法務研究科Law School
LAW500A2(法学 / law 500)憲法基礎演習Basic Seminar on Constitutional Law
赤坂 正浩Masahiro AKASAKA
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 法務研究科Law School |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2021 |
授業コードClass code | V1171 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 春学期授業/Spring |
曜日・時限Day/Period | 水3/Wed.3 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | |
配当年次Grade | 1 |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | 選択 |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
カテゴリーCategory |
法律基本科目群(応用科目) 公法系 |
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Outline (in English)
This course is a supplement to the Constitutional Law Ⅰ and an introduction to the advanced courses. The course offers basic information about many constitutional litigations of the Supreme Court.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
憲法Ⅰの授業では、憲法上の権利全般が解説対象となるため、個々の権利に関する最高裁判例のうち、最も重要なものしか取り上げる時間的な余裕がない。しかし、2年次に進級するために受験が義務づけられている、外部試験である共通到達度確認試験や、司法試験の短答式試験では、相当数の憲法判例について広い知識を有することが求められる。この演習では、憲法Ⅰの授業を補って、相当数の主要な憲法判例の事実の概要と最高裁判決の趣旨について、コンパクトな知識を獲得し、外部試験に備える準備の基礎を作ることができる。
到達目標Goal
①各権利グループの主要な憲法判例について、事実の概要と憲法上の争点の内容を指摘できるようになる。
②これらの主要な憲法判例ごとに、憲法上の争点に関する最高裁法廷意見の見解を自分の言葉で説明できるようになる。
③それぞれの判例の特色によって、最高裁判例の傾向や変化、法廷意見と個別意見との対立、最高裁判決と下級審判決との対立、学説の反応といった点についても、必要に応じて説明できるようになる。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「DP1」と「DP2」に関連
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
憲法上の権利に関する7つの主要なグループやテーマを取り上げ、それぞれ1回目の授業において4~5件の重要判例の事実の概要と最高裁判決の要旨を解説する。その上でそれぞれ2回目の授業の前半では、前回取り上げた判例の内容を受講者に口頭で説明してもらい、担当教員がそれについて口頭でコメントするという方法で、知識の確認とフィードバックを行う。7つの権利グループごとの2回目の授業の後半では、さらに若干の主要判例を紹介する。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回:思想・良心の自由、信教の自由、政教分離原則(1)
君が代起立斉唱訴訟、 南九州税理士会事件、愛媛玉串訴訟、箕面忠魂碑・慰霊祭訴訟、空知太神社訴訟の内容を解説する。
第2回:思想・良心の自由、信教の自由、政教分離原則(2)
前回解説した判例について、受講者に内容を紹介してもらい、これにコメントする。さらに若干の判例を紹介する。
第3回:政治的表現の自由(1)
猿払事件、堀越事件、吉祥寺ビラ配布事件、立川ビラ配布事件の内容を解説する。
第4回:政治的表現の自由(2)
前回解説した判例について、受講者に内容を紹介してもらい、これにコメントする。さらに若干の判例を紹介する。
第5回:集会の自由、マス・メディアの自由(1)
泉佐野市民会館事件、広島市暴走族追放条例事件、公立図書館事件、NHK受信料訴訟の内容を解説する。
第6回:集会の自由、マス・メディアの自由(2)
前回解説した判例について、受講者に内容を紹介してもらい、これにコメントする。さらに若干の判例を紹介する。
第7回:経済的自由(1)
小売市場事件、薬局距離制限事件、西陣ネクタイ訴訟、森林法事件、証券取引法事件の内容を解説する。
第8回:経済的自由(2)
前回解説した判例について、受講者に内容を紹介してもらい、これにコメントする。さらに若干の判例を紹介する。
第9回:生存権(1)
朝日訴訟、堀木訴訟、総評サラリーマン税金訴訟、学生無年金訴訟の内容を解説する。
第10回:生存権(2)
前回解説した判例について、受講者に内容を紹介してもらい、これにコメントする。さらに若干の判例を紹介する。
第11回:法の下の平等(1)
国籍法違憲判決、非嫡出子相続分格差新旧決定、再婚禁止期間訴訟の内容を解説する。
第12回:法の下の平等(2)
前回解説した判例について、受講者に内容を紹介してもらい、これにコメントする。さらに若干の判例を紹介する。
第13回:投票価値の平等(1)
衆議院の1票の較差に関する昭和51年4月14日判決、昭和60年7月17日判決、平成23年3月23日判決、平成25年11月20日判決の内容を解説する。
第14回:投票価値の平等(2)
前回解説した判例について、受講者に内容を紹介してもらい、これにコメントする。さらに若干の判例を紹介する。
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
本授業の準備学習・復習時間は各2時間を標準とする1回目の授業で取り上げた判例の内容を復習し、2回目の授業で説明できるようにする。
テキスト(教科書)Textbooks
〇長谷部恭男・石川健治・宍戸常寿編『憲法判例百選Ⅰ・Ⅱ(第7版)』(有斐閣、2019年)
参考書References
〇芦部信喜/高橋和之補訂『憲法(第7版)』(岩波書店、2019年)
〇赤坂正浩『憲法講義(人権)』(信山社、2011年)
成績評価の方法と基準Grading criteria
各権利グループの2回目の授業における判例の口頭説明を35%、学期末に提出してもらう判例を解説するレポートを65%の比率で評価する。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
前年度、共通到達度確認試験のリハーサルを実施したところ、参加した学生から判例情報をもっと提供してほしいという趣旨の要望があったので、開講2年目となるこの授業のコンセプトを変更して、こうした声に応えることを試みたい。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
いまのところ、授業はすべてオンラインで実施するつもりなので、それに対応できる機器を準備してほしい。