人間環境学部Faculty of Sustainabillity Studies

テーマ：人と自然の環境史
本授業では、人間と自然との歴史的なかかわりを、近世日本の政治・経済・生活・文化などの様々な側面から考える。授業は講義を中心とし、近年の環境史研究の新しい成果を把握しながら、歴史を「覚える」だけでなく、「考える」能力を身につけられるようにする。また資料に基づいて「考える」ことができるように、授業中に適宜、重要資料を用いて、資料から具体的な歴史像を描き出せるようにする。

この講義では、日本環境史を理解するために必要となる知識の習得や歴史的事実の調べ方、およびその全体像の論理的構成方法を学び、自然・環境などにかかわる根拠資料を読解し、資料解読のほか、環境史を論理的に説明できる。また人間と自然とのかかわりを歴史的に知るために、地域性や時代性を意識しながら、豊かで多様な価値観に支えられた環境史の具体像を構築する能力を養うことができる。

ディプロマポリシーのうち、「DP2」に関連

日本語 / Japanese

授業は、原則として対面による講義形式で行い、時としてリアクション・ペーパーを提出してもらう。リアクション・ペーパー提出後の授業、または学習支援システムにおいて、提出されたリアクション・ペーパーからいくつかポイントを取り上げ、全体に対してフィードバックを行う。大学の行動方針レベルの変更に応じた授業形態の詳細は学習支援システムでお知らせします。

なし / No

なし / No

※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。

第1回：環境歴史学とは

環境歴史学の歩みとその役割について学ぶ

第2回：人の暮らしと山林利用

人の暮らしと山林利用の関係について学ぶ

第3回：山林荒廃と人間社会への影響

山林荒廃の要因を地域の多様な事例を通して学ぶ

第4回：自然をめぐる環境思想

近世の環境思想を山林荒廃の論理から学ぶ

第5回：山林保護をめぐる政策と地域慣行

幕府の山林保護政策の歩みとその具体的な内容について学ぶ

第6回：持続可能な山林保護の諸相

幕府・諸藩・地域社会で実践された山林保護の諸相について学ぶ

第7回：植林をめぐる政策と地域性

各地域で実践された植林政策の歴史の多様性について学ぶ

第8回：共有資源の利用と紛争

山野河海の所有・利用をめぐる幕府の裁定方針について学ぶ

第9回：山野河海の入会慣行

山野河海の入会利用の多様なあり方と入会権の特質について学ぶ

第10回：狩猟の歴史と自然環境保全

狩猟の歴史と自然環境保全とのかかわりについて学ぶ

第11回：狩猟の文化と地域社会

狩猟文化の歩みと地域社会とのかかわりについて学ぶ

第12回：農業と害鳥獣対策

鳥獣被害対策と領主・地域社会の対応関係について学ぶ

第13回：人間と鳥獣との共生関係

人間と鳥獣との多様な関係から共生のあり方について学ぶ

第14回：公害と領主・地域社会

公害の多様性と領主・地域社会とのかかわりについて学ぶ

毎回の講義で紹介される資料等を使用して必ず予習・復習をすること。
毎回、テキストのテーマごとの史料を事前に読んでおくこと。
テーマに関連する参考文献を読んでおくこと。本授業の準備学習・復習時間は、各2時間を標準とします。

『日本近世環境史料演習　改訂版』（根崎光男編、同成社、2011年）

『生類憐みの世界』（根崎光男、同成社、2006年）
『犬と鷹の江戸時代』（根崎光男、吉川弘文館、2016年）

成績は期末試験(90％)、リアクション・ペーパー(10％)により評価を行う。期末試験は授業内容の理解度に応じて、またリアクション・ペーパーは課題に対する豊富な内容に応じて評価する。

環境史学の学習には、歴史資料の読解・分析が欠かせないので、わかりやすい解説を心がけていく。

Zoomに接続可能な機器・接続環境が必要になることがある。

履修の手引き「D.6 専門科目一覧・コース関連科目表」を参照してください。

本科目は、「実務経験のある教員による授業」に該当しません。