イノベーション・マネジメント研究科Business School of Innovation Management
MAN510F2(経営学 / Management 500)スタートアップ戦略論Start-up strategy
村上 健一郎Kenichiro MURAKAMI
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | イノベーション・マネジメント研究科Business School of Innovation Management |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2021 |
授業コードClass code | W0101 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 秋学期前半/Fall(1st half) |
曜日・時限Day/Period | 土3/Sat.3, 土4/Sat.4 |
科目種別Class Type | 専門講義 |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | |
配当年次Grade | 1・2 |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | 共通選択科目、MBA特別必修 |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | ○ |
カテゴリーCategory |
専門科目 共通選択科目 |
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Outline (in English)
This course addresses why most startups fail. It starts with the major two startup methods, waterfall and lean-startup
. Then, it shows the five pitfalls on the way from seed stage to exit and the different causes of every pitfall are discussed. It also explores the major ways to cope with them. Students are assigned to improve their own business projects based on the insights obtained during this course.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
新規ビジネス(スタートアップ)の失敗の確率は高く、それを乗り越えるためには、既存ビジネスとは異なるアプローチが必要となる。本講義は、アイデアの作り方から新規ビジネスの出口までを対象とし、ビジネスのデザインおよび探索と実行にからむ代表的な5つの谷とそれらを越えるための戦略に焦点をあてる。(中小企業、大企業の両方向けであるが、リサーチ型プロジェクトには向かない。)
到達目標Goal
スタートアップにおけるリスクの存在場所を知り、それを折り込んだビジネスのデザインと実行の戦略が組み立てられるようになることを目標とする。また、最新のリーンスタートアップの理論を学び、その背景と原理を理解するとともに、自分のプロジェクトについて、さまざまな視点からスタートアップ戦略を組み立てる。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
イノベーション・マネジメント研究科のディプロマポリシーのうち、「DP1」「DP3」「DP4」 に関連
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
講義は2コマ単位で進め、毎回、課題の発表から始める。基本的に下記のスケジュールで進め、進行状況によって適宜見直す。また、ゲスト講師を迎え、リーンスタートアップのクラッシュコースを体験する機会を設ける。なお、講義を履修しない学生(聴講だけの学生) 、ビジネスプロジェクトのテーマのない方の参加はできません。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
1:スタートアップ戦略入門
アイデアの作り方から新規ビジネスの出口までの5つの谷を説明し、スタートアップの失敗確率が高い原因を探る。そして、リーンスタートアップと古典的スタートアップの特性について議論する。
2:課題解決のプロセス
既存のウォーターフォール型および新たなリーンスタートアップ型の課題解決プロセスを説明し、その違いを議論する。また、次回に向けて課題の説明を行う。
3:発想する会社
発想する会社IDEOについて、スーパーマーケットのカートを一週間でデザインするビデオを見て、そのベストプラクティスをグループワークで明らかにする。
4:デザインシンキング
第三回で行ったグループワークの結果をグループごとに発表し、IDEO社のベストプラクティスであるデザインシンキングの要点について議論する。
5:デスバレー
資本調達の問題であるデスバレーについて、シードアクセラレータやベンチャーキャピタルの行動原理まで踏み込んで説明する。
6:ダーウィンの海
サービスや製品の開発が市場へ出る前に失敗するダーウィンの海について、例を示して説明する。
7:オタクの反作用の法則
完成度を求めるあまりサービスや製品リリースを遅らせるオタクの反作用の法則について議論する。
8:スタートアップのリスク遷移
代表的なウォーターフォール、リーンスタートアップのモデルを取り上げ、それぞれのリスクの推移と適用範囲について学ぶ。
9:ゲスト講師によるクラッシュコース(1/2)
デザインシンキングをワークショップ形式で体験し、切実な課題(JTBD)を探索する方法を頭と体で学ぶ。
10:ゲスト講師によるクラッシュコース(2/2)
デザインシンキングのプロセス(共感、定義、アイデア、プロトタイプ、テスト)を相互インタビューにより学ぶ。
11:熱意のパラドクスとリーンスタートアップの思想
リーンスタートアップの思想を説明した後、顧客とサービス/製品の並列開発, MVP, PIVOT, などの要点について述べる。
12:リーンスタートアップの顧客開発モデル
リーンスタートアップの顧客開発モデルに言及する。特に、軌道修正の技法PIVOTとインタビューの技法に焦点をあてる。
13:イノベーション普及学とキャズム
イノベーションの普及の理論を説明し、深い谷キャズムが存在する位置と理由を説明する。
14:キャズム越えの戦略
キャズムを越えるための要点について議論する。戦略の転換点や、キャズム前後の戦略にフォーカスを当てる。また、ホールプロダクト、バリューネットに言及する。
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
毎回、学んだフレームワークを各自のプロジェクトに適用する課題を課す。これを次回の講義の始めにパワーポイントで発表する。本授業の準備学習・復習時間は、各2時間を標準とします。
テキスト(教科書)Textbooks
pdf 化した講義資料を毎回配布する。参考書については、毎回の講義の中で適宜指示する。
参考書References
(1)発想する会社!、トム・ケリー著、早川書房、ISBN-10: 415208426X
(2)アイデアのつくり方、ジェームス W.ヤング著、CCCメディアハウス、ISBN-10: 4484881047
(3)キャズム2、ジェフリー・ムーア著、翔泳社,ISBN-10: 4798137790
(4)スタートアップマニュアル、スティーブン・G・ブランク著、翔泳社、ISBN-10: 4798128511
(5)ビジネスモデルジェネレーション、アレックスオスターワルダー著、翔泳社、ISBN-10: 4798122971
(6)ジョブ理論、クレイトンクリステンセン著、ハーバーコリンズジャパン、ISBN-10:4596551227
成績評価の方法と基準Grading criteria
次の3つの視点から評価を行う。
(1) 毎回のレポートおよび発表の品質(35%)
(2) 議論およびグループワークへの貢献度(30%)
(3) 最終課題の品質(35%)
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
毎年、4単位にしてほしいという要望や、課題が多すぎるとの指摘がなされる。しかし、現実のビジネスでは時間制約の中でより良い結果が求められる。よって、学生には、制限された時間の中でよりよい結果を出す努力を期待する。なお、平等な発表時間が学生から要求されているため、各学生には時間管理をより強く求める。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
パソコン(キーボードのあるもの、スマホでは迅速な検索や発表ができないため)
その他の重要事項Others
オフィスアワーは水曜5限目(16:50-18:20)とするが、プロジェクトの秘密保持のため、他の学生と重ならないように事前にメールで確認願います。なお、この講義は、NTT研究所での基礎研究および実用化の実務経験と、ベンチャーキャピタルでのインキュベーションの経験から、スタートアップから出口(IPOまたはM&A)に至るまでの広い範囲をカバーするものとなっています。