国際文化研究科Graduate School of Intercultural Communications
CUA500G1-109(文化人類学・民俗学 / Cultural anthropology 500)多文化相関論ⅡAMulticultural Interrelations II A
人の表象の間文化性
熊田 泰章Yoshinori KUMATA
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 国際文化研究科Graduate School of Intercultural Communications |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2021 |
授業コードClass code | X2009 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 春学期授業/Spring |
曜日・時限Day/Period | 金2/Fri.2 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | |
配当年次Grade | |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience |
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Outline (in English)
In this class, students will learn the basic concept of intercultural study on theory and examples. For that purpose, we will take European painting, an interculturally generated cultural activity, as an example. Students will understnad the fact that the cultures have something in common with each other, and that the differences make them stand out, and that the cultures have an intercultural relationship while recognizing the commonalities and differences.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
** 2021 年度新型コロナウイルス感染症対策による変更**
大学と研究科の授業実施方針に則り、授業を実施する。 原則として、Zoom接続による同時双方オンライン授業とする。方針の変更が生じた場合、それに対応して変更することもありえる。 授業概要・到達目標・成績評価などの基本事項に変更はない。
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この授業では間文化性研究の基本的考え方を理論と実例によって学ぶ。そのために、間文化的に生成された文化活動であるヨーロッパ絵画を例として取り上げる。諸文化が相互に共通点を有していることと、その共通点がゆえに相違点が際立つこと、そして、それらの共通点と相違点を相互に認識し合いながら、諸文化が間文化的関係性の中で相互に影響を与えあうことを把握する。
到達目標Goal
人物表象の歴史的変遷と多文化間の共有性について把握する。
表象行為の内在性と超越性について多文化横断的に把握する。
古典古代のギリシャ、そしてそれ以前の古代エジプトにまで遡って、「個の肖像」の歴史をたどり、その継続を追って、ルネサンス期フランドルの肖像画とそれ以降の風俗画までを調べた後、その後の人物表象について、理解する。
テキストとして使用する文献によって、個々の事例を具体的に知り、それらにおける「個の表象」の共通性を分析的に知る。
「個の表象」の研究を通して、間文化性について理解する。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち,「DP1」の達成のために特に重要であり,「DP2」と「DP3」の達成のために重要である
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
論文精読と教員の説明に基づき、学生が能動的に学ぶ大学院授業とする。
絵画を通して間文化性を学ぶために、テキストとして4冊の研究書を順次精読し、かつ相互に参照する分析を行う。毎回、取り扱う個所を定め、事前に履修者が内容を確認し、学術用語、固有名詞などを調べ、報告する。その報告に基づき、授業の中で内容に対するまとめと批評を行う。
関連する適切な美術展を選び、作品に対する分析を行う。
毎回の授業では、履修者の報告に対する講評を行って、フィードバックとする。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
あり / Yes
授業計画Schedule
春学期
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回:ベンヤミン『複製技術時代の芸術作品』
通時的・共時的な文化の共通性
第2回:ベンヤミン『複製技術時代の芸術作品』
ベンヤミンの今日的意義
第3回:ベンヤミン『複製技術時代の芸術作品』
ベンヤミンの限界
第4回:古代エジプトの「肖像画」
エジプト古王朝の人間表象
第5回:古代エジプトの「肖像画」
死者の表象
第6回:古代エジプトの「肖像画」
生者の表象
第7回:古代ローマの「肖像画」
古代ローマの人間表象
第8回:アレキサンダー大王の表象
持続し、変化する意味
第9回:ポンペイのパン屋夫婦の表象
個人の表象
第10回:ファイユームという転換期
個人の表象
第11回:対話する表象
私たちを見つめるまなざし
第12回:人間の表象の個人化
人間の表象の新たな変化
第13回:存在の不安
存在の不安と個人の表象
第14回:人間の表象に関するこのセメスターのまとめ
取り上げて、考察してきた人間の表象の変遷についての、このセメスターのまとめ
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
文献を事前に読み、内容を確認し、学術用語等を調べる。
分担発表のための準備をする。
本授業の準備・復習時間は、各4時間を標準とします。
テキスト(教科書)Textbooks
ツヴェタン・トドロフ『個の礼賛-ルネサンス期フランドル肖像画』岡田温司・大塚直子訳、白水社、2002 年
ツヴェタン・トドロフ『日常礼賛-フェルメールの時代のオランダ風俗画』塚本昌則訳、白水社、2002 年
ゴットフリート・ベーム『図像の哲学-いかにイメージは意味をつくるか』塩川千夏・村井則夫訳、法政大学出版局、2017年
ミシェル・フーコー『マネの絵画』阿部崇訳、筑摩書房、2019年
参考書References
ジェラール・ジュネット『芸術の作品Ⅰ-内在性と超越性』和泉涼一訳、水声社、2013 年
ツヴェタン・トドロフ『ゴヤ―啓蒙の光の陰で』小野潮訳、法政大学出版局、2014年
ジョン・A・ウォーカー/サラ・チャップリン『ヴィジュアル・カルチャー入門-美術史を超えるための方法論-』岸文和他訳、晃洋書房、2001 年
成績評価の方法と基準Grading criteria
毎回の授業における報告に対する評価50%と最後の期末レポート50%によって評価する。
具体的事例の分析と考察により、人物表象の歴史的変遷と多文化間の共有性について、及び、表象行為の内在性と超越性について、多文化横断的に把握したことを確認する。
この成績評価の方法をもとに、本授業の到達目標の 60%以上を達成した者を 合格とする。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
これまでの学生の意見に基づき、学生の分担発表の計画を明確に定めます。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
資料配布と課題提出のために学習支援システムを活用します。
担当教員の専門分野等
<専門領域>文化記号論、テクスト論
<研究テーマ>間文化性研究
<主要研究業績>
「グローバリゼーションの原理としての記号的従属および動的編成と相互受容-個人と文化の相互的生成と変容についての一考察」法政大学国際文化学部紀要『異文化』第16号、2015年
「 唯一であることの相対的価値についての試論」法政大学国際文化学部紀要『異文化』第15号、2014年
「絵画のナラトロジー試論―知ることと見ることと語ることの本来的役割同一性についての一考察」熊田泰章編『国際文化研究への道―共生と連帯を求めて』彩流社、2013年