政治学研究科Graduate School of Politics
POL500A3（政治学 / Politics 500）シンクタンク論Studies on Think Tank
蒔田 純
授業コードなどClass code etc
| 学部・研究科Faculty/Graduate school | 政治学研究科Graduate School of Politics |
| 添付ファイル名Attached documents | |
| 年度Year | 2021 |
| 授業コードClass code | X5068 |
| 旧授業コードPrevious Class code | |
| 旧科目名Previous Class title | |
| 開講時期Term | 秋学期集中/Intensive(Fall) |
| 曜日・時限Day/Period | 集中・その他/intensive・other courses |
| 科目種別Class Type | |
| キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
| 教室名称Classroom name | |
| 配当年次Grade | |
| 単位数Credit(s) | 2 |
| 備考（履修条件等）Notes | |
| 実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
| カテゴリーCategory |
政治学専攻 修士専門科目 |
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Outline (in English)
Examining how think-tanks play a role in the political process, based on the understandings regarding the concept meanings and concrete structures of fundamental factors about public policy including policy process, political structure, politician-bureaucrats relationship and nation-society relationship.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的（何を学ぶか）Outline and objectives
政策形成過程、統治機構、政官関係、国家－社会関係等、公共政策に関わる基礎的要素の概念的な意味と具体的な成り立ちに関する理解を踏まえ、それらにおいてシンクタンクがどのように位置づけられ、どのような役割を果たしているか、について考察する。
到達目標Goal
・海外および国内の主要なシンクタンクについて、その機能と政策形成過程における役割について把握することができる。
・政策形成過程、統治機構、政官関係、国家－社会関係等、公共政策に関わる基礎的概念を踏まえた上で、シンクタンクという視点を通して、それらの仕組みや特徴、課題等について理解することができる。
・「仮説」⇒「検証」という科学的思考の基礎を踏まえて、公共政策の文脈の中で、シンクタンクと他の諸要素との因果関係について論理的に説明することができる。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか（該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連）Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「DP1」「DP2」「DP3」に関連、特に「DP1」は特に強く関連、「DP2」「DP3」は強く関連している。
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)（学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. ）
基本的に対面授業とする。
授業前半では、「シンクタンクとは何か」「シンクタンク論を学ぶ意義とは何か」について踏まえた上で、国家－社会間関係や政策形成過程等、公共政策の概念をシンクタンクの視点から考察し、加えて、政策形成への人材供給や資金の在り方等、シンクタンクをめぐる主要な論点について検討する。これに基づき後半では、機能や母体等の観点からシンクタンクを分類した上で、海外・日本のそれぞれにおけるシンクタンクについて、その政策形成における位置づけや役割について具体的に論ずる。
特定の教科書は使用せず、毎回、レジュメを配布する。授業を行う上では、概念的な説明のみではなく、できるだけ具体的に現実における動きを踏まえた講義とすることを心掛けたい。場合によっては、実際にシンクタンクで働く方やその関係者等、各回のテーマに沿うゲストスピーカーを招聘し、実際におけるシンクタンクの働きをお話しいただく。
授業は一方的な講義ではなく、受講者による質問・意見交換を歓迎する。一つの質問を基に教室中に議論が起こるような、参加型の学習空間としたい。授業後半では受講者に何らかのプレゼンテーションを行ってもらう。
受講者には授業の最後にリアクションペーパーを提出してもらい、次回講義時に口頭にて、あるいは、講義後にメール等にて、それに対するフィードバックを行う。
アクティブラーニング（グループディスカッション、ディベート等）の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク（学外での実習等）の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
秋学期集中
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回：イントロダクション
授業内容・日程等の説明、講師の自己紹介など
第2回：シンクタンクとは
シンクタンクの定義、歴史、機能など
第3回：国家と社会
国家－社会間関係、「政策ネットワーク論」など
第4回：政策形成とシンクタンク
政策形成過程の基礎、シンクタンクから見た政策形成過程
第5回：シンクタンクの人材
リボルビングドア、政治任用など
第6回：シンクタンクの資金
フィランソロピー、501(C)3など
第7回：シンクタンクの分類
コントラクト、アカデミック、アドボカシーなど
第8回：海外のシンクタンク①
米国を中心に海外のシンクタンクについて
第9回：海外のシンクタンク②
欧州を中心に海外のシンクタンクについて
第10回：日本のシンクタンク
日本のシンクタンクについて
第11回：立法補佐機関とシンクタンク
議会の立法活動を補佐する機関としての立法補佐機関とシンクタンクの関係性について
第12回：団体とシンクタンク
利益集団・圧力団体とシンクタンクの関係性について
第13回：自治体シンクタンク
自治体が創設したシンクタンクについて
第14回：まとめ
全体のまとめと今後の展望
授業時間外の学習（準備学習・復習・宿題等）Work to be done outside of class (preparation, etc.)
本授業の準備学習・復習時間は、各2時間を標準とします。
テキスト（教科書）Textbooks
特定の教科書は使用しない。
参考書References
Alex Abella, 2009. Soldiers of Reason: The RAND Corporation and the Rise of the American Empire, Mariner Books.
船橋洋一．2019．『シンクタンクとは何か―政策起業力の時代』中央公論新社．
飯尾潤．2007.『日本の統治構造』中央公論新社．
小池洋次（編著）．2010．『政策形成』ミネルヴァ書房．
宮田智之，2017．『アメリカ政治とシンクタンク―政治運動としての政策研究機関―』東京大学出版会．
Shimizu, Mika. 2015 “Think Tanks and Policy Analysis: Meeting the Challenges of Think Tanks in Japan”, in Yukio Adachi, Sukehiro Hosono and Jun Iio eds., Policy Analysis in Japan, Policy Press at the University of Bristol, Chap.14.
Smith, James A. 1991. The Idea Brokers: Think Tanks and the Rise of the New Policy Elite, Free Press.
鈴木崇弘．2007.『日本に民主主義を起業する―自伝的シンクタンク論』第一書林．
鈴木崇弘．2011．「日本になぜ（米国型）シンクタンクが育たなかったのか？」『季刊政策・経営研究』pp.30-50.
鈴木崇弘・上野真城子．1993．『世界のシンク・タンク―「知」と「治」を結ぶ装置』サイマル出版会．
鈴木崇弘・風巻浩・中林美恵子・上野真城子・成田喜一郎. 2005.『シチズン・リテラシー―社会をよりよくするために私たちにできること』教育出版
Smith, James, 1993. The Idea Brokers: ThinkTanks And The Ruse if The New Policy Elite, Free Press.
Suzuki, Takahiro. 2015. “Policy Analysis and Policymaking by Japanese Political Parties”, in Yukio Adachi, Sukehiro Hosono and Jun Iio eds., Policy Analysis in Japan, Policy Press at the University of Bristol, Chap.11.
建林正彦・曽我謙悟・待鳥聡史，2008『比較政治制度論』有斐閣．
横江公美，2008．『アメリカのシンクタンク 第五の権力の実相』ミネルヴァ書房．
横江公美，2004．『第五の権力 アメリカのシンクタンク』文藝春秋．
Weaver, R., 2002. Think Tanks and Civil Societies: Catalysts for Ideas and Action, Routledge.
成績評価の方法と基準Grading criteria
出席・質疑・討論参加40％、レポート30％、プレゼンテーション30％
＜評価基準＞
質疑・討論参加：積極性、分析力、批判力、問題提起性等
レポート・プレゼンテーション：分析力、論理性、新規性、簡潔性等
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
基本的な政治学用語、政治学的な考え方についても適宜、解説を行う。
その他の重要事項Others
レポートの提出期限、内容等については適宜指定する。
やむを得ず授業を欠席する際は、事前あるいは事後にその理由につき連絡すること。
担当教員の専門分野等
＜専門領域＞政治過程、議会、利益団体、政治教育、政策分析
＜研究テーマ＞政治過程における民間アクターの役割、政策形成における政策ネットワークの役割、テクノロジーと政治、主権者教育の効果 など
＜主要研究業績＞
「地方議員のなり手不足問題と直接民主制型の意思決定－ブロックチェーンを用いた新たな投票システムの検討－」『季刊行政管理研究』170号、2020年、pp.38-47．
『政治をいかに教えるか―知識と行動をつなぐ主権者教育―』弘前大学出版会、2019年．
「暗号資産による政治献金「合法」解釈と今後の展開」『月刊選挙』73巻 1号、2019年、pp.15-19.
「政府－議会関係から見た行政組織編成権に関する一考察」『季刊行政管理研究』No.155, pp.29-39、2016年．
「団体形成から見る政策ネットワークの変化－医薬品ネット販売の規制緩和を事例として－」『政治社会論叢』第4号、pp.55-70、2016年．
“Chap.8, A Policy Analysis of the Japanese Diet from the Perspective of Legislative Supporting Agencies”, in Yukio Adachi, Sukehiro Hosono and Jun Iio eds., Policy Analysis in Japan, Policy Press at the University of Bristol, 2015, pp.123-138.
『立法補佐機関の制度と機能－各国比較と日本の実証分析』晃洋書房、2013年．