形成していく市民として必要な知識と思考力を涵養します。
*「労働」についての思想的系譜を把握したうえで、その知識を基にして「労働を減らせば、より善く生きることになるのか」という問題設定に対して自分自身の見解を示すことができるようになること。
*その際に、日本語のかたちであれ、ディセルタシオンの形式を身につけて、論理的に上記に関する見解を論じることができること。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「DP3」に関連
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
講義形式でおこないますが、ご提出いただいたコメントシート提出による質疑+次回授業での応答形式を用いることで、インタラクティヴな授業になるようにいたします。
思想系の授業ということで難しくはあるのですが、なるべく関連するような映像や写真などの視聴覚教材も積極的に活用していく予定です。
学生からの質問・意見や、提出物に対しては、基本的に授業時間内にフィードバックを行う。課題提出後の授業、または学習支援システムにおいて、提出された課題からいくつかポイントを取り上げ、全体に対してフィードバックを行う。大学の行動方針レベルの変更に応じた授業形態の詳細は学習支援システムでお知らせします。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
なし / No
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回:映画作品から考える「労働」
ダルデンヌ兄弟『サンドラの週末』、ケン・ローチの作品などを中心に
第2回:近代の思想家が見る「労働」(1)
ジョン・ロックの労働所有権論と十分性条件
第3回:近代の思想家が見る「労働」(2)
ルソーの『人間不平等起源論』と『社会契約論』における「労働」について
第4回:近代の思想家が見る「労働」(3)
アダム・スミスの労働価値説
第6回:近代の思想家が見る「労働」(4)
ヘーゲルにおける「主人と奴隷の弁証法」および、市民社会と労働について
第7回:近代の思想家が見る「労働」(5)
初期社会主義者と「産業社会」
第7回:近代の思想家が見る「労働」(6)
カール・マルクス『ドイツ・イデオロギー』、『共産主義者宣言』、『ルイ・ボナパルトのブリュメール18日』など
第8回:近代の思想家が見る「労働」(7)
カール・マルクス『資本論』
第9回:近代の思想家が見る「労働」(8)
マックス・ヴェーバー、プロテスタンティズムと禁欲的労働
第10回:現代の思想家が見る「労働」(1)
ハンナ・アーレント、ジャン=ポール・サルトル、ミシェル・フーコーそれぞれの労働論を春学期の復習も兼ねて学び直す
第11回:現代の思想家が見る「労働」(2)
ジル・ドゥルーズの「管理社会」論
第12回:現代の思想家が見る「労働」(3)
アントニオ・ネグリ/マイケル・ハートの「非物質的労働」と「マルチチュード」論
第13回:現代の思想家が見る「労働」(3)
イヴァン・イリイチの「シャドウ・ワーク」論
第14回:まとめ
今学期のテーマに関する総括
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
授業で取り上げた思想家の著作とそのつど時間をかけて格闘すること。
テキスト(教科書)Textbooks
教場でプリントを配布します。
参考書References
市野川容孝・渋谷望編『労働と思想』、堀之内出版、2015年。
ラース・スヴェンセン『働くことの哲学』小須田健訳、紀伊國屋書店、2016年。
立正大学文学部哲学科編『哲学 はじめの一歩:働く』、春風社、2017年。
市野川容孝・宇城輝人編『社会的なもののために』、ナカニシヤ出版、2013年。
宇野重規『西洋政治思想史』、有斐閣、2013年。
坂本達哉『社会思想の歴史――マキアヴェリからロールズまで』、名古屋大学出版会、2014年。
坂本治也編『市民社会論――理論と実証の最前線』、法律文化社、2017年。
仲正昌樹編『政治思想の知恵――マキャベリからサンデルまで』、法律文化社、2013年。
同編『現代社会思想の海図(チャート)――レーニンからバトラーまで』、法律文化社、2014年。
山脇直司『公共哲学とは何か』、ちくま新書、2004年。
同『社会思想史を学ぶ』、ちくま新書、2009年。
同『公共哲学からの応答――3・11の衝撃の後で』、筑摩選書、2011年。
ほか
*各思想家の思想に関する参考文献などは教場で随時紹介いたします。
成績評価の方法と基準Grading criteria
毎回授業後に提出するコメントシート(20%)+学期末試験(80%)
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
レジュメの誤植をなるべくなくします。また、記号の使い方、ポイントの大きさなどにも留意いたします。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
Zoomに接続可能な機器・接続環境が必要になることがある。
その他の重要事項Others
2016年度に「人間環境特論(西洋社会思想史Ⅱ)」の単位を取得済みの学生は履修不可。
関連の深いコース
人間文化コース(旧・環境文化創造コース)
実務経験のある教員による授業
本科目は、「実務経験のある教員による授業」に該当しません。