政治学研究科Graduate School of Politics
POL500A3(政治学 / Politics 500)NPO論1Studies on Non-Profit Organization 1
柏木 宏
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 政治学研究科Graduate School of Politics |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2021 |
授業コードClass code | X5065 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 春学期前半/Spring(1st half) |
曜日・時限Day/Period | 金6/Fri.6,金7/Fri.7 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | |
配当年次Grade | |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
カテゴリーCategory |
政治学専攻 修士専門科目 |
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Outline (in English)
Nonprofit organizations (NPOs) have two primary roles; to deal with social and community problems by providing services and to advocate these problems to solve them. By these works, NPOs take a leading role in developing civil society. NPOs in Japan were recognized in 1998 through the law promoting nonprofit activities. In the US, NPOs started more than a century ago and have developed rapidly since the 1960s. This class analyzes their significance and examines the history and current situations in the US and Japan.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
NPO(民間非営利組織)は、サービス活動の提供による社会・地域問題への対応と、社会変革に向けたアドボカシー活動の両輪によって成り立っている。これらの活動により、NPOは、市民セクターの形成・発展の中心的な役割を担うとともに、市民社会を構築するための重要なツールとして機能している。日本におけるNPOは、1998年のNPO法成立によって具体化、顕在化したといえるが、「NPOの先進国、アメリカ」では、1世紀以上前から生成し、1960年代以降、急速に発展している。本授業では、NPOに関する基本的な概念の整理、こうした日米におけるNPOの歴史的背景や意義、現状と課題などについて理解することを目的にする。
到達目標Goal
上記の授業の概要と目的を踏まえ、NPOに関する基本的な知識を幅広く獲得するとともに、コロナ禍における現状や課題を含めた理解を深めることを目標にする。
なお、政治学専攻「NPO論1」においては、ディプロマポリシーのうち、「DP1」「DP2」「DP3」に関連、特に「DP1」は特に強く関連、「DP2」「DP3」は強く関連している。公共政策学専攻「NPO論」においては、ディプロマポリシーのうち、公共政策学専攻公共マネジメントコースにおいては「DP3」に関連している。ディプロマポリシーのうち、公共政策学専攻市民社会ガバナンスコースにおいては「DP1」「DP2」「DP3」「DP4」に関連、特に「DP4」は特に強く関連している。連帯社会インスティテュート「NPO論(現状と課題)Ⅰ」においては、ディプロマポリシーのうち、「DP1」に関連している。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「DP1」「DP2」「DP3」に関連、特に「DP1」は特に強く関連、「DP2」「DP3」は強く関連している。
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
・教員による講義
各回の講義の資料は、事前にウェブにアップしておく。これを読み、講義内容のイメージをえるとともに、質問、意見などを考えておく。この予習を行っていることを前提として、授業を進めていく。毎回の講義は、原則として3分の2程度を教員からのプレゼンテーションとする。残りの時間で質疑応答を含めた議論を行い、最後にまとめをする。
・学生の発表
講義への理解度を確認するとともに、不明瞭な点を明確にするため、期間中に講義のまとめ(ふりかえり)のセッションを実施する。また、授業に関連したテーマのレポートの作成を行う。作成に先立ち、アウトラインを作成、授業で発表する。レポートは、レジュメに基づいて発表を行う。ふりかえり、アウトライン、レポートの発表の際には、教員・受講生からフィードバックを受ける。
・オフィス・アワー
講義の疑問点やふりかえり、レポートの作成に関する指導を受ける。
・授業の形式
授業は、Zoomを使用し、オンライン授業形式で行う。ZoomのID・パスコード等については、初回授業までに学習支援システム(Hoppii)に掲載する。授業開始後、新型コロナウイルスの感染状況が改善し、対面授業が可能となった場合は、対面授業に切り替える。その場合、事前通知を行い、2週間後より対面授業に切り替える。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
春学期前半
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回:オリエンテーション
本授業の進め方や評価方法などについて説明するとともに、受講生のNPOに関する知識や関心を聞き、今後の授業に反映させる。
第2回:非営利と公益の概念整理
NPOにとって最も重要といえる「非営利」と「公益」というふたつの概念を整理、理解する。
第3回:ボランティア活動とNPO
ボランティア活動とNPO活動の同質性と異質性、また関係性について検討、理解する。
第4回:NPO法の成立とその後
阪神淡路大震災後のボランティア活動の広がりと、その影響もあり1998年に成立したNPO法の背景と成立過程、法の概要を整理するとともに、同法の成立後のNPOの発展や税制優遇制度の導入など、同法に関連した重要な動きやコロナ禍にNPOが直面した課題などを概観する。
第5回:世界のNPO
ジョンズ・ホプキンス大学の調査をベースに、世界のNPOを概観する
第6回:アメリカのNPO
世界最大のNPOセクターをもつアメリカで、NPOがどのように発展し、制度が築かれてきたのかについて考える。そのうえで、コロナ禍を含めたアメリカのNPOセクターの現状について最新のデータを用いて把握するとともに、課題についても検討する。
第7回:授業のふりかえり
第2回から6回までの授業で興味を持った点と分かりにくかった点を事前に提出させ、それらの内容を議論、検討し、授業内容の深化をはかる。
第8回:レポートのアウトラインの発表
最終回に発表を行うレポートのアウトラインを示し、フィードバックを受ける。
第9回:NPOのサービス活動
NPOのサービス活動とアドボカシー活動が、どのように関連して展開され、NPOのサービスの充実や社会課題に関する政策の形成に寄与しているのか、理論的に検討する。
第10回:NPOのアドボカシー活動
日本とアメリカにおけるNPOのサービス活動とアドボカシー活動について、その
実態について事例を含め、検討、理解する。
第11回:NPOの協働に関する理論の検討
NPOと行政・企業の関係の理論的な枠組みを検討する。
第12回:NPO協働に関する事例研究
日米においてNPOと行政・企業の間で、どのように協働が展開されているのか、事例を含め、検討する。
第13回:授業のふりかえり
第9回から12回までの授業で興味を持った点と分かりにくかった点を事前に提出させ、それらの内容を議論、検討し、授業内容の深化をはかる。
第14回:レポートの発表
授業に関連したテーマで作成したレポートを発表し、教員と院生からのフィードバックを受けるとともに、NPOの社会的役割や現状、課題などについて、議論する。
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
・講義に関する学習
事前にウェブにアップされた授業資料を読み、授業内容のイメージをえるとともに、質問、意見などを考えておく。この予習に加え、復習として、講義のメモや授業中の質問、回答、議論などについて、毎回、簡単に整理しておく。
・発表に関する学習
授業期間中に2回ふりかえりを提出する。さらに、レポートに関して、アウトラインとレポート(発表用レジュメと本文)を期限(オリエンテーションで提示)までに提出する。なお、これらの学習時間については、予習・復習が各回30分程度、ふりかえりの作成が1回につき1時間(2回なので2時間)、レポートのアウトラインは2時間、レポートの作成(発表用レジュメと本文)は10時間程度を要する。
テキスト(教科書)Textbooks
特定のテキストは定めない。授業中に配布する資料を用いて、授業を行う。
参考書References
柏木宏共編著『コロナ禍における日米のNPO』明石書店、2020年。
その他、受講生の希望と必要に応じて、随時、紹介する。
成績評価の方法と基準Grading criteria
配分:平常点(授業中の議論への参加度など)50%、「ふりかえり」とレポート50%。
レポートの評価基準:授業内容との関連性、学術性、創意工夫、表記、論旨。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
特になし。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
オンライン授業に必要なPCやWi-Fi設備などを用意したうえで、学習支援視システム利用できる環境の準備が必要。
その他の重要事項Others
特になし。
担当教員の専門分野等
<専門領域>
NPO論、NPOマネジメント
<研究テーマ>
日米のNPO、社会運動
<主要研究業績>
・『アメリカの外国人労働者』明石書店、1991年
・『企業経営と人権』解放出版社、1993年
・『アメリカのなかの日本企業』日本評論社、1994年
・『災害ボランティアとNPO』共編著、朝日新聞社、1995年
・『ボランティア活動を考える』岩波書店、1996年
・『NPOインターンシップの魅力』共編著、アルク、1998年
・『アメリカの労働運動の挑戦』労働大学、1999年
・『NPOマネジメントハンドブック』明石書店、2004年
・『指定管理者制度とNPO』明石書店、2007年
・『NPOと政治』明石書店、2008年
・『創造都市経済と都市地域再生』共著、大阪公立大学共同出版会、2011年
・『みんなで考える広域複合災害』共著、大阪公立大学共同出版会、2013年
・『高齢者が動けば社会が変わる』共著、ミネルヴァ書房、2017年
・『未来を切り拓く女性たちのNPO活動』共著、明石書店、2019年
・『コロナ禍における日米のNPO』共編著、明石書店、2020年