スポーツ健康学部Faculty of Sports and Health Studies
SOC100IA(社会学 / Sociology 100)スポーツメディア論Sports and Media
山本 浩Hiroshi YAMAMOTO
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | スポーツ健康学部Faculty of Sports and Health Studies |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2021 |
授業コードClass code | M3080 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 秋学期授業/Fall |
曜日・時限Day/Period | 水3/Wed.3 |
科目種別Class Type | 講義 |
キャンパスCampus | 多摩 |
教室名称Classroom name | |
配当年次Grade | 1~4 |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | ※2012年度以前入学生は履修年次が異なります |
他学部公開科目Open Program | |
他学部公開(履修条件等)Open Program (Notes) | |
グローバル・オープン科目Global Open Program | |
成績優秀者の他学部科目履修制度対象Interdepartmental class taking system for Academic Achievers | ○ |
成績優秀者の他学部科目履修(履修条件等)Interdepartmental class taking system for Academic Achievers (Notes) | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | ○ |
SDGsCPSDGs CP | |
アーバンデザインCPUrban Design CP | |
ダイバーシティCPDiversity CP | |
未来教室CPLearning for the Future CP | |
カーボンニュートラルCPCarbon Neutral CP | |
千代田コンソ単位互換提供(他大学向け)Chiyoda Campus Consortium | |
カテゴリーCategory |
専門教育科目 スポーツビジネスコース専門科目 |
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Outline (in English)
To be familiar with the sports philosophies of existing media such as printed media, broadcasting, Internet and tablets that play prominent roles in recent years.
While understanding the trajectories and current situation from the origin of media, you will acquire knowledge by refining the ability to understand medias world where remarkable changes are anticipated. You could have an enough chance to get acquainted with the near future of the sports media.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
既存の新聞、放送と、近年隆盛著しいインターネット・タブレット等、幅広いメディアがスポーツを捉える理念、行動の実態に精通する。そのためには、メディアの発生から成長の軌跡と現状を理解しながら、今後著しい変化が予想されるメディア世界を読み解ける能力を磨き、知識を身につけることに集約される。競技スポーツの中には「メディアスポーツ」と称されるものがある。いったいスポーツ自体がなぜメディアなのか。4Kでの精緻な映像に始まって8Kの現実と遜色ない映像の世界は、スポーツにこそ最高の技術を使った伝達の価値を見いだせると語っているようだ。世界のメガイベントに備えるメディアの新たな動きを確認した上で、スポーツメディアの近未来を考える機会としたい。
到達目標Goal
一時は戦意高揚のために、その後は商業化の波に乗ってW杯サッカーやオリンピックというメガイベントを契機に、スポーツメディアはさまざまな歴史を重ねてきた。講義を経て獲得すべき知識は、活字、電波、写真、モバイルとメディアの種類の変化にだけ目を留めるのではなく、その需給バランスが時代を画すに連れてどう変わってきたのかを知るところにある。なお追い求めたいのは、「文字」「映像」「音楽」「コメント」を武器に、メディアは今さしかかっている曲がり角をいかにクリアしようとしているのか。その動向、情報を見聞きするにつけ、そこに社会の投影されるのを知り、世の人々の関心がどのように変わってきたのか。さらにストリーミング、OTT、SNS、見逃し配信での在り方など、さまざまなルートを通して、スポーツがそれ自身メディアとしてどれほど膨張してきたのかを把握する。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「DP2」「DP3」「DP4」「DP5」「DP6」「DP7」に関連
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
スポーツメディアの実に入るために、マスメディアのスタートの基礎となった歴史上の出来事を追いながら、活字・音声・映像メディアの登場をスライドを使ってつぶさに見る。担当教員のバックグラウンドには電波メディアの世界がある。音声と映像で伝えるスポーツメディアの重心はテレビを離れて、スマートフォンやモバイル端末に移行してきた。変化を促したのは媒体技術面のイノベーションによるところが大きい。それが共振してやがてスポーツ自体にも変化を及ぼすようになる。講義では、ニュース記事、テレビ番組を随時取り上げ、理解の促進材料とする。取材、記事作成の基本や実際の作業過程、番組制作の仕組みを知ることはすなわち、ある部分で自分をどう伝え、主張するかのノウハウにもつながる。
教員の上映するスライド(MacによるKeynoteを使用)を元にした講義形式。授業内に、受講生を指名して問いかけに答えてもらうことがある。※ウィルスの影響次第で、オンライン授業を検討する。
授業後、提示したスライドは教員が学習支援システムにアップロードする(一定期間定時ののち削除する)。授業内には、その日の講義に関連付けたミニ論文を書く時間を用意する。※ウィルスの影響でオンライン授業になった場合には、授業内課題の代わりに学習支援システムの「課題」欄に挙げたファイル(PDF)を読み込み、そこに示された課題を教員に宛てて期限内に送信する。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
秋学期
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
1:ガイダンスとメディアの現状
新聞、放送はいまだメディアの中心に近い。その組織と活動から、全体的なニュース報道の中でのスポーツの占める位置を窺う。
2:スポーツメディアの歴史
活字の報道は、始まるとほぼ時を同じくして“スポーツ”に関心を示してきた。それは洋の東西を問わず同じ感性に貫かれている。新聞から雑誌までの展開を追う。
3:活字メディアの仕組み
スポーツメディアは、メディアの一つのジャンルである。そこをのぞき見るには、活字メディアの世界の常識と理念を知っておかなければならない。後に放送メディアも大きな影響を受けた取材から報道までのありようを見る。
4:電波メディアの仕組み
誕生当初の電波メディアは、新聞の知恵を借りることが多かった。それが違った道をたどるようになるのは、映像という武器を手にするようになってからだ。それでも底流を流れるスポーツに対する理念は変わらない。
5:活字メディアにスポーツメディアの核を見る
新聞の長い歴史がスポーツを育て、明治の黎明期から、時代と共に変遷を遂げて来た。一般紙とスポーツ紙、それぞれの個性、報道スタンスの違いを見ながらスポーツメディアの特徴を知る。
6:事業を興すスポーツメディア
スポーツメディアがスポーツをイベントとして取り上げるようになったのは、世界のスポーツ界に商業化路線が押し寄せたからではない。購買数・視聴率という経営に関わる指標は、昔からスポーツイベントを必要としてきた。
7:スポーツ中継(1)
タブレット端末でのスポーツ観戦が当たり前になった今でも、画面の中に見る手法はテレビ中継が培ってきたものに他ならない。スポーツ中継の見えない部分を音声実況の歴史から初めて含めて細部まで開示する。
8:スポーツ中継(2)
ラジオとテレビ。それはメディアの構造の違いだけでなく方法論の違いにもつながっている。音中心のメディアと映像主体のメディアを比べ、重ね合わせることでスポーツ報道のある部分が見えてくる。
9:スポーツニュース
時代と共に、スポーツ記事の量は増え、その重要性は高まってきた。テレビニュースにおけるスポーツも同じような変化を遂げている。スポーツニュースの現代的価値を問う。
10:スポーツショー、スポーツ科学番組
スポーツスタジオ番組の制作は多面的な素材を要求する点でスポーツメディアの総合製品に近い。多彩な試みで視聴者の関心を誘うスポーツスタジオ番組の全貌を知る。
11:ドキュメンタリー
日本のスポーツドキュメンタリーには、一つの定形がある。この定形をどうとらえるか。それを超える新しいスポーツドキュメンタリーは可能なのか。それは、私たちがスポーツのどこに価値を見いだしているのかに底通する。
12:スポーツメディア世界の今
メディアを巡る環境は激変。放送と通信の融合、新聞離れ、有料チャンネルの増加、ストリーミングによるスポーツ観戦の時代をどうとらえるか。これに対応するスポーツ界にも目を凝らしたい。
13:スポーツメディアと金
スポーツメディアが金をめぐって急激に動き始めるのは、アマチュア中心の世界にプロが登場するのと時を同じくしている。機材の能力アップだけでなく、そこに登場するパフォーマンスの質の向上も必然であったことが分かる。
14:総括と授業内試験
ここまでの13回にわたる講義の中で取り上げてきた用語を確認する。さらに、テーマの一貫性を大切にしながらジャーナルな課題を選択しての小論文による試験を行う。
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
新聞、テレビ、ネットによる報道に日常的に目配りして、メディアが示すスポーツに対する「判断」「情報」に関心を持ち続けよう。肝心なのは、個々の報道をすべてを鵜呑みにしないことである。自らの体験、他人の意見を冷静に見比べながら、常に自分の世界観に照らし合わせた読解力を持つ必要がある。そこでひらめいた読後感はさまざまなシーンで有用になる。いつ・どこで・何が・どのように起こったのか。どう取り上げられたのか、自分のメモに書き留めておこう。それぞれが事前事後で準備学習・復習時間を 2 時間取りながら講義に向かおう。
テキスト(教科書)Textbooks
特に使用せず。
参考書References
「21世紀スポーツ大事典」中村敏雄ほか編集主幹 大修館書店
「スポーツは誰のためのものか」杉山茂著 慶応大学出版会
「メディアスポーツへの招待」黒田勇編著 ミネルヴァ書房
成績評価の方法と基準Grading criteria
配分:
講義内に、指定する時間内で提出すべき小論文を課す。毎回の小論文は成績評価の対象となり。1回最高点3点。13回のすべて満点を取れば、39点。
最終講義内に行う試験70点。
すべてフルに獲得すれば109点となり、明らかに最高レベルの評価で単位を取得できる。
評価基準:積極性・独創性・多様な選択肢・広い世界観、具体事例を示せるかどうかなど。
※オンライン講義となった場合には、学習支援システムの課題欄にその日の課題を提示する。期限内に教員に送ることを求める。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
テレビを見ない世代が増えている中で、ウィルスの影響で激減した競技スポーツに人々はどんな反応を残すのだろうか。メガイベントがどうなるか未確定の中の講義だけに、常に未来形で“現代”を追いかけたい。
スライド枚数を多くした分、スライドの切り替えが早くなりがちだが、講義後速やかにPDF化した授業素材をあげることで、受講者が確認できるような手立てを講じる。
その他の重要事項Others
スポーツジャーナリストとしての40年にわたる内外での取材活動を元に、電波・活字・インターネットメディアの構造を講義する。
スポーツメディアの”期待”は、栄光・感動・勝利といった手垢のついた概念を持ち出すことで処理されようとするのか。それとも、そこから一歩抜け出たスポーツ観を提示してくるのか。そうなれば五輪・パラリンピックのレガシーとしても後世に残るはずである。
最終講義日の授業内試験には必ず参加すること。
学校を代表しての行事参加、病欠、欠席の避けられない冠婚葬祭に対しては、講義内ミニ論文に代わる追加のレポート課題を期末に与える〔規定の書類、体育会規定書類、会葬礼状類、医療機関の日付の入った領収書コピーなどを提出のこと〕。ただしこの規定が適用されるのは、一人につき3回まで。自分の都合での欠席は、レポート課題の対象にならない。