生命科学部Faculty of Bioscience and Applied Chemistry
MAC300YC(材料化学 / Materials chemistry 300)錯体化学Complex Chemistry
田所 誠Makoto TADOKORO
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 生命科学部Faculty of Bioscience and Applied Chemistry |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2021 |
授業コードClass code | H8549 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 春学期授業/Spring |
曜日・時限Day/Period | 火2/Tue.2 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 小金井 |
教室名称Classroom name | |
配当年次Grade | |
単位数Credit(s) | |
備考(履修条件等)Notes |
成績優秀者の他学部科目履修制度で履修する学 生:教員の受講許可が必要(オンライン授業の場合は、学習支援システムで許可を得るようにする) |
他学部公開科目Open Program | |
他学部公開(履修条件等)Open Program (Notes) | |
グローバル・オープン科目Global Open Program | |
成績優秀者の他学部科目履修制度対象Interdepartmental class taking system for Academic Achievers | ○ |
成績優秀者の他学部科目履修(履修条件等)Interdepartmental class taking system for Academic Achievers (Notes) | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
SDGsCPSDGs CP | |
アーバンデザインCPUrban Design CP | |
ダイバーシティCPDiversity CP | |
未来教室CPLearning for the Future CP | |
カーボンニュートラルCPCarbon Neutral CP | |
千代田コンソ単位互換提供(他大学向け)Chiyoda Campus Consortium | |
カテゴリー<生命科学部>Category |
環境応用化学科 学科専門科目 |
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Outline (in English)
In chemistry, a coordination complex consists of a central atom or ion, which is usually metallic and is called the coordination centre, and a surrounding array of bound molecules or ions, that are in turn known as ligands or complexing agents. Many metal-containing compounds, especially those of transition metals, are coordination complexes. A coordination complex whose centre is a metal atom is called a metal complex.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
錯体化学は、分子を取り扱う無機化学の中で最先端の分野であり、有機金属化学・生物無機化学・錯体物性科学に分けられる。本講義では、「錯体がなぜきれいな色をしているの?」「磁石はなぜくっつくの?」など、皆さんの基礎的な疑問に基づいて、錯体化学の基礎を知ってもらいたい。そのために、配位立体化学・配位子場理論・分子磁性・錯体分光についての考え方や理解を深めることを目標とする。また、トピックスとして錯体がどのように生体系と関係づけられるのか、応用面ではどのように用いられているのかなど、「生物無機化学」や「錯体物性科学」の最前線も紹介したい。
到達目標Goal
錯体化学を学ぶことによって、化学分野ではなじみの薄い金属を含む固体物性科学の基礎や考え方を学ぶことができる。分子レベルの配位子場理論による考え方は、錯体による色の変化の起源、磁石としての相互作用のあり方、触媒反応のメカニズム、生体金属酵素の反応の基礎、場合によっては電子伝導性の基礎なども学ぶことができる。本研究ではこのような物性化学の詳細までの講義は行わないが、その考え方の基礎を錯体を通して学ぶことができる。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
DP2
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
授業は出席と講義にて行う。板書の量が多いのでノートを必ず用意しておくこと。また、より高学年における無機化学であることを念頭におき、できるだけ自発的な学習と、授業外での知識の吸収・興味の発展を期待する。授業中にできればトピックスとしてはじめの15分ぐらい最先端な話をしたいが、前回授業の復習問題なども踏まえて基礎的な授業にするつもりである。配布する資料のとおりに進んでいくので、授業を休んで資料がもらえなかったときは、友達に借りてコピーしてもらうこと。また、かならず出席はしておくこと。出席率に応じてテストの時に
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
1:錯体化学とは
・配位化学
・分析化学と錯体
・金属イオンの効果
2 :Werner型錯体
・配位説
・配化合物の異性体(溶媒異性・イオン化異性・配位異性・連結異性)
3 :Werner型錯体
・配化合物の異性体(立体工化・共生理論・Pearsonの法則)
・連結異性の応用
4 :Werner型錯体
・立体異性(平面4角形・6配位8面体・鏡像異性体)
・光学分割
5 :原子価結合モデル
・原子価結合法
・混成と軌道の占有
6 :結晶場理論
・結晶場の理論とスピン磁性
・高スピンと低スピン
・磁化率とスピン軌道相互作用
7 :結晶場理論
・配位子場安定化エネルギー(水和エンタルピー・イオン半径)
・分光化学系列
・各種配位構造と結晶場の分裂
8 :結晶場理論
・Jahn-Teller効果
・配位子のπ結合性
・分光化学系列の理論
9 :配位子場理論
・分子軌道での取り扱い
・配位子場理論でのπ結合
10:錯体の電子スペクトル
・配位子場遷移
・項という考え方
・スピン軌道相互作用とスペクトル
11:錯体の電子スペクトル
・微視的状態の分離
・基底状態のエネルギー項
12:錯体の電子スペクトル
・Hundの規則の定量的な解釈
・選択律
・弱い場と強い場(相関図)
13:錯体の電子スペクトル
・分裂エネルギー準位図(Orgel 図)
・田辺−菅野の図
14:錯体の反応
・置換不活性
・トランス効果
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
【本授業の準備・復習等の授業時間外学習は、4時間を標準とする】通常、テストは自筆ノート持込可にしてあるので、授業中に黒板に書いてあることを、先生の説明をよく聞いて、口頭の内容もメモをすることを進める。復習を重点的に行い、ノートに書いてあることを中心に勉強し、さらに参考書などで知識を確認して、重要点をメモしておくことが望ましい。テストは必ず説明問題で答えさせるので、解答の文章を予めノートに自分で用意しておくと時間に余裕ができる。通常、授業では演習問題も含めるため、配位子場理論までで終えることが多い。
テキスト(教科書)Textbooks
主に授業中配られるプリント中心に行う。
参考書References
「基礎無機化学」F.A.コットン・G.ウィルキンソン・P.L.ガウス(培風館) 「無機化学(下)」シュライバー・アトキンス第4版(東京化学同人)「無機化学(下)」ダグラス・マクダニエル第3版(東京化学同人)
成績評価の方法と基準Grading criteria
期末試験の成績(60%)と平常点(40%)で評価する。授業中に行った小テストから試験を出すので復習しておくこと。試験に出るポイントを指摘して、説明させる文章問題のみ出題する。必ず、最終回あるいは最終回前の講義には出席すること。テスト問題に関する重要なアドバイスをする。解答は皆さんが同じような解答ばかりだと、暗記しただけと見なし、減点がある。自分のオリジナルな解答を書くこと。図だけであったり、ノートの丸写しは × 必ず説明や理由について文章で書くこと。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
アンケートでは、錯体化学をこれまで習ってこなかったので、理解することが難しいという意見が多く聞かれた。そのため、より簡単に要点を絞って、皆さんに錯体とは何かを伝えていきたいと考えている。また、授業中に演習問題を行うことで、教えた知識を完全なものにすることを目指す。そのため、錯体スペクトルまでは進まないことが多いので、配位子場理論までしっかり勉強させることを目指す。
その他の重要事項Others
平常点だけで単位がもらえると考えてるようであるが、試験問題も解かないと落ちることがある。期末試験の1発勝負なので必ず、試験では解答を文章で書けること。