社会学研究科Graduate School of Sociology
SOC500E1-2218(社会学 / Sociology 500)メディア研究実習3Methods of Media Studies3
髙瀬 文人
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 社会学研究科Graduate School of Sociology |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2023 |
授業コードClass code | X6030 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 秋学期授業/Fall |
曜日・時限Day/Period | 木6/Thu.6 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | 各学部・研究科等の時間割等で確認 |
配当年次Grade | |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | 2022年度以前「取材文章実習」を修得済みの場合は履修不可 |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience |
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Outline (in English)
[Course outline]
Story in Jounalism can be expressed as "It was thought based on the fact and its expression." The way to gather facts, evaluate the derived conclusions and express them properly is fundamental not only for journalism and academic things but also for all ideas, its importance is increasing more and more I will.
[Learning Objectives]
In this classloom, you will master the sentences of journalism (writing interviews) linked with your own way of thinking.
It aims at "learning skills".
[Learning activities outside of classroom]
Before/after each class meeting, students will be expected to spend two hours to understand the course content.
[Grading Criteria /Policy]
Your overall grade in the class will be decided based on the following
Article writing: 50%、in class contribution: 50%
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
ジャーナリズムのコンテンツ、ことに取材文章は「事実に基づいた思考とその表現」と言い表すことができる。事実を集め、評価し、導き出される論理を展開し、適切に表現する方法は、ジャーナリズムや学問に限らず全ての思考の基本であり、その重要性はますます高まっている。この授業では、ジャーナリズムの基本的な論理構成や表現方法を学び、自分の思考法と関連づけて身につける。
到達目標Goal
・取材文章がどのような構造で作られているかを分析し、理解できる。
・新聞、雑誌、書籍、ウェブなどの媒体ごとに異なる、文章の特徴を理解できる。
・問題意識、事実の見かた、収集と整理、論理の展開と論証の基本的な技術を身につける。
・事実の確認と評価の方法を理解できる。
・インタビューをはじめとする取材方法を学ぶ。
・学んだ方法論をもとに、事実を知らせる文章を書く。
・学んだ方法論をもとに、複数の事実から新しい価値を生み出す文章を書く。
・他者が書いた文章を読解し、校正し、向上のための方針を立てる。
・媒体に合わせた発信方法を考え、文章を書き、仕上げる。
・取材者・表現者としての自らとメディア、そして社会との関わり合いについて考えられる。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「DP5」に関連
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
対面授業を予定しているが、新型コロナウイルス感染症の感染状況、また授業の内容によって、オンラインを併用することも考えられる。その都度、学生と打ち合わせの上決定したい。
「書く」ことで思考を深める授業の特性上、全体を通じて時間内に、あるいは課題として短い作文、あるいは取材に関連する簡単な作業を課し、それについての討論・添削を予定している。
授業は基本的に討論形式とし、講師と受講者、または受講者同士の討論を活発化することで気づきや深まりを期待する。
また、日本語文法などの短いレクチャーを適宜行い、より文章のスキルを高められるように授業を設計する。
受講生の関心などを考慮し、授業計画を変更する場合がある。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching:対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回[対面/face to face]:ジャーナリズムの発想とその思考法
ジャーナリズムとは何なのか。その原初的動機から、メディアの記事として作り上げ、それが社会に影響を与えるまでを概観する。
第2回[対面/face to face]:取材・整理・執筆プロセスとそれぞれの論理構造
事実の収集、その整理、文章表現によって完成される記事の制作プロセスは一貫して論理によって考える場である。その操作を考え、実習する。
第3回[対面/face to face]:「ニュースバリュー」と「キャンペーン」——社会を動かすメカニズム
記事を発表し、それが社会を動かすメカニズムは。報道が社会を動かす構造を知る。
第4回[対面/face to face]:表現方法と伝達手段の変化——ネットメディアの勃興とレガシーメディアの変容
ネットはニュースの伝わり方を変えたのみならず、ニュースそのものを変えたと言える。その構造を分析する。
第5回[対面/face to face]:誤報と「フェイクニュース」の差異と、その攻防
社会や国同士で分断が進んでいる。フェイクニュースはそれを助長するために仕掛けられることがある。その構造を分析する。
第6回[対面/face to face]:取材文章思考①テーマとリサーチ
取材の出発点である「発想」、方向性を決めるための情報収集である「リサーチ」はどのようにしたらよいか、どんな手段があるか。簡単な実践をしながらそれらの「方法」を身につける。
第7回[対面/face to face]:取材文章思考②取材と情報整理
「取材」とは何をするのか。取材文章思考①での準備を踏まえて取材計画をどのように立て、実行するかを、「取材執筆実習」の回に向けて計画する。取材をどのように記録し、情報を整理するかを学ぶ。簡単なワークショップを行う予定。
第8回[対面/face to face]:取材文章思考③伝えるための文章の構造・執筆のルール
取材で得、整理した事実を組み立て、執筆の方向性を決め、執筆にかかる。その論理の組み立てと、文章の基本について、簡単なワークショップを行う予定。
第9回[対面/face to face]:取材執筆実習①取材・インタビューの実際
実際にインタビューを行う実習回。
第10回[対面/face to face]:取材執筆実習②情報整理と執筆の実際
取材で得た情報を整理し、筋書きにまとめ、執筆する作業を行う。授業時間内に終えることができない場合は、課外の時間を使って仕上げることも想定される。
第11回[対面/face to face]:取材執筆実習③中間まとめと発表
第9回で取材した文章をいったんまとめて発表し、受講者相互・講師によって不足している観点や取材などをチェックし、完成に向けて進める。
第12回[対面/face to face]:取材執筆実習④発信を踏まえた編集実習
受講生は、他の受講生が仕上げた原稿を、編集者の立場になって読み、校正し、よりよい内容になるよう添削・アドバイスする。受講生はそのアドバイスに従い、自らの原稿をさらにブラッシュアップする。
第13回[対面/face to face]:取材執筆実習⑤原稿の完成・発表
完成した原稿を発表、受講生と講師によって合評する。新聞、雑誌、放送、ネットなど、媒体によって適した文章の書き方がある。自分の記事をそれぞれの媒体で発信することを考えて、バリエーションを作ってみる。
第14回[対面/face to face]:媒体に合わせた文章表現、取材スキルとジャーナリズム、そして社会との関係
講義全体を通して得たスキルを振り返り、受講生自身の、これからのものの見方、考え方、表現のしかたにどう影響したかを考える。それを踏まえ、ジャーナリズムの社会における役割、さらに表現者としての自らのあり方について考えを進める。
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
事前の準備は特に必要としないが、ネットの報道のみならず、新聞・雑誌などオールドメディアの報道に慣れておくとよい。
簡単な調査や短い執筆をともなう宿題が4-5回程度出される予定。
本授業の準備学習・復習時間は各2時間を標準とする。
テキスト(教科書)Textbooks
教科書は使用しない。実習で使用する参考書は適宜案内するが、必ずしも購入する必要はない。
参考書References
『校正記号の使い方』『原稿編集ルールブック』(ともに日本エディタースクール)、
『(新版)日本語の作文技術』(本多勝一著、朝日文庫)『大人のための国語ゼミ』(野矢茂樹著、山川出版社)『報道記者のための取材基礎ハンドブック』(西村隆次著、リーダーズノート)
成績評価の方法と基準Grading criteria
到達目標へのプロセスにおける論理立てや思考の深まりを実践し、学生にその方法を自分のものとすることを重視している。そこで、授業における発言などの積極的な貢献度(50%)も高く評価する。討論などで貢献のある学生にはさらに加点していく。
取材文章の評価(50%)は講義を通しての成果物である。文章の評価は、文章の完成度とともに、問題設定や情報収集の方法や思考プロセスとその過程、さらに表現に意を払っているかに重点を置いている。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
文法など文章テクニックの短い講義・実習を織り込むことなどで、授業の目的である「問題意識の立て方」「事実の見かた・評価のしかた」「論理展開」について、受講生は一定のレベルに達することができた。今期は、受講生のそれまでの能力を判定し、そこに立脚してさらに実力を高める工夫を行いたい。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
スマホ、タブレット、PCなど、ネットに接続できる機器があるとよい。
その他の重要事項Others
教員は現役の記者、ノンフィクションライター、雑誌・書籍編集者、校正者として幅広い領域で活動しており、いま現在の実例を用いて、多様な観点をふまえて受講者と討論しながら取材文章に必要な思考と技術を学べるよう授業を設計している。
担当教員の専門分野等
<専門領域>
調査報道の雑誌記者・ノンフィクションライター、雑誌編集者・単行本編集者・校正者として執筆・編集業務全般にわたり携わる。
<研究テーマ>
調査報道の現代的あり方、リサーチ教育
<主要研究業績>
『リーガル・リサーチ』2003年、日本評論社
『ひと目でわかる六法入門 第2版』2018年、三省堂
『鉄道技術者 白井昭』2012年、平凡社