市ヶ谷リベラルアーツセンター(ILAC)ILAC Course
ART300LA(芸術学 / Art studies 300)ドイツ語圏の芸術AGerman Art A
林 志津江Shizue HAYASHI
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 市ヶ谷リベラルアーツセンター(ILAC)ILAC Course |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2021 |
授業コードClass code | Q6433 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 春学期授業/Spring |
曜日・時限Day/Period | 金3/Fri.3 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | |
配当年次Grade | |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | 法文営国環キ2~4年※定員制 |
他学部公開科目Open Program | ○ |
他学部公開(履修条件等)Open Program (Notes) | |
グローバル・オープン科目Global Open Program | |
成績優秀者の他学部科目履修制度対象Interdepartmental class taking system for Academic Achievers | ○ |
成績優秀者の他学部科目履修(履修条件等)Interdepartmental class taking system for Academic Achievers (Notes) | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
SDGsCPSDGs CP | |
アーバンデザインCPUrban Design CP | |
ダイバーシティCPDiversity CP | |
未来教室CPLearning for the Future CP | |
カーボンニュートラルCPCarbon Neutral CP | |
千代田コンソ単位互換提供(他大学向け)Chiyoda Campus Consortium | |
選択・必修Optional/Compulsory | |
カテゴリー(2017年度以降)Category (2018~) |
2017年度以降入学者 ILAC科目 300番台 総合科目 総合科目 |
カテゴリー(2016年度以前)Category (2017) |
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Outline (in English)
This course introduces art scene in German speaking areas and countries from the Renaissance to the end of 19. century: It deals with mainly fine arts (including architecture and handcrafts-design) and music. In the course, we also focus on "Deutsche(German)" or "deutsch(german-like)" as concepts that we might to feel got understand but actually could hardly understand without reflection. Our works in this course would lead us also reconsideration about general ideas or way of categorical thinking like "Japanese" "Japan" or "like Japanese".
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
「ドイツ語圏の芸術」と聞いて何が思い浮かびますか。「ドイツ語圏」っぽい芸術って一体どんな芸術なんでしょうね、ってそもそも「ドイツ語圏」ってどこでしたっけ?
18世紀から19世紀にかけて、中部ヨーロッパ(当時のドイツ、オーストリアとその周辺)には、「ドイツっぽい(deutsch)」や「ドイツ人(Deutsche)」の正体を、他でもない芸術を通じて追究しようとする人々が現われました。この授業では、秋学期開講の「ドイツ語圏の芸術B」と併せて、近代ドイツ語圏の造形芸術(建築、デザイン)、音楽を概観することで、「ドイツ語圏の芸術」とカテゴライズされうるもののさまざまな内実に迫ります。願わくばこの授業が、みなさんの一生の友となりうる魅力的な創造力との出会いとなりますように。
到達目標Goal
第一の目標は、近代のドイツ語圏(ドイツ、オーストリア、スイスを中心とする)の文化・芸術に関する理解を深め、概念を通じた知識を習得するとともに、芸術・文化一般に対する知的なアプローチの仕方を学ぶことです。「芸術=天才・エキセントリックなもの」という今日の世間一般に流布するイメージの成立には、19世紀の欧州、とりわけドイツ語圏の芸術が決定的に影響したと言っても過言ではありません。
二つめの目標は、造形芸術や音楽の形式分析を通じ、抽象的な議論に慣れることです。芸術を知的に理解し楽しめる能力は、わたしたちの人生を楽しく豊かに彩るだけではなく、21世紀の「グローバルな人」に求められる資質です。
三つめの目標は、「ドイツっぽい」というナショナルな表象(とそれに対する抵抗)を概観することで、アイデンティティの実体や困難について思考することです。「ドイツっぽい」の不確かさと同程度には、「日本ならでは…」という言い方もあやしいものかもしれません。当たり前を疑うことの面白さを、ドイツ語圏の芸術の話題を通じて楽しく味わうとともに、その価値について自ら考えてみて欲しいと思います。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
各学部のディプロマ・ポリシーのうち、以下に関連している。法学部・法律学科:DP3・DP4、法学部・政治学科:DP1、法学部・国際政治学科:DP1、文学部:DP1、経営学部:DP1、国際文化学部:DP1、人間環境学部:DP2、キャリアデザイン学部:DP1
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
造形芸術、舞台芸術、建築、デザイン、音楽などの諸芸術のうち、今学期は18世紀末〜20世紀初頭の音楽と造形芸術を時系列に沿って扱います。個別の作品分析とともに、作り手(芸術家)や時代背景、作品受容とその影響について確認する作業が中心です。
・各回、基本的に担当者による解説やテクストの講読を中心とする講義形式で行いますが、適宜ペアワーク、グループワークによる議論の時間を設け、「ここまでの内容・解説についてどう理解しどう思ったか」を授業参加者同士でお互いに確かめ、理解を深められる機会とします。各回の議論でなされたコメントには即時相互のフィードバックが得られます。
・法政大学の2021年度授業方針に従い、「対面授業」で行います。初回授業はハイフレックス型(対面+リアルタイム型オンライン授業)となる可能性が高いです。
・各回授業後には提出課題(小レポート)を書き提出してもらいます。
・Hoppiiのほか、ZoomとGoogle Classroomをツールとして使用します。
・授業内で行われたアウトプットに対しては授業の場でコメントします。提出物のフィードバックは適宜全体に向けて行います。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回:導入
この授業について(オリエンテーション)、「ドイツ語圏」ってどこ?
第2回:ルネサンスから北方ルネサンスへ ― アルプス山脈を超えてみました
デューラー『野うさぎ』(1502年)、『メランコリアI』(1514年)ほか
第3回:仕事が欲しい音楽家 ―「音楽の国ドイツ」の誕生?!
モーツァルト『弦楽四重奏曲第1番ト長調K.80(73f)「ローディ」』(1770-1773年)ほか
第4回:ドイツ語で歌うオペラを作りたい ― 言語と芸術の優劣?
モーツァルト『後宮からの誘拐』(1782年)『ドン・ジョヴァンニ』(1787年)『魔笛』(1791年)
第5回:ナポレオン後の世界と1824年の衝撃 ― 真理を「聴く」ための交響曲
ベートーヴェン『交響曲第五番ハ短調作品67「運命」』(1808年)『交響曲第九番ニ短調作品125「合唱付」』(1824年)
第6回:若者たちの憂い ― 「ドイツリート」の誕生
シューベルト『糸を紡ぐグレートヒェン』(1814年)とゲーテ『ファウスト(悲劇第一部)』(1808年)
第7回:反動と啓蒙の時代 ― 合唱と「ドイツ」を讃える歌
「フィルハーモニー」の誕生、「ジング・アカデミー」とゲーテ『ヴィルヘルム・マイスターの遍歴時代』(1829年)
第8回:「国歌」を歌ってみたい? ― 「ドイツ人としての誇り」
ハイドン『弦楽四重奏曲第77番ハ長調「皇帝」』/「神よ、皇帝フランツを守り給え」(1797年)/H. v._ファーラースレーベン「ドイツの歌」(1841年)
第9回:歴史を伝える絵画 ― 都市化するベルリンとドイツ帝国の誕生
メンツェル『ベルリン〜ポツダム鉄道』(1947年)『サンスーシ宮殿でのフリードリヒ大王のフルートコンサート』(1850年)『鉄圧延機工場』(1872-1875年)
第10回:戦うオーストリア ― ヴィーンのワルツ・ビジネス
J. シュトラウスとその息子との確執、J. シュトラウス2世『青き美しきドナウ』(1867年)『ウィーン気質』(1873年)ほか
第11回:終わりの始まり ― 権威への思慕と反動のせめぎ合い
ヴィーン工房とヴィーン分離派(O. ヴァーグナー、J・ホフマンなど)
第12回:オワコンなブルジョワの本音 ― ヴィーン世紀末の光と影
クリムト『アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像』(1907年)ほか
第13回:「新たな時代の生き方」 ― 「ブリュッケ」(表現主義)
O. ミュラー『水浴する風景』(1906年)、キルヒナー『ノレンドルフ広場』(1912年)『ポツダム広場』(1914年)
第14回:まとめ
今学期のまとめ
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
・授業資料に再度目を通すこと。
・資料に記載の参考文献を読んだり、扱われた作品のカタログを見る、音楽を聴くなどできればなお良いです。
・コンサート・ライブや観劇、展覧会訪問などの体験は素晴らしいことです。2020年以降オンラインの催しは劇的に増え、無料配信のものも数多くあります。「コロナ」ゆえの様々な変化をうまく楽しんでもらえたらと思います。
テキスト(教科書)Textbooks
各回資料を配布します。
参考書References
宮田眞治ほか編著『ドイツ文化55のキーワード』(ミネルヴァ書房、2015年)
石多正男『歌曲と絵画で学ぶドイツ文化史 中世・ルネサンスから現代まで』(慶応義塾大学出版会、2014年)
神林恒道編『ドイツ表現主義の世界 美術と音楽をめぐって』(法律文化社、1995年)
その他、適宜授業内に指示します。
成績評価の方法と基準Grading criteria
・授業への積極的な参加と議論への貢献(30%)
・授業後の提出課題(40%)
・学期末レポート(30%)
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
学生からは逐次ヒアリングを行い、相互の意志の疎通に努めます。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
ハイフレックス型の授業となる可能性が高いです。
・WiFiが利用可能なデジタルガジェット(PCないしスマートフォン、タブレット)
・イヤホン(ヘッドセット/ヘッドフォンマイク)
その他の重要事項Others
・ドイツ語の知識(ドイツ語学習歴)の有無は問いません。ドイツ語のテクストを用いる場合は日本語訳を用意します。
・扱われる作品や順序は変更される場合があります。
・ハイフレックス型授業が必要な状況で、かつ機能しない場合はまた手段を考えます。随時メールとLMS (Hoppii、Google Classroom)を確認するようにしてください。