政治学研究科Graduate School of Politics
POL500A3(政治学 / Politics 500)公共哲学研究2Public Philosophy 2
渕元 初姫
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 政治学研究科Graduate School of Politics |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2021 |
授業コードClass code | X5018 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 秋学期後半/Fall(2nd half) |
曜日・時限Day/Period | 火6/Tue.6,火7/Tue.7 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | |
配当年次Grade | |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
カテゴリーCategory |
政治学専攻 修士専門科目 |
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Outline (in English)
The course draws upon the developing international literature on public philosophy from Western Europe and North America. Reading materials will be selected in agreement with participants.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
公共政策研究科の「公共哲学研究」と政治学研究科の「公共哲学研究2」とを合併開講する。政策論の理論的な基礎をなす考え方を培うことを目指して設置されている科目である。
「公共」ほかいくつかの基礎的概念について、その原理的な内容、歴史、背景となっている社会構造や政策的方向性などについて、一定の理解を獲得するために、若干の基礎的な理論枠組を講義形式で確認した上で、主として文献講読を行う。
到達目標Goal
目前の政策研究の対象としては近年「新しい公共」という政策用語が流行しているが、より広い原理的な見地から「公共」というものを発想できるようにしたい。そのために、基本的理解を助ける講義を行うほか、やや難解と思われる文献を講読するので、これの各章の内容をおおむね理解できるようにすること。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「DP1」「DP2」「DP3」に関連、特に「DP1」は特に強く関連、「DP2」「DP3」は強く関連している。
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
やや難解と思われる文献の講読を行なうが、どの文献を選択するかは、受講者のニーズを考慮して決めるのが適切であると考える。そこで、以下の授業計画では、仮に文献として、ロバート・パットナムの『哲学する民主主義:伝統と改革の市民的構造』を取り上げるとした場合の予定を記入している。文献講読の進め方をイメージする上で参考にしていただきたい。受講者の希望に応じて文献を変更する場合、下記の授業計画は全く異なった進行になる。
原則として授業では、受講者がそれぞれ章ごとにレジュメを作成し、各授業ではその報告に基づいて文献の検討を行う。報告に対しては、授業中に参加者全員による質疑・議論を行い、講評を行うことによってフィードバックする。
授業方式は原則として対面授業とする。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
秋学期後半
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回:導入的講義
現代日本の「公共」言説の特徴の確認を行う。
第2回:文献講読:ロバート・パットナム『哲学する民主主義:伝統と改革の市民的構造』第1章
「はじめに-制度パフォーマンスの研究」
第3回:文献講読:ロバート・パットナム『哲学する民主主義:伝統と改革の市民的構造』第2章
「ルールの変更-制度発展の20年」
第4回:文献講読:ロバート・パットナム『哲学する民主主義:伝統と改革の市民的構造』第3章
「制度パフォーマンスを測定する」
第5回:文献講読:ロバート・パットナム『哲学する民主主義:伝統と改革の市民的構造』第4章
「制度パフォーマンスを説明する」
第6回:文献講読:ロバート・パットナム『哲学する民主主義:伝統と改革の市民的構造』第5章
「市民共同体の起源を探る」
第7回:文献講読:ロバート・パットナム『哲学する民主主義:伝統と改革の市民的構造』第6章
「社会資本と制度の成功」
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
文献を事前に精読してください。授業の後は、その内容について復習を行ってください。
文献の内容報告のための準備と、授業の最終回に提出する期末レポートの作成を行う必要があります。
テキスト(教科書)Textbooks
ロバート・パットナム『哲学する民主主義:伝統と改革の市民的構造』(NTT出版)を文献講読の対象として仮置きしますが、第一回目の授業で受講者と相談の上、文献を変更することもあり得ます。受講希望者は、どんな文献を読みたいかを考えておいてください。
参考書References
上記のほか、リチャード・セネット『公共性の喪失』(晶文社)、ハンナ・アレント『人間の条件』(ちくま学芸文庫)などは、難解ながら基本文献として推奨されます。そのほかの参考書は、必要に応じて授業中に紹介します。
成績評価の方法と基準Grading criteria
レジュメによる報告(30%)及び期末レポート(50%)に加え、授業中の質疑や討論における発言(20%)により評価します。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
一人につき各章を担当し、レジュメを持ち寄り検討するという進め方のほか、パラグラフごとに読み合わせを行ったり、場合によっては一文ごとに原著を確認しながら一冊の文献を丁寧に読んでいきます。一人では理解が難しかったり、誤読してしまうような点についても、複数人で検討をすることによる気付きにつながり、新たな視点を得ることに役立つと思います。
担当教員の専門分野等
<専門領域> 比較政治学、コミュニティ政策、福祉政策
<研究テーマ> ポスト福祉国家時代の市民社会論、地域社会における社会的包摂、英国・スコットランドの地方自治・自治体内分権
<主要研究業績>
「スコットランドの地域評議会-制度の基本的構想とその機能の実際」名和田是彦編(2009)『コミュニティの自治-自治体内分権と協働の国際比較』pp.81-118、日本評論社
「スコットランドにおける権限移譲とジェンダー・クオータ」三浦まり・衛藤幹子編著(2014)『ジェンダー・クオータ-世界の女性議員はなぜ増えたのか』pp.203-26、明石書店
「地域社会における社会的連帯の再編:居場所づくりにみる三人称的連帯の可能性」金安岩男・牧瀬稔編著(2019)『都市・地域政策研究の現在』pp.131-42、地域開発研究所