公共政策研究科Graduate School of Public Policy and Social Governance
POL500P2-052(政治学 / Politics 500)立法学研究Studies on Legislative Process
神﨑 一郎Ichiro KOUZAKI
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 公共政策研究科Graduate School of Public Policy and Social Governance |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2021 |
授業コードClass code | X9518 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 春学期前半/Spring(1st half) |
曜日・時限Day/Period | 土3/Sat.3,土4/Sat.4 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | |
配当年次Grade | |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
カテゴリーCategory |
サステイナビリティ学専攻 (修士課程)研究科共通科目 |
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Outline (in English)
In this class, we will study lawmaiking process. In last 2 lectures, sutudents will draft articles as the climax of the class.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
【授業概要】
我が国の法学は、もっぱら法解釈を中心に発展してきた。昭和21年に、既に末弘巖太郎博士は、法令立案の作業がもっぱら関係官僚の職業的な熟練によって行われているのみであって、立法者としての優れた能力とはいかなるものであり、その能力をどのようにして養成すればよいかといった問題についての科学的な考究が全くなされていないことを指摘している。以降、様々な研究成果が蓄積されてきているが、本講義は、それらを踏まえ、「立法学」を体系化する作業を試みるものである。「立法」を政治評論的に見るにとどまるのではなく、法的視点も含めて検討していきたい。
【授業目的】
我が国の国家作用を基礎付ける法律について、企画・制定から運用にいたるまでについて、立体的な知識を得るとともに思考の訓練をする。
到達目標Goal
・我が国の立法について、企画立案段階から制定施行段階までの正確な知識を得る。
・法令の構造や政策目的達成手段に関する知識を得、簡単な制度設計・条文作成を行うことができるようになる。
・なお、立法学や政策法務論の現状として、政治的分析や組織論的なものにとどまるものが多く見られる。本講義では、法律による行政の原則にのっとり、すべての立法面、行政面における事象には条文の根拠があるという発想に立ち、逐一、条文の根拠に立ち戻って考察していきたいと考えている。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、公共政策学専攻公共マネジメントコースにおいては「DP2」「DP4」に関連している。ディプロマポリシーのうち、公共政策学専攻政策研究コースにおいては「DP1」「DP2」「DP3」「DP4」に関連、特に「DP3」は特に強く関連している。サステイナビリティ学専攻においては、ディプロマポリシーのうち、「DP2」「DP4」に関連している。
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
①本講義においては、立法過程の諸段階の分析にとどまらず、立法作業の際に依拠すべき「立法事実」、規制立法を設計する上での行政手法の選択、実際の立法作業の現場における思考などにも立ち入りたい。
②授業は、講義を中心とするが、必要に応じて、参加者の調査と発表、ディスカッションを組み合わせて行う。
③本講義の最大の特徴は、最後の2回に行う立法演習である。講義において会得した発送方法、ツールを用いて、与えられた課題に対し、合理的な法制度設計を行い、自分が設計した法制度について報告し、討議を行う。これに対する講評が学生へのフィードバックの位置付けになる。
※本講義は、原則として対面で実施する。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
春学期前半
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
1-2:立法学総論~立法学とは
1.序論~立法学とは
2.現代立法の状況と特質~我が国の法体系、法令の数、戦後日本の立法動向など
3-4:立法過程論①~国会提出前の企画立案段階
1.内閣による法案提出プロセス
2.政党内の意思決定システム
3.議員立法のプロセスの特徴
4.民主党政権下における立法過程の変容~ウエストミンスター・モデルとの比較
5-6:立法過程論②~国会審議段階
1.国会審議過程の現状と課題
2.内閣提出法案・議員提出法案それぞれの役割と課題
3.ねじれ国会下における立法傾向
4.ねじれ国会を経験して、ねじれ解消後に何が起きたか
7-10:法律とは何か~法律の一般性と抽象性
1.「法律」とは何か
2.現実の法律の傾向~個別特例法の増加など
3.「法律事項」とは何か
11-12:政策目的の設定と目的達成手段の選択
立法を行う上で重要となる政策目的の設定と目的達成手段の選択について検討する。
13-14:立法演習
提示した事例について制度設計を行う(演習形式)。
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
事前配付資料又は文献を読むこと。
テキスト(教科書)Textbooks
講義録を配付する予定である。
参考書References
大森政輔・鎌田薫編『立法学講義(補遺)』商事法務(2011年)
成績評価の方法と基準Grading criteria
平常点30%・立法演習40%・報告30%。
立法演習は、演習に参加した上で、自分の成果物の発表・他の学生との議論を評価する。自らの設計した法制度の合理性をいかに説得力をもって発表できるか、自らの成果物を踏まえて他の学生の成果物に対する批判や評価を合理的に行うことができるかが評価のポイントである(「授業の到達目標」の2点目)。本講義の成績評価に当たり、立法演習への参加は必須である。
なお、随時、指定した課題について事前に検討し、講義において報告する機会を設ける(「授業の到達目標」の3点目)。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
該当なし
その他の重要事項Others
コンパクトなものでよいので六法を持参することが望ましい。
担当教員の専門分野等
<専門領域>立法学
<研究テーマ>立法過程論・自治体政策法務論・条例論
<主要研究業績>
①「法律と条例の関係における『比例原則』『合理性の基準』『立法事実』」(自治研究2009年8月・第一法規)
②「『政策法務』試論~自治体と国のパララックス(1)(2)」(自治研究2009年2月・3月・第一法規)
③「地方議会の立法機関性―議会による立法事実の構築・審査の視点から」北村喜宣ほか編集『鈴木庸夫先生古稀記念・自治体政策法務の理論と課題別実践』第一法規(2017年)
④「基本法と基本条例」自治実務セミナー2018年3月号