デザイン工学研究科Graduate School of Engineering and Design
CST500N3(土木工学 / Civil engineering 500)災害リスクマネジメント概論Introduction to Disaster Risk Management
馬場 仁志Hitoshi BABA
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | デザイン工学研究科Graduate School of Engineering and Design |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2021 |
授業コードClass code | U2002 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 春学期前半/Spring(1st half) |
曜日・時限Day/Period | 水3/Wed.3 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | |
配当年次Grade | |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | ○ |
選択・必修Optional/Compulsory | 選択 |
入学年度Admission year | |
カテゴリーCategory |
修士課程 都市環境デザイン工学専攻 基盤科目 |
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Outline (in English)
Our society is faced with various disaster risks. This course will introduce the concept of risk management, analyze examples of responses to natural disasters in Japan and overseas, and deepen understanding of comprehensive disaster prevention methodology.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語・英語併用 / Japanese & English
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
社会に存在する様々な災害リスクにどう対処していくべきか。リスクマネジメントの概念を学習し、日本および海外における自然災害への対応事例を分析、総合的な防災の方法論について理解を深める。
到達目標Goal
1) 災害リスクマネジメントサイクルの各段階について内容を理解し、バランスよく防災の取り組みを考察できるようになる。
2) 災害リスクマネジメントにおける日本と世界との違いを、地理的・歴史文化的に理解し、リスク削減における国際協力を進めるうえでの方向性や課題について深い議論ができるようになる。
3) 危機対応における組織の役割や連携の重要性について理解し、災害に対する地域社会のレジリエンス向上に必要な知識と方法論を身に着ける。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
デザイン工学部都市環境デザイン工学科ディプロマポリシーのうち、「DP3」に関連
授業で使用する言語Default language used in class
日本語・英語併用 / Japanese & English
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
新型コロナウィルス感染症対策による授業スケジュール変更により、4月21日開始、春学期内で終了予定とします。YouTube教材を作成します。
大きく3部に分け、第1部は「災害リスクマネジメント総論」、第2部は「災害リスク削減」、第3部は「災害事態への対応」とし、リスクマネジメントにおける全体像をまず学習したうえで、平時、有事の各対応を明確に区別して理解を深めることとする。
第1部では「災害リスクマネジメントとは」、「世界の災害と防災および日本の貢献」、「日本の災害と防災」、「都市デザインにおける防災の主流化」、第2部では「日本の治水史」、「気候変動に適応する社会とは」、「リスク削減における目標設定と効果」、「フィールドワーク」、第3部では「危機管理システムと危機対応能力」、「地域社会のセキュリティ確保」、「地域のレジリエンス向上」、「フィールドワーク」を行う。
最後に「都市計画の実例研究」、「研究レポート発表」で総括する。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
あり / Yes
授業計画Schedule
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
1:災害リスクマネジメントとは
リスクとは何か、災害とは何か等、リスクマネジメントの概念と定義を学び、今後の授業コースの基礎となるべく防災に関する知識のベースラインを形成する
2:世界の災害と防災および日本の貢献
世界各地で発生する災害の特徴、UNDRRの仙台行動枠組みと各国の取り組み、日本の貢献、JICAによる防災分野の国際協力の方針と実績について理解する
3:日本の災害と防災
災害が多発する日本の地理的・歴史的条件を振り返るとともに、災害対策基本法をはじめとする日本の防災に関する法制度や組織関係を理解する
4:都市デザインにおける防災の主流化
都市計画の中に防災の視点を導入するために必要な要素は何か、行政・企業や組織・個人それぞれの役割と責任、連携の在り方や行動について学ぶ
5:日本の治水史
日本の国土形成において重要な役割を担ってきた治水の歴史とその社会背景に焦点を当て、災害リスク削減における地域社会の認識構造について議論する
6:気候変動に適応する社会とは
気候変動、都市化、経済発展、人口高齢化問題など、近年の変動要素を踏まえた災害リスク管理はどうあるべきか、世界の趨勢と議論の方向性を探る
7:フィールドワーク
東京を洪水災害から守るためのインフラ整備について、代表的現場を見学しながら歴史と現状を学外実習する
8:フィールドワーク
大規模な災害が発生した際の行政や組織の対応について、シミュレーション演習を交えながら学外実習する
9:危機管理システムと危機対応能力
危機管理システムに含まれる各種要素、それらにより形成される組織や地域の危機管理能力はどのように評価されるのか、実例を交えて理解を深める
10:地域社会のセキュリティ確保
世界の標準的な緊急時総合調整システムであるICS、組織の危機管理・事業継続に必要なBCMS、その他の社会安全を構成する要素とを理解する
11:地域のレジリエンス向上
大規模あるいは広域的な災害時には個別組織の対応だけでは限界があることから新たに開発された地域全体のレジリエンスを高める取り組み=Area BCMについて学ぶ
12:地域防災計画の実例研究
防災基本計画と地域防災計画および地区防災計画の実例を分析し、課題を理解したうえで修正案を考察する
13:都市計画の実例研究
津波避難施設整備指針例などを基に具体的な都市計画と危機管理システムの設計を試み、その成果を取りまとめる
14:研究レポート発表
これまでの研究成果を発表・相互評価し、防災のエキスパートとして活躍するには何が必要かを議論する
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
フィールドワークでは、行政機関が開放している学習施設を訪問し、災害に対応しながら発展してきた都市の歴史と現状の体制などを学び、防災に関係する組織の役割、関係法令、答申などを調べ、都市計画に必要な関連知識を学ぶ
本授業の準備学習・復習時間は、各2時間を標準とします。
テキスト(教科書)Textbooks
「災害リスクマネジメント概論」(初回にPDFで配布)
参考書References
災害危機管理論入門、吉井裕明+田中 淳、弘文堂
防災学原論、岡田憲夫監修、築地書房
災害の経済学、馬奈木俊介、中央経済社
その他適宜追加する。
成績評価の方法と基準Grading criteria
レポート発表60点、平常点(討議への参加)40点
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
毎年発生する災害から得られる新たな知見を考察するとともに、国連DRRによる災害リスク削減仙台行動枠組みの対応状況など、最新動向を交えて常に変化する災害リスクへの取り組みを評価する。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
講義にPPT使用。適宜資料を配布する。
その他の重要事項Others
国際協力機構(JICA)を通じて多くの発展途上国で指導をしている現役の国際協力機構専門員が、世界と日本の災害リスクマネジメントの現状と課題を解説する。