スポーツ健康学研究科Graduate School of Sports and Health Studies
SOM500I1(社会医学 / Society medicine 500)運動疫学演習Seminar in Exercise Epidemiology
笹井 浩行Hiroyuki SASAI
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | スポーツ健康学研究科Graduate School of Sports and Health Studies |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2021 |
授業コードClass code | S6080 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 春学期授業/Spring |
曜日・時限Day/Period | 金1/Fri.1 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 多摩 |
教室名称Classroom name | |
配当年次Grade | 1~2 |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
カテゴリー | 展開科目(ヘルスプロモーション科目群) |
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Outline (in English)
Physical activity epidemiology is an academic discipline that clarifies causal relationships between physical activity, sedentary lifestyle and various health outcomes. This course is aimed at fostering student's capability to understand research findings in this field and to propose a scientifically-sound research design among populations of your interests.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語・英語併用 / Japanese & English
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
運動疫学とはヒトにおける運動と健康の間に原因と結果の関係(因果関係)があるかどうかを明らかにする学問である。100人の血圧を測定し、その中で血圧が高い20人を2群に分け、A群には運動指導を、B群には「おまじない」をして1週間後に血圧を測定すると両群とも平均血圧は(ほぼまちがいなく)低下する。このような研究デザインだと運動指導だけでなく「おまじない」にも降圧効果があることになってしまう。本授業では、このようなヒトを対象としたスポーツと健康に関する研究のピットホール(落とし穴)を解説するとともに、科学的に正しい研究結果を生み出す研究デザインを紹介し、ヒト集団を対象に実施されたスポーツと健康に関する研究結果を適切に理解できる能力を養うとともに、研究デザインを適切に立案できる能力を養う。なお、スポーツ健康学の文脈においてはスポーツ傷害やスポーツパフォーマンスも扱う。
到達目標Goal
① 運動疫学に関する基本的な考え方、基本用語、基本統計を学ぶ。
② 運動疫学に限らずスポーツ科学全般における研究結果を適切に理解できる能力を養う。
③ 運動疫学研究の研究デザインを適切に立案できる能力を養う。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「DP2」「DP3」「DP4」「DP5」「DP7」に関連
授業で使用する言語Default language used in class
日本語・英語併用 / Japanese & English
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
パワーポイントで作成した教材と数多くの先行研究や総説(叙述レビューおよび系統的レビュー)を通じて運動疫学研究の基本を理解するだけでなく、各テーマについて討議することによって理解を深める。また、研究結果を理解したり、研究を実施したりする場合に陥るピットホールの種類や危険性を具体例を通じて理解することにより、適切な研究デザインによって生み出された研究結果とはどのようなものであるかを理解する。さらに、講義や討議によって得られた知識を実習(グループワーク)を通じてしっかりと身に着ける。
※新型コロナウイルス感染症の感染拡大状況を鑑み、授業はオンライン(リアルタイム双方向型)と対面を織り交ぜながら進める。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
1回:運動疫学の基本および考え方
ガイダンス・自己紹介(講師、学生)・疫学のイメージを確認・疫学の基本や考え方について解説
2回:信頼性の高い健康情報とはどのような情報かを解説
信頼性の高い健康情報に関する解説と討議・ヘルスリテラシーに関連するピットホール(落とし穴)の紹介
3回:科学的根拠に基づく医療(EBM)およびスポーツ科学(EBSS)
科学的根拠(エビデンス)について解説・EBMおよびEBSSの概要や基本的な考えを解説
4回:疫学の基本用語・基本統計・ピットフォール(落とし穴)の紹介
疫学の基本用語を解説・基本統計の紹介・疫学研究におけるピットフォールの代表(選択バイアス、交絡等)を解説
5回:記述疫学研究の概要紹介
記述疫学研究の概要を説明・記述疫学研究として国民健康・栄養調査や各種統計調査を紹介し解説
6回:地域相関研究の概要紹介
地域相関研究の概要を説明・地域相関研究としてニホンサン研究や赤ワインと心臓病に関する研究等を紹介し解説
7回:横断研究の読み方、やり方
横断研究の概要とピットフォールを紹介・横断研究の読み方や実施方法を解説
8回:症例対照研究の読み方、やり方
症例対照研究の概要とピットフォールを紹介・症例対照研究の読み方や実施方法を解説
9回:コホート研究の読み方、やり方
コホート研究の概要とピットフォールを紹介・コホート研究の読み方や実施方法を解説
10回:ランダム化比較試験の読み方、やり方
ランダム化比較試験の概要とピットフォールを紹介・ランダム化比較試験の読み方や実施方法を解説
11回:実習|オリエンテーション・研究疑問の検討
実習(授業で紹介した疫学研究手法を用いて研究疑問の解決に向けた研究デザインを構築)の進め方を説明。各自で研究疑問に関連する先行研究について文献調査。
12回:実習|仮想研究デザインの立案
各グループごとに先行研究を参考にしてリサーチクエスチョンを解決するための仮想研究デザインを立案
13回:実習|仮想研究デザインの発表準備
パワーポイントを用いて、各グループごとに立案した仮想研究デザインの紹介スライドを作成
14回:仮想研究デザインの発表と授業の総括
各グループごとに立案した仮想研究デザインを学会形式で発表し、質疑応答を通じて運動疫学に対する理解を深める
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
各授業前に、予習として授業テーマに関する事項をインターネット等を利用して確認しておくこと。各授業後には復習として授業で学んだ部分について参考図書を読んで内容を確認すること。本授業の準備学習・復習時間は各2時間を標準とする。
テキスト(教科書)Textbooks
特定のテキストは使用せず、毎回、関連文献・関連総説・資料等を配布する。
参考書References
・はじめて学ぶやさしい疫学(改訂第3版)
・基礎から学ぶ楽しい疫学(改訂4版)
・身体活動・座位行動の科学~疫学・分子生物学から探る健康~
・医学的研究のデザイン:研究の質を高める疫学的アプローチ
成績評価の方法と基準Grading criteria
授業における積極的な発言や質問等の授業態度、グループワークに対する参画度や貢献度、グループワークで作成した仮想研究デザインの内容や発表態度、質疑応答内容により評価する。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
クラスサイズが小さいため、各受講生の研究内容や個別の要望を聞き、適宜修正しながら授業を展開する。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
プレゼンテーションができるよう、プレゼンソフトが入ったノートPCを毎回の授業で持参すること。
その他の重要事項Others
特になし