法務研究科Law School
LAW500A2(法学 / law 500)刑事事実認定の基礎Introduction to Criminal Fact-Finding
野嶋 愼一郎Shinichiro NOJIMA
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 法務研究科Law School |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2021 |
授業コードClass code | V2241 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 春学期授業/Spring |
曜日・時限Day/Period | 火4/Tue.4 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | |
配当年次Grade | 2~ |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | 選択 |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
カテゴリーCategory |
実務基礎科目群 専門的技能教育 |
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Outline (in English)
The most important one is recognization of fact in a trial.
Recognization of fact is a guilty innocent turning point in a criminal case.
It's learned about recognization of fact in a criminal case in this lecture.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
刑事事件、民事事件を問わず、裁判の審理において最も重要なのは事実認定である。犯罪行為は、動機、計画(共謀)・準備、実行行為、結果、因果関係について、証拠に基づいて事実認定をする必要がある。証拠から事実が認定できるか否かによって、有罪無罪の分かれ目となる。
本講義では、法律の解釈に加え、刑事事件における事実認定がどのようになされるのかを体得してもらうことを目的とする。
到達目標Goal
近時の司法試験でも、問題文の中に事実が記載され、それをもとに事実認定をさせる問題が出題されている。
本講義では、刑事事件で問題となる典型的な事実認定について、事案の分析力、証拠の評価(証拠能力、証拠価値)、事実認定の手法を体得することが達成目標である。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「DP1」と「DP2」と「DP3」に関連
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
事前に課題を与えるので、各自が基本書、判例、参考文献等にあたって、授業で議論できるように準備をする。授業では、課題について、いかなる証拠に基づき、いかなる事実が認定できるのか、それによってどのような結論が導き出せるのか、を双方向で質疑応答する形式で進める。
なお、課題、レポートについては、次回授業までに添削・返却し、次回授業内で講評する。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
なし / No
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回:故意の認定(1)
殺意の認定
殺人か傷害致死か
情況証拠の評価
第2回:故意の認定(2)
薬物事犯における薬物所持の故意の認定
第3回:過失の認定
自動車運転者の過失か被害者の過失(自爆行為)か
民事事件との相違(過失割合)
第4回:因果関係の認定
保護責任者遺棄と遺棄致死の区別
第5回:実行行為の認定(1)
事件性の争い
傷害罪か被害者の自傷行為か
被害者供述の信用性
第6回:実行行為の認定(2)
被害者宛の刑事告訴取下げ要求の手紙(脅迫、強要、証人威迫の区別)
第7回:実行行為の認定(3)
結婚詐欺
寸借詐欺
経済事犯(取引行為と詐欺の区別)
第8回:実行行為の認定(4)
家庭内暴力、折檻と傷害の成否
第9回:違法性阻却事由、責任能力
喧嘩における傷害(正当防衛・過剰防衛か)
盗癖等の責任能力の有無
第10回:共謀共同正犯
事前共謀、現場共謀
情況証拠の評価
共犯者の役割による量刑
第11回:自白の任意性、信用性
自白に陥るメカニズム
自白の任意性、信用性に関する事実認定
第12回:第三者供述の信用性
被害者・目撃者等の第三者供述の信用性に関する事実認定
犯人識別供述の信用性に関する事実認定
第13回:アリバイ
アリバイに関する事実認定
弁護人の主張時期、立証活動
第14回:情状事件
裁判員裁判
情状事実の事実認定、量刑に与える影響
裁判員裁判における事実認定
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
事前に課題を与えるので、各自が基本書、判例、参考文献等にあたって、授業で議論できるように準備をする。なお、事業期間中、5回程度レポートを提出させて、成績評価の対象とする。本授業の準備学習・復習時間は各2時間を標準とします。
テキスト(教科書)Textbooks
特に指定はしない。
参考書References
日弁連「刑事弁護実務」
成績評価の方法と基準Grading criteria
授業期間中における評価(平常点)
質疑応答 50%
レポート 50%
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
講師が取り扱った実際の刑事事件等を題材として、刑事事実認定の基礎となる証拠の構造、各証拠の位置付けなどをきちんと理解した上で、各証拠の評価を検討させるようにしたい。