国際文化研究科Graduate School of Intercultural Communications
SOS500G1-405(その他の社会科学 / Social science 500)国際協力論International Assistance
歴史・社会影響・人材育成・地域協力から考える
松本 悟Satoru MATSUMOTO
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 国際文化研究科Graduate School of Intercultural Communications |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2021 |
授業コードClass code | X2033 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 春学期授業/Spring |
曜日・時限Day/Period | 金2/Fri.2 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | |
配当年次Grade | |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience |
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Outline (in English)
This course aims to enable students to understand and analyze international cooperation from the aspects of "culture". It includes the background which requires international cultural cooperation, the impacts of international cooperation on culture and the impacts of culture on international cooperation.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
この授業では国際協力を文化の視点から考える。文化とは「体系的な生きるための工夫」(クラックホーン)であり、協力を必要とする背景及び協力そのものが特定集団に内在する文化によって影響を受けると同時に文化に影響を与えている。いくつかのキーワードを手がかりに文献を丁寧に読み解きながら、文化という切り口から国際協力の歴史と現状を理解する。
到達目標Goal
(1)授業で取り上げる概念や術語(テクニカルターム)について理解できる。
(2)国際協力を国際文化の視点から論じることができる。
(3)当該分野の文献を正しく理解し、分析的な発表ができる。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち,「DP1」,「DP2」,「DP3」の達成のために特に重要である
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
■基本方針:国際文化研究科では、2021年度の授業をオンライン授業で実施することを決定した。この授業に関してもZoom等によるリアルタイム・オンライン授業で実施する。ただし、法政大学の「新型コロナウイルス感染症に対する行動方針」のレベル1以下になった場合、履修者と相談して教室での対面授業に切り替える可能性はある。
■第1回は教員が担当し、第2回からは事前課題文献(日本語か英語)をもとに学生が発表・議論する。進め方は以下の通り。
(1)履修者全員が事前課題文献(20頁程度を想定)を熟読し、①「この文献から重要だと考えた点」を最低3つ、②そう考えた理由、③そこから導いた論点(履修者同士で議論したい点)を発表する。
(2)(1)を共有した上で、履修者の間でその日議論したい点を絞り(全ての論点でもよい)議論する。
(3)必要に応じて教員が補足授業を行う。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
春学期
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回:イントロダクション
授業の説明、受講者の関心の共有に基づき、必要に応じて課題文献を変更する。
第2回:モジュール1:開発援助の歴史①開発援助の社会学から
第2次世界大戦後の開発援助の歴史を社会学的側面から考える。
第3回:モジュール1:開発援助の歴史②言説
日本における開発援助の言説から利己・利他の揺れ動きを考える。
第4回:モジュール1:開発援助の歴史③自立と依存
援助は自立を目指すことが自明のように語られるが、依存とは本当に問題なのかを考える。
第5回:モジュール2:開発援助の社会的影響①概観
開発援助が社会にもたらす影響を俯瞰して考える。
第6回 :モジュール2:開発援助の社会的影響②精神的な影響
これまであまり議論されてこなかった開発に伴う精神的な影響について考える。
第7回:モジュール3:人を育てる①人材育成
日本型援助と言われる人材育成について考える。
第8回:モジュール3:人を育てる②高等教育協力
義務教育に焦点を当てやすい教育支援の中で大学などの高等教育の国際協力について考える。
第9回:モジュール4:メコン地域協力①地域協力の捉え方
ローカル、リージョナル、グローバルな視点で地域協力を考える。
第10回:モジュール4:メコン地域協力②国境貿易と経済特区
アクターによって異なる「国境を越える」意味を考える。
第11回:モジュール4:メコン地域協力③国境を越えるNGO
リージョナルな開発に社会影響への懸念から働きかけるNGOの動きについて考える。
第12回:モジュール5:学生による発表①グループA
履修者が自分の研究に関連した読んだ文献をもとに発表と議論を行う。
第13回:モジュール5:学生による発表②グループB
履修者が自分の研究に関連した読んだ文献をもとに発表と議論を行う。
第14回:総合討論
この授業で扱ったテーマを横断的に分析し、「国際協力と文化」について新たな視点を掘り起こす。
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
・事前課題文献は時間をかけて読み、課題に取り組むこと。
・毎回の授業で学んだことを短く学習支援システムに投稿すること。
・本授業の準備学習・復習時間は、各2時間を標準とする。
テキスト(教科書)Textbooks
課題文献(日本語、英語)は学習支援システムを通じて配布する。
参考書References
特になし。
成績評価の方法と基準Grading criteria
(1)事前課題・発表30%(文献の正しい理解、説得力のある論点の抽出)
(2)平常点20%(授業での積極的な発言・議論のファシリテート)
(3)授業後課題30%(授業内容の理解度)
(4)独自文献の発表と論点提示20%(第12回と第13回に予定している発表での文献理解度と説得力のある論点の抽出)
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
特になし
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
パソコン、およびZoom等のリアルタイムのオンライン授業が可能な通信環境。
その他の重要事項Others
・国際協力に15年近く携わった教員が具体的な経験に基づく事例も紹介しながらコメントする。
・履修者の研究関心によって、授業内容や課題文献を若干変更することがある。
担当教員の専門分野等
<専門領域>国際開発研究
<研究テーマ>影響評価、国際組織、開発援助、NGO
<主要研究業績>
『国際協力と想像力』(共編著、日本評論社、2021年)
『調査と権力』(単著、東大出版会、2014年)
『NGOと世界銀行』(共編著、ミネルヴァ書房、2012年)
『人々の資源論』(共著、明石書店、2008年9月)
『シリーズ国際開発 生活と開発』(共著、日本評論社、2005年9月)