法学研究科Graduate School of Law
LAW500A1(法学 / law 500)憲法演習ⅠConstitutional Law Seminar I
國分 典子
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 法学研究科Graduate School of Law |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2021 |
授業コードClass code | X4106 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 春学期授業/Spring |
曜日・時限Day/Period | 金5/Fri.5 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | |
配当年次Grade | |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience |
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Outline (in English)
This seminar will focus on the constitutional problems of East Asian country from the comparative point of view.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
この演習では、近代立憲主義のアジアにおける受容の問題を念頭に、東アジアの憲法の特徴を考えます。東アジアの立憲主義が歴史的にどのように形成されたか、また国際社会のなかで東アジア地域の憲法がどのような特徴をもつものと考えられるかを比較法的視点をもって分析、理解するとともに立憲主義の意味をアジアの視点から考え直すことを目標とします。
到達目標Goal
日本および近隣地域である東アジア地域の憲法上の問題を学ぶことによって、それぞれの憲法体制の特徴を把握するとともに、それがこの地域の抱える特有の法的および政治的問題とどのように関係しているかを理解することができるようになることを目標とします。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「DP1」「DP2」「DP3」「DP4」に関連、特に「DP2」と「DP3」は強く関連している。
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
東アジア地域の今日の憲法状況、特に違憲審査制に関する資料を読みながら、近代国家形成から今日のアジア地域の現状に至る変化に触れると同時に、東アジア地域の各憲法とその下での統治機構の特徴を考察します。但し、少人数の演習形式の授業なので、参加者の関心によっては扱うテーマを変更することがあります。参加者と資料の内容について議論しながら、参加者の疑問点等についてはその都度、適宜解説し、フィードバックしててゆくようにします。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
春学期
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回:ガイダンス
参加者の関心分野も聞いた上で、授業の進め方を確認する。
第2回:東アジアの近代国家形成と法
日本を含めた東アジア地域の近代化のなかでの立憲主義の発展について考える。
第3回:日本における違憲審査制(1)
日本の違憲審査制の制度的特徴を考える。
第4回:日本における違憲審査制(2)
日本の違憲審査制の運用状況を考える。
第5回:台湾の歴史と憲法
台湾の憲法の歴史的背景を考える。
第6回:台湾の司法
台湾の司法院の位置づけを考える。
第7回:台湾の違憲審査制
台湾の大法官の役割と違憲審査のあり方を考える。
第8回:韓国の歴史と憲法
韓国憲法の歴史的背景を概観する。
第9回:韓国の違憲審査制(1)
韓国の違憲審査制の特徴を考える。
第10回:韓国の違憲審査制(2)
韓国憲法裁判所の活動状況を考える。
第11回:中国憲法の形成過程
中華人民共和国の形成過程から中国憲法の特徴を考える。
第12回:中国憲法の特徴と違憲審査
社会主義圏における違憲審査の可能性を考える。
第13回:台湾における憲法判断の状況
最近の大法官解釈を考察する。
第14回:韓国における憲法判断の状況
最近の韓国憲法裁判所判例を考察する。
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
日本の憲法についての基礎知識についても復習しつつ、台湾、韓国などの社会動向に関心をもって授業に参加するようにします。本授業の準備学習・復習時間は各2時間を標準とします。
テキスト(教科書)Textbooks
中国や韓国の憲法条文を参照するために:
初宿正典・辻村みよ子編『新解説 世界憲法集』第5版三省堂2020年
などの憲法集を各自用意してください(図書館等で本講義で扱う国の憲法をコピーするのでも結構です)。韓国と台湾の憲法は、ネット上でも見ることができるので、これについては授業の初日に説明します。中国憲法の2018年改正後の最新版の翻訳が出ているのは、おそらく前記の三省堂の憲法集のみではないかと思われます。
参考書References
各回に扱う文献は初回で決めますが、東アジア関係の基本的な法状況を紹介したものとして以下のものを挙げておきます。
蔡秀卿・王泰升編『台湾法入門』(法律文化社、2016年)、尹龍澤ほか編『コリアの法と社会』(日本評論社、2020年)、鮎京正訓編『アジア法ガイドブック』(名古屋大学出版会、2009年)、稲正樹・孝忠延夫・國分典子編『アジアの憲法入門』(日本評論社、2010年)など
成績評価の方法と基準Grading criteria
平常点(授業のための準備ができているか、授業において積極的な発言をしているか、等)で評価します(100%)。参加人数が多い場合には、各回にレポーターをおいて報告してもらい、それを平常点に加えることがあります。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
参加者の問題関心を汲み取って説明する必要があると感じています。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
リアルタイムのオンライン授業になる可能性がありますので、インターネットの使える環境を準備頂ければと思います。