理工学部Faculty of Science and Engineering

「ものづくり」は日本の基幹産業であり，溶接・接合技術，鋳造技術はそれを支える主要技術である．本授業では、それらの種類と原理を学び、損傷や不具合を防止するための防止策を理解する。
事例として航空宇宙（航空機機体、ジェットエンジン、宇宙ロケット）、船舶・海洋構造物、鉄道（車輌、レール）、貯槽、橋梁、水門・水圧鉄管、建築鉄骨、その他鋼構造物（シールドトンネル、クレーン、パイプライン、ケーソンなど）、自動車、発電、石油・化学プラントを概説する。歴史、種類、構造、材料を理解し、製造方法と用いる各種溶接・接合技術,鋳

１．「ものづくり」における溶接・接合、鋳造技術の位置付けを学ぶ。
２．各種溶接・接合、鋳造の方法と基礎理論を学ぶ。
３．大型構造物の歴史、構造、材料、製造方法（溶接・接合技術、鋳造技術）、事故・損傷事例を学び、「ものづくり」の実際を知る。
４．鉄鋼材料（炭素鋼、高張力鋼、高温材料、低温材料、ステンレス鋼など）の基礎、製造法、特性、適用事例を学び、将来活用できるような知識を学ぶ。
５．溶接構造物の製作に際しての、設計、溶接部の強度、破壊防止方法（脆性破壊強度、疲労破壊強度、環境強度）などを学ぶ。
６．各種非

ディプロマポリシーのうち、「DP1」と「DP2」と「DP4」に関連

日本語 / Japanese

実際の各種大型構造物の構造、材料、製造方法、溶接・接合、鋳造技術の適用事例などに関する写真、図を多用したテキストを配布し、パワーポイントにより社会的背景や周辺情報も含めて説明する。また、鉄鋼材料、溶接材料、溶接部特性、設計、破壊防止、非破壊検査なども、写真、図を多用し、幅広い技術が求められる「ものづくり」の基礎を説明する。期中に課した中間レポートは採点し、高得点のものについては授業において紹介して、良かった点などについて共有する。質疑はメールによっても受け付けて疑問に対しフィードバックを行う。

なし / No

なし / No

※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。

第1回：構造物における溶接・接合、鋳造の位置付けと基礎

溶接・接合、鋳造技術の必要理由と基礎

第2回：溶接・接合、鋳造技術概論（1）

各種溶接・接合方法および鋳造技術の基礎理論（1）

第3回：溶接・接合、鋳造技術概論（2:つづき）

各種溶接・接合技術の基礎理論（2:つづき）

第4回：溶接・接合、鋳造技術概論（3:つづき）

各種溶接・接合技術の基礎理論（3:つづき）、表面処理（溶射）および切断技術を含む

第5回：航空宇宙（航空機機体、ジェットエンジン、宇宙ロケット）における溶接・接合および鋳造技術

歴史、材料、構造および溶接・接合、鋳造技術の適用状況、損傷事例と防止策

第6回：船舶・海洋構造物における溶接・接合技術

歴史、材料、構造および溶接・接合技術の適用状況、損傷事例と防止策

第7回：鉄道（車輌、レール）、貯槽における溶接・接合技術

歴史、材料、構造および溶接・接合技術の適用状況、損傷事例と防止策

第8回：橋梁における溶接・接合技術

歴史、材料、構造および溶接・接合技術の適用状況、損傷事例と防止策

第9回：ダム水門・水圧鉄管、建築鉄骨、その他鋼構造物における溶接・接合技術

歴史、材料、構造および溶接・接合技術の適用状況、損傷事例と防止策

第10回：自動車、原子力発電、火力発電、石油・化学プラントにおける溶接・接合技術

歴史、材料、構造および溶接・接合技術の適用状況、損傷事例と防止策

第11回：鉄鋼材料と溶接

各種鉄鋼材料と製造方法、特性、適用事例、溶接部特性（冶金、強度、靭性）、残留応力

第12回：溶接部欠陥と溶接割れ防止、溶接変形

溶接時の欠陥防止、高温割れ、低温割れその他溶接割れと防止方法、溶接変形の種類と防止法

第13回：溶接設計、強度、非破壊検査と品質管理・品質保証

静的強度、脆性破壊強度、疲労強度、環境強度、溶接設計、許容応力、損傷・破壊防止、非破壊検査技術、品質管理、品質保証

第14回：鋳造工学

各種鋳造法の基礎、鋳造方法、構造物の種類と適用例、鋳造材の組織と強度

【本授業の準備・復習等の授業時間外学習は、4時間を標準とする】最初は溶接・接合法の用語が繰り返し多く出てくるため、配布テキストを用いた予習・復習が望ましい。また、途中で中間レポートを課し、実際の構造物に対する興味、授業で説明した技術用語についての理解を深めるとともに理解度を問う。また授業においてフィードバックを行う。期末試験では、溶接および鋳造の基礎理論の理解度を問う。期末試験については新型コロナウイルス感染拡大状況に応じた方法・内容で実施する。

テキストを授業支援システムで配布するため、必要に応じ参照願いたい。

参考書としては古閑伸裕、神雅彦、竹内貞雄、野口裕之、松野建一、宮澤肇、村田泰彦：「生産加工入門」、コロナ社などが挙げられるが、配布資料でそれ以上の情報を提供しているためとくに必要ではない。

単に試験で点数を取るだけでなく、とくに実際の構造物に関しては講義を聴いて社会情勢、社会ニーズ、新技術開発、設計者・エンジニアの心構え・責任などを含めて「ものづくり」に興味を持つ事を期待する。評価方法は①平常点（含む、受講態度）、②中間レポート、③期末試験の合計とする。適切な平常点を有し、中間レポートの提出および期末試験の受験がなければ単位は取得できない。試験等は新型コロナウイルス感染拡大状況を鑑みた実施内容となる。

時間の余裕もないため討論は困難であるが質問は随時受け付ける。

とくになし。授業中における授業支援システム上の閲覧を許可する。その目的に限り、授業中のPC またはスマホなどの使用を許可する。期末試験では電卓が必要である。また期末試験では教科書の持ち込みを可とするが、プリントアウトしたものに限る（試験中のPC等による授業支援システムへのアクセスと閲覧は認めない）。

中間レポートの日程・実施方法、期末試験の実施方法などは授業支援システムを通じて補足通知するため、適宜授業支援システムを確認することが望ましい。授業計画はあるが、実際の授業は受講者の反応および理解度等を踏まえて行う。計画と実際には多少の差異が生ずる事もある。