経営学部Faculty of Business Administration
MAN200FA(経営学 / Management 200)社会貢献活動と企業Social Contribution Activities and Corporations
福田 淳児、小池 祐二Junji FUKUDA, Yuuji KOIKE
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 経営学部Faculty of Business Administration |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2021 |
授業コードClass code | A5406 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 秋学期授業/Fall |
曜日・時限Day/Period | 木5/Thu.5 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | |
配当年次Grade | 2~4 |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
他学部公開科目Open Program | |
他学部公開(履修条件等)Open Program (Notes) | |
グローバル・オープン科目Global Open Program | |
成績優秀者の他学部科目履修制度対象Interdepartmental class taking system for Academic Achievers | |
成績優秀者の他学部科目履修(履修条件等)Interdepartmental class taking system for Academic Achievers (Notes) | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
SDGsCPSDGs CP | |
アーバンデザインCPUrban Design CP | |
ダイバーシティCPDiversity CP | |
未来教室CPLearning for the Future CP | |
カーボンニュートラルCPCarbon Neutral CP | |
千代田コンソ単位互換提供(他大学向け)Chiyoda Campus Consortium | |
入学年度Admission year | |
カテゴリー(2019年度以降)Category (2019~) | 特殊講義 |
カテゴリー(2018年度以前)Category (~2018) |
選択 特殊講義 |
すべて開くShow all
すべて閉じるHide All
Outline (in English)
Companies, governments, and individuals contribute to attaining the Sustainable Development Goals (SDGs) agreed upon at the UN Summit in 2015. In this class, we will study the theoretical and practical aspects of corporate efforts to achieve the SDGs goals. Particularly, we shall invite various guest speakers, including business managers and entrepreneurs who aspire to contribute to society and solve social issues, to talk about their efforts. They will discuss how corporate management and innovation should be from the perspective of addressing the SDGs. We shall also clarify the historical background of the emergence of the SDGs and their relationship with corporate social responsibility (CSR) and creating shared value (CSV). Based on this basic knowledge, we will consider the meaning and role of corporate efforts toward the SDGs goals in managing modern small and medium-sized enterprises and large corporations. In this lecture, we shall use case studies of companies that make social contributions in various fields, with participants from each company. These fields include disparity and poverty , environmental measures and sustainability, diversity initiatives, and food loss prevention in Japan.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
2015年に国連サミットで合意された持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals,以下SDGsと略す)への取り組みにおいて,政府,非営利組織や個人の取り組みと並んで,企業による貢献も重要です。この授業では,企業によるSDGsの諸目標に向けた取り組みについて,理論的な側面と実務的な側面から取り扱います。特に,この授業では、社会貢献や社会的課題解決を志す経営者や起業家など、多彩なゲストスピーカーを迎えて、その取り組みについてお話をいただきます。SDGsの諸目標への取り組みの観点から、企業経営のあり方やイノベーションについて議論していきます。また,SDGs登場の歴史的な背景,企業の社会的責任(Corporate Social Responsibility:以下CSRと略す )や共通価値の創造(Creating Shared Value:以下CSVと略す)の議論との関係なども明らかにしていきます。そうした基礎知識をもとに、現代の中小企業や大企業経営におけるSDGsの諸目標への企業の取り組みの意味や役割など考えます。この講義では、さまざまな分野で社会貢献に取り組む企業について、それぞれの会社の当事者にお越し頂いて事例を学習していきます。その分野とは、日本における格差と貧困問題、環境対策や持続可能性への対応、ダイバーシティへの取り組み、食品ロス対策などです。
到達目標Goal
1.SDGsの登場の歴史的な背景,およびCSRやCSVといった議論との関係について学びます。
2.世界における企業のSDGsの諸目標に向けた取り組み,およびそれらの取り組みに向けた組織の課題を学びます。
3.現代の日本企業によるSDGsの諸目標への取り組みの背景や考え方また社会的課題への対応を知り、未来における企業経営のありかたを考える素養を身につけます。
4.企業が、SDGsの諸目標への貢献に向けて、どのような製品開発を行い、ソリューションを探索し、イノベーションを起こしてきたか、について理解する論理的思考力を身につけます。
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
授業は対面方式で行う。ただし,ゲストをお招きをする回については,ゲストの方の都合により,zoomでのオンライン授業等となることもある。
全14回のうち5回は<講義>であり、配布資料やテキストの読解を中心として講義を進めます。7回の授業は<ケース>として、社会貢献に力を入れる企業経営者などゲストスピーカーをお招きして、それぞれの取り組みについて講演をしていただきます。講演内容から企業の社会貢献の実際を知り、この授業で学ぶべき事柄を総合的に理解していきます。13/14回の授業では授業内容を踏まえ皆さんに提示した課題に基づいてプレゼンテーションを行ってもらいます。また,講義の回で課題として提出してもらったレポートについては,次の講義の回でそのいくつかを紹介し,意見交換を行います。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
Ⅱ 秋学期
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回:イントロダクション
【授業の概要と目的(何を学ぶか)】【到達目標】【授業の進め方と方法】の説明。授業構成と成績評価方法の説明。授業内でスマホやPCを使い、一部上場企業のHPなどを参考にして、企業が行っている社会貢献活動はどのようなものかを調べるグループワークを行う。この作業を通じて企業の社会貢献という、この授業の主題、問題意識について認識し、専門用語を学習する。
第2回:<講義>SDGsの登場とその背景
SDGs登場の背景を歴史的な観点,特に企業の活動を中心に跡づける。また,企業家の経営思想の変遷を捉え、フィランソロピーにとどまらず、企業の社会貢献活動が強調されるようになった理由を考える。さらに,SDGsへの取り組みを行う上での企業のマネジメント上の課題についても考察しよう。
第3回:<ケース>環境問題
株式会社チャレナジーからゲストに迎えてお話を伺う。チャレナジーは垂直軸型マグナス風力発電機の開発を行っている企業である。一般的な大きなプロペラを持つ風力発電装置は、強風には耐えられず発電を止める必要があるが、チャレナジーの風力発電機は台風のような強風時にこそ威力を発揮する、持続的なエネルギー確保をめざす装置である。また、離島環境や海上への発電機の設置により、発電と水素エネルギー利用のサイクルの可能性について、お話をいただく。当日は、沖縄ないしはフィリピンから、オンラインでお話をいただく予定である。
第4回:<ケース>資源循環
緑産株式会社は、生物資源の循環をベースにした「農業機械システム」、「地域社会の環境保全機器」、「緑地の造成管理機械」、「生物資源エネルギー」開発を主な活動領域としている企業である。最新の灌漑システム、高収益酪農をめざす高度家畜処理システム、家畜糞尿、食品残渣、選定枝、苅草などの生物系廃棄物のコンポスト化システム、未利用木質資源の木質バイオマス化システムなどの先進的機器とエンジニアリングの提供によって、持続可能な社会の実現を目指している。
第5回:<講義>SDGs、SRI、ESG投資
SDGsと社会的責任投資(Socially Responsible Investment:以下SRIと略す)、ESG(Environ- mental、Social、Corporate Governance)投資などについて、国連が定めたアジェンダや民間による認証制度であるISO26000、ISO20400などを紹介しつつ、現代の企業経営に求められているものは何かを富士フィルムグループやオムロンなどの事例をもとに考える。
第6回:<ケース>環境保護とサプライチェーン
注文住宅大手の三井ホームにご協力をいただき、大手企業のCSR戦略について、お話を伺う。大手企業のCSRに対する考え方や、木造住宅の環境性能、注文住宅ならではの顧客満足、住宅先決を通じての街づくり、木材調達先における環境保護と人材育成などに関するお話をしていただく。
第7回:<ケース>ダイバーシティへの寄与
企業における男女の雇用またその後の昇進に関わる問題について,管理職に就いた方の立場からお話をいただきます。
第8回:<講義>ソーシャル・ビジネスとBOP市場の開拓、ソーシャル・マーケティング
途上国の経済発展の進める手法としてのビジネスを考える。ノーベル賞受賞者であるユヌスが展開するグラミン銀行グループ(マイクロクレジットなど)の事例を通じて、ソーシャル・ビジネスの実際と有効性について考える。また,世界の最貧困層ともいえるBOP(Bottom of the Pyramid:経済ピラミッドの底辺層)を新しい市場として考え、その市場をイノベーションによって貧困から脱却させようとする企業戦略と、それに関係するマーケティング手法としてのソーシャル・マーケティングについて,住友化学やオリンパスの事例を通じて考える。
第9回:<ケース>従業員教育
埼玉を本拠に、東京や栃木などで、無添加の100円パンの製造と販売を行っているアクアベーカリーの徳永奈美社長にご協力をいただき、チェーンでありながら個店主義を貫くという、通常のチェーンストア理論とは全く逆のノウハウを開発して成功を収めている「逆転の発想」と、アルバイトやパートを含めた従業員教育や、それを通じての強力なモチベーションづくりの秘訣を語っていただく。徳永氏は法政大学大学院イノベーション・マネジメント研究科でマーケティングの研究をされた。
第10回:<ケース>社会変革のためのイノベーション
QRコードの発明者である、株式会社デンソーウェーブの原昌宏氏から、お話を伺う。今では、日常生活の中に、あたりまえのように普及しているQRコードであるが、その開発にはどのようなご苦労があったのかや、これまで、どのようにQRコードが社会の姿を変えてきたか、また、この先、どのように社会を変えていく可能性を持っているのかについて語っていただく。原氏は法政大学工学部(現理工学部)OBである。
第11回:<講義>メセナ、CSR、CSV
企業の社会貢献活動の形態として知られているメセナ(Mécénat:企業による文化・芸術活動の支援)やCSRについて、小林一三の思想やサントリー、シーメンスなどの事例を参考にして、その考え方を理解する。また、それらに対する日欧の考え方の違いを理解する。続いて、ハーバード・ビジネススクールのマイケル・ポーター教授が新しい競争優位の戦略として提起したCSVについて、ナイキ、ネスレ、ファーストリテイリングなどの事例を参考にして理解し、これからの企業経営のあり方を展望する。
第12回:<ケース>起業支援
株式会社浜野製作所CEOの浜野慶一氏をお迎えして、お話を伺う。浜野製作所は墨田区の金属加工の町工場であるが、一方で、ものづくりを通じて社会の課題解決をめざす若者のベンチャー企業のスタートアップ支援や技術コンサルティングを事業化し、現在、成長を続けている幾つもの企業や企業経営者を育てている。その異色の経営と事業は海外でも広く知られ、浜野製作所には、国内はもちろん、アメリカのビジネススクールなどの視察も絶えない。
第13回:プレゼンテーション
授業内に提示された課題について,受講者が自分で調査を行い,プレゼンテーションを行う。
第14回:プレゼンテーションとまとめ
受講者によるプレゼンテーションの続きと,これまでの講義とゲストスピーカーの皆さんのお話をもとに、企業の社会貢献のあり方や、これからの社会における企業の役割について、まとめをおこなう。また、授業の後半部分で授業内試験を行う。
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
授業時間外の学習としては、各時限ごとの予習に2時間、復習に2時間を標準とします。予習としては課題となる論文や図書、資料を読む作業が必要となります。復習としては、<講義>や<ケース>の内容を自分自身のノートにまとめ直す作業が必要となります。ゲスト講師をお呼びする前には、その企業についてウェブサイトを調べる作業を行う必要があります。参考文献の指定箇所を読み、ノートにまとめることが必要です。その他、授業前に必用な学習内容や授業後の課題などを、学習支援システム(H’etude)で提示するので、授業前後に確認する必要があります。
テキスト(教科書)Textbooks
・洞口治夫・小池祐二編著『集中講義 高校生の経営学-経営学部の受験を迷っている人に-』文眞堂、2018。
・上記のほかに必要な資料は授業内で指示します。また、学習支援システム(H’etude)を資料配布に利用する場合があります。
参考書References
適宜、授業中に紹介するが、以下のものは、簡便で参考になる。
・コトラー他『コトラーのマーケティング3・0―ソーシャル・メディア時代の新法則』朝日新聞出版、2010。
・ユヌス『3つのゼロの世界 貧困0・失業0・CO₂排出0の新たな経済』早川書房、2018。
・名和高司『CSV経営戦略―本業での高収益と、社会の課題を同時に解決する』東洋経済新報社、2015。
・事業構想研究所・白田範史編『SDGsの基礎』事業構想大学大学院大学出版部、2018。
成績評価の方法と基準Grading criteria
授業は大きく教員による講義の回とゲストスピーカーをお招きしたケースの回に分けられる。
講義の回:授業内容のレポート作成またグループワークへの参加(3%×5回)
ケースの回:質問や議論への参加などの貢献(3%×6回)
13回,14回の授業で行うプレゼンテーションの評価27%
期末レポート40%
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
昨年度の授業の受講生から以下のような意見をもらっています。①教員二人が授業を行うので,広い知識の獲得・吸収に役立った。②授業で集中した指導を受けることができた。③ゲストとしてお招きした企業の方との間で活発な議論が行うことができた。本年度は、授業担当者が一部異なるが,これらの点に留意して授業を行いたい。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
授業支援システム(H’etude)への登録をして、その利用ができるPCまたはスマホを持参すること。
その他の重要事項Others
<講義>および<ケース>の日程はゲストとしてお招きする方の予定によって変更になる可能性があります。ゲストスピーカーのお話に関する課題を提示するので、毎回、遅刻しないように出席すること。また、講義や質疑応答の内容をしっかりとノートにとり、学んだ事柄を記録すること。
関連科目
経営戦略論、マーケティング論、人的資源管理論、国際経営論、国際経営戦略論、産業史。ただし、これらの科目を履修済みである必要はない。