社会学研究科Graduate School of Sociology
SOC500E1－1205（社会学 / Sociology 500）社会学特殊研究１（変化／不変化の社会学）Special Study in Sociology 1
堀川 三郎
授業コードなどClass code etc
| 学部・研究科Faculty/Graduate school | 社会学研究科Graduate School of Sociology |
| 添付ファイル名Attached documents | |
| 年度Year | 2021 |
| 授業コードClass code | X6008 |
| 旧授業コードPrevious Class code | |
| 旧科目名Previous Class title | |
| 開講時期Term | 春学期授業/Spring |
| 曜日・時限Day/Period | 水1/Wed.1 |
| 科目種別Class Type | |
| キャンパスCampus | 多摩 |
| 教室名称Classroom name | |
| 配当年次Grade | |
| 単位数Credit(s) | 2 |
| 備考（履修条件等）Notes | |
| 実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience |
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Outline (in English)
Since its founding, sociology has described social change through formulaic expressions such as “from A to B” or in terms of “-cations” and “-zations”. Ferdinand Tönnies’ “from Gemeinschaft to Gesellschaft” and Max Weber’s “Disenchantment (Entzauberung)” are two well-known examples. At the heart of this formulaic understanding is understanding change. The words “change” and “transformation” may be interchangeable, but in any case, what is important here is that this method of understanding considers change as a natural process, and sociology’s major concern was to create insight as to where that change might lead.
In this course, however, we do not accept change as inevitable and will expand our horizons to that of “unchanging”, or not changing. To put it differently, not only do we examine how change should be interpreted in accordance with the intellectual traditions of sociology, but we also attempt to understand the ways in which changes occur, the control processes involved, and finally, what we refer to as “un/change.” Specifically, once we conduct a close reading of the literature from the perspective of un/change for a shared foundation for argumentation, students will bring materials for their research topics to class, where we will investigate how they can be discussed in terms of un/change, ever conscious of methodological expansion during our investigations. While it depends on the number of students, materials for research can be drafts of students’ master’s theses, doctoral dissertations, academic conference presentations, or articles for publishing. This course is intended to help students complete and refine their work. The instructor’s expertise lies in cities, communities, and the environment and expects graduate students with similar interests to join but welcomes students from other areas as well. The instructor wishes that students “use” this class to complete their theses and dissertations.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的（何を学ぶか）Outline and objectives
社会学はその創始から，社会の変化を「AからBへ」「○○化」という図式で記述してきた。例えば「ゲマインシャフトからゲゼルシャフトへ」（テニエス）や「脱呪術化」（ウェーバー）が有名である。こうした図式的理解の根幹は，「変化の把握」である。「変化」を「変動」と言い換えてもよいが，いずれにせよここで重要なことは，こうした把握方法では変化することは当然のことと見なされ，それがどこへ向かうのかその見通しを立てることこそが主要な関心であった，ということだ。
しかし，この授業では変化することを自明視せず，「変化しないこと」へと視野を拡大していこうと思う。換言すれば，社会学の知的伝統に則って「変化をどのようにとらえるか」を検討するのみならず，その変化の仕方や変化の制御過程，さらには「変化しないもの」をも把握しようと試みる。具体的には，いくつかの文献を「変化／不変化」という観点から精読して議論の土台を共有してから，受講者それぞれの研究テーマ・素材を持ち寄り，変化／不変化をいかに語りうるのか，方法的拡張を意識しながら検討を加えていくことにする。人数にもよるが，持ち寄る素材は，受講者の修士論文，博士論文，学会報告，投稿論文などの草稿で構わない。それらの完成・洗練化に役立つような授業にしていくつもりである。担当教員の専門から，都市や地域，環境に関心を寄せる院生の参加を期待しているが，それ以外の領域でも受講を歓迎する。自らの論文完成のために，本授業をおおいに「利用」して欲しい。
到達目標Goal
自らの研究テーマを，「AからBへ」「○○化」という図式で記述し，具体的なデータに基づいて議論を展開できる能力の涵養を目指す。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか（該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連）Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「DP3」に関連
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)（学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. ）
テキストの講読，院生による研究報告，全員での討論，などで構成する。受講者と相談して授業形態を決めたいが，原則として対面形式で実施する。受講者の意向があればオンラインでの参加も認める。したがって第１回の授業はオンラインを併用して実施する。オンラインでのアクセス方法は、学習支援システムの「授業情報」を通して連絡する。
アクティブラーニング（グループディスカッション、ディベート等）の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク（学外での実習等）の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
秋学期
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回：イントロダクション
授業への導入
第2回：文献講読［１］
テーマ探究のための文献講読
第3回：文献講読［２］
テーマ探究のための文献講読
第4回：文献講読［３］
テーマ探究のための文献講読
第5回：文献講読［４］
テーマ探究のための文献講読
第6回：文献講読［５］
テーマ探究のための文献講読
第7回：文献講読［６］
テーマ探究のための文献講読
第8回：文献講読［７］
テーマ探究のための文献講読
第9回：受講者のテーマ報告および討論［１］
受講者の報告を受けて，研究深化のための討論
第10回：受講者のテーマ報告および討論［２］
受講者の報告を受けて，研究深化のための討論
第11回：受講者のテーマ報告および討論［３］
受講者の報告を受けて，研究深化のための討論
第12回：受講者のテーマ報告および討論［４］
受講者の報告を受けて，研究深化のための討論
第13回：受講者のテーマ報告および討論［５］
受講者の報告を受けて，研究深化のための討論
第14回：まとめ
まとめと総括討論
授業時間外の学習（準備学習・復習・宿題等）Work to be done outside of class (preparation, etc.)
本授業の準備学習・復習時間は各2時間を標準とします。
テキスト（教科書）Textbooks
履修者と相談のうえ，決定する。
参考書References
講読文献は，受講者と相談したうえで決定するが，下記は候補文献の一部である。これに縛られず，履修者の関心領域とすり合わせながらフレキシブルに対応する予定である：
［1］堀川三郎（2018）『町並み保存運動の論理と帰結：小樽運河問題の社会学的分析』東京大学出版会.
［2］森久聡（2016）『＜鞆の浦＞の歴史保存とまちづくり：環境と記憶のローカル・ポリティクス』新曜社.
［3］Page, Max (2016) Why Preservation Matters (Why X Matters Series). New Heaven, CT: Yale University Press.
［4］水村美苗（[2008] 2015）『増補 日本語が亡びるとき：英語の世紀の中で』（ちくま文庫み-25-4）筑摩書房.
［5］藤田弘夫（2003）『都市と文明の比較社会学：環境・リスク・公共性』東京大学出版会.
［6］Holleran, Michael (1998) Boston’s “Changeful Times”: Origins of Preservation and Planning in America (Creating the North American Landscape). Baltimore, MD: Johns Hopkins University Press.
［7］Barthel, Diane (1996) Historic Preservation: Collective Memory and Historical Identity. New Brunswick, NJ: Rutgers University Press.
成績評価の方法と基準Grading criteria
討論での貢献度で評価する（100％）。人数によってはレポートを課すが，その場合の成績評価は，討論への貢献50%，レポート評価50%とする。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
定期的に院生の意見を聞きながら，運営する。
担当教員の専門分野等
＜専門領域＞環境社会学，都市社会学
＜研究テーマ＞歴史的環境保存の社会学，日米比較社会論
＜主要研究業績＞『町並み保存運動の論理と帰結：小樽運河問題の社会学的分析』（東京大学出版会，2018年），Why Place Matters (Springer, 2021年）など