キャリアデザイン学研究科Graduate School of Career Studies
MAN500M1－1404（経営学 / Management 500）人事組織経済学Personal Economics
梅崎 修Osamu UMEZAKI
授業コードなどClass code etc
| 学部・研究科Faculty/Graduate school | キャリアデザイン学研究科Graduate School of Career Studies |
| 添付ファイル名Attached documents | |
| 年度Year | 2023 |
| 授業コードClass code | X8017 |
| 旧授業コードPrevious Class code | |
| 旧科目名Previous Class title | |
| 開講時期Term | 秋学期授業/Fall |
| 曜日・時限Day/Period | 火6/Tue.6,火7/Tue.7 |
| 科目種別Class Type | |
| キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
| 教室名称Classroom name | 各学部・研究科等の時間割等で確認 |
| 配当年次Grade | |
| 単位数Credit(s) | 4 |
| 備考（履修条件等）Notes | |
| 実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
| カテゴリーCategory |
プログラム科目 ビジネスキャリアプログラム |
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Outline (in English)
This course will overview major topics in personnel and organization
Before/after each class meeting, students will be expected to spend one hour to understand the course content.
Final grade will be calculated according to the following process Report(50%) and in-class contribution(50%).
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的（何を学ぶか）Outline and objectives
経済学と言うと、市場の分析であると考える方も多いと思います。もちろん、労働市場の分析はキャリア研究にとって重要なテーマですが、それ以外に組織や人事に対しても経済学は有効な分析枠組みです。最近は、行動経済学など心理学と境界領域の経済学、また制度派経済学にはインタビュー調査を多用する研究の伝統があります。この授業では，まず受講生の関心テーマを考慮しつつ、人的資本，情報の非対称性，インセンティブ，行動経済学などの理論・概念を学びます。加えて，企業内人事データの統計分析やインタビュー調査事例を通して調査手法についても実践的に学びます．人事管理と組織デザインの具体的事例を知るだけでなく、それらを分析できる思考を身に付け、論文を書く能力を身につけることを目標としています。論理的思考方法と多様な調査方法の習得は、実際のビジネス意思決定にも役立つでしょう。
到達目標Goal
理論と調査・分析手法を使いこなせること、具体的には、組織や人事制度、組織内行動の解釈をインセンティブ理論や人的資本理論などによって説明可能になることなどを目標とする。修士論文作成のために必要な計量分析とインタビュー調査の実証方法も「分析結果を読める」ことはもちろんですが、「自分で分析できる」までになる。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか（該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連）Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち，「DP1」に関連
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)（学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. ）
人事経済学（Personnel Economics）と組織経済学（Economic Approaches to Organizations）の理論と調査事例を解説します。はじめに理論と概念を解説した後に、具体的な企業事例を紹介し、参加者と議論します。理論解説→分析事例の紹介→議論という流れの中で、論理的思考方法を学びます。また、具体的分析事例を紹介しますが、その際、データの扱い方・インタビュー方法、読み方についても習得できるように講義・議論します。なお、授業は2回連続で行い、半期で終了します。課題等の提出は授業支援システムを利用し、フィードバックはを授業時間内とオフィスアワーを通じて行う予定です。また、対面での授業を考えておりますが、コロナの感染状況を踏まえ、受講生の基礎疾患等を考慮して実施形態を個別に検討することになります。
アクティブラーニング（グループディスカッション、ディベート等）の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク（学外での実習等）の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching：対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回[オンライン/online]：経済学・経営学の位置づけ
経済学・経営学の学び方について入門説明。
第2回[オンライン/online]：問いの立て方、論文の読み方、議論の仕方。
研究デザインについて講義する。
第3回[対面/face to face]：研究計画の立て方
問い→テーマ設定→理論検討→調査デザインの流れを講義する。
第4回[対面/face to face]：官庁統計、白書、調査報告書の探し方
データや文献の探し方について講義する。
第5回[対面/face to face]：労働統計・ヒアリング調査事例
『労働・職場調査ガイドブック』を使いながら、調査の全体像をつかむ。
第6回[対面/face to face]：様々な調査方法の紹介
『労働・職場調査ガイドブック』を使いながら、質的調査と量的調査の手法を紹介する。
第7回[対面/face to face]：情報の経済学
情報の非対称性とシグナリング理論を解説。
第8回[対面/face to face]：情報の経済学（事例紹介）
就職・転職などの調査研究を紹介し、調査の結果と方法を議論する。
第9回[対面/face to face]：内部労働市場
取引費用の発生と内部労働市場論を解説。
第10回[対面/face to face]：内部労働市場（事例紹介）
取引費用の発生と内部労働市場論の調査研究を紹介し、調査の結果と方法を議論する。
第11回[対面/face to face]：人的資本
人的資本理論、企業特殊的熟練を解説。
第12回[対面/face to face]：人的資本（事例紹介）
人的資本理論、企業特殊的熟練に関する調査研究を紹介し、調査の結果と方法を議論する。
第13回[対面/face to face]：生産現場の技能形成
生産システム論と知的熟練論を解説。
第14回[対面/face to face]：生産現場の技能形成（事例紹介）
ブルーカラーの職場観察とインタビュー調査を紹介し、調査の結果と方法を議論する。
第15回[対面/face to face]：オフィスの技能形成
ホワイトカラーの技能形成の理論、OJTやインセンティブ設計を解説。
第16回[対面/face to face]：オフィスの技能形成（事例紹介）
ホワイトカラーの技能形成における実証研究を紹介し、調査の結果と方法を議論する。
第17回[対面/face to face]：集団的創造性とイノベーション
経営学の関連領域まで広げながら、創造性とイノベーションの理論を紹介します。
第18回[対面/face to face]：集団的創造性とイノベーション（事例紹介）
集団的創造性が生まれる空間とコミュニケションの調査事例を紹介しつつ、調査の結果と方法を議論する。
第19回[対面/face to face]：組織内競争と動機付け
競争と動機付け、講堂経済学の理論を紹介する。
第20回[対面/face to face]：組織内競争と動機付け（事例紹介）
キャリアツリー法、賃金設計などの調査事例を紹介しつつ、調査の結果と方法を議論する。
第21回[対面/face to face]：人事マイクロデータの統計分析
人事マイクロデータを使って研究を紹介します。
第22回[対面/face to face]：人事マイクロデータの統計分析の実習
実際の人事マイクロデータを使ってExcelで統計分析を行います。
第23回[対面/face to face]：日本的雇用システムの歴史
日本的雇用システムの研究史について紹介します。
第24回[対面/face to face]：日本的雇用システムの現在
最新の雇用システムの調査を紹介し、議論します。
第25回[対面/face to face]：応用：若者雇用、女性労働、高齢者雇用
理論を踏まえた応用分野の研究を紹介します。
第26回[対面/face to face]：応用：若者雇用、女性労働、高齢者雇用（事例紹介）
若者雇用、女性労働、高齢者雇用について、私が行なった調査を紹介しながら、受講生と議論します。
第27回[対面/face to face]：応用：雇用問題、労使関係、雇用政策
発言ー退出モデルなどの労使関係の理論を解説します。
第28回[対面/face to face]：応用：雇用問題、労使関係、雇用政策（事例紹介）
雇用問題、労使関係、雇用政策について私が行なった調査を紹介しながら、受講生と議論します。
授業時間外の学習（準備学習・復習・宿題等）Work to be done outside of class (preparation, etc.)
授業の予習として、関連論文1本を読んでもらいます。学部レベル教科書の予習は理論の解説の事前準備になりますし、関連論文の予習は受講生とのディスカッションの前提となります。論文で使われている調査方法の解説は、皆さんが修士論文を書く時に役立つでしょう。本授業の準備学習・復習時間は、各4～5時間を標準とします。
テキスト（教科書）Textbooks
教科書を使わずに、レジュメを配布しながら解説します。ただし、講義前に参考文献を読んでもらいます。また、調査方法については、以下の本（一部）を使って解説します。調査方法習得に役立つと思います。
梅崎修・池田心豪・藤本真『労働職場調査ガイドブック－多様な手法で探索する働く人たちの世界』（中央経済社）
参考書References
参考文献
小池和男（2005）『仕事の経済学』（東洋経済新報社）
松繁寿和（2008）『労働経済』（放送大学教育振興会）
ラジアー(2000)『人事と組織の経済学』(樋口・清家訳：日本経済新聞社)(Lazear, E. “ Personnel Economics for Managers” John Wiley & Sons Inc)
学部向け教科書ですが、以下の本はデータが豊富で役立ちます。
松繁寿和・阿部正浩編（2010）『キャリアのみかた』（有斐閣）
成績評価の方法と基準Grading criteria
平常点（50％）・・・議論への参加を評価します。
レポート課題（50％）・・・議論を発展させたレポート課題を提出してもらいます。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
理論の紹介に関しては、基礎的文献や教科書を紹介して理解を深めるようにします。事例紹介では、修士論文のための調査法を意識して解説・議論します。統計分析、インタビュー調査の習得を意識します。
担当教員の専門分野等
労働経済学、人的資源管理、教育経済学
共編著『労働職場調査ガイドブック－多様な手法で探索する働く人たちの世界』（中央経済社,2019）
単著『日本のキャリア形成と労使関係—調査の労働経済学』（慶應義塾大学出版会,2021）
共編著『大学生の内定獲得―就活支援・家族・きょうだい・地元をめぐって』（法政大学出版局,2019）
共編著『学生と企業のマッチング－データによる探索』法政大学出版局,2019）