法務研究科Law School
LAW500A2(法学 / law 500)法と心理学Law and Psychology
高木 光太郎Kotaro TAKAGI
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 法務研究科Law School |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2023 |
授業コードClass code | V5421 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 秋学期授業/Fall |
曜日・時限Day/Period | 金2/Fri.2 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | 各学部・研究科等の時間割等で確認 |
配当年次Grade | 2~ |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | 選択 |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
カテゴリーCategory |
展開・先端科目群 先端 |
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すべて閉じるHide All
Outline (in English)
This course will provide students with an introduction to forensic psychology for lawyers. Students will learn about eyewitness testimony, forensic interview, statement credibility assessment, group decision making in citizen judge (saiban-in) system, counseling and crisis intervention for victims. Special attention will be given to understanding of vulnerable nature of human mental processes such as memory distortion in eyewitness testimony, suspect's suggestibility, biases in legal decision making, and PTSD.
The goal of this course is to enable students to understand psychological issues that arise in the field of law from a more multifaceted perspective, not only from the standpoint of legal practice and research but also from the standpoint of human science. Students are expected to read the relevant literature in the list of references distributed in the first class after completing each part of the course to gain a deeper understanding of the topic.
Students are required to submit a report at the end of the semester in which they comment on the lecture content from the perspective of legal practice, which will be used as the main material for evaluation (80%). The evaluation will be determined by a combination of this and ordinary points (20%).
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
この授業では法の現場にかかわる心理現象を「記憶」「コミュニケーション」「意志決定」「カウンセリング」の各領域に分けて解説する。授業全体を通して特に強調するのは人間の心理過程がもつVulnerability (脆弱さ) である。人間の心は一般に考えられているよりも誤りやすく傷つきやすい。それはたとえば記憶のゆがみ、推論のエラー、差別的態度、コミュニケーションの失敗、トラウマといった現象として法に関わる様々な場面にあらわれてくる。授業では、各領域の基礎的な心理学的知見について理解をしたうえで、それを法の現場で生じる諸問題と関係づけて、より具体的・現実的に理解することを目指す。
到達目標Goal
この授業では法をめぐる諸現象を人間行動の高次の形態としてとらえ、そこで生じる諸問題に関する心理学的研究の成果について解説する。これを通して、法の現場で生じる心理的な諸問題を、法実務・研究の立場だけではなく、人間科学的な立場とも結び付けて、より多角的に把握できるようになることが到達目標となる。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「DP5」と「DP6」に関連
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
授業は基本的に講義形式で行う。
授業期間内に数回程度リアクションペーパーの提出を求めるが、そこで出た疑問点や着眼点のうち重要なものについては、次回の授業内で紹介・解説し、クラス内での共有をはかる。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
なし / No
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching:オンライン/online
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回[オンライン/online]:イントロダクション
講義のねらい、概要などについて説明する。
[準備学習等]
シラバスの内容を十分に検討しておくこと。
第2回[オンライン/online]:記憶(1)記憶心理学の基礎
人間の記憶に関する心理学的研究の基本的な成果について、目撃証言の信用性の問題を視野に入れながら解説する。
[準備学習等]
第1回授業で配布する文献リストにある文献のうち、予め指示するものに目を通しておくこと。
第3回[オンライン/online]:記憶(2)目撃証言における記憶の変容
目撃証言の信用性をめぐる諸問題について、具体的な事例を提示しながら解説する。
[準備学習等]
第1回授業で配布する文献リストにある文献のうち、予め指示するものに目を通しておくこと。
第4回[オンライン/online]:記憶(3)目撃供述聴取の技法
目撃証言を適切に聴取することを目的に開発された捜査面接技法について解説する。
[準備学習等]
第1回授業で配布する文献リストにある文献のうち、予め指示するものに目を通しておくこと。
第5回[オンライン/online]:コミュニケーション(1)自白の生成過程
被疑者取調べにおける自白の生成過程について、特に虚偽自白の生成に注目して解説する。
[準備学習等]
第1回授業で配布する文献リストにある文献のうち、予め指示するものに目を通しておくこと。
第6回[オンライン/online]:コミュニケーション(2)被疑者取調べの技法
適切な被疑者取調べを行うために開発された捜査面接技法について解説する。
[準備学習等]
第1回授業で配布する文献リストにある文献のうち、予め指示するものに目を通しておくこと。
第7回[オンライン/online]:コミュニケーション(3)供述信用性評価
供述信用性評価技法のうち、人間の一般的心理特性を基準として利用する技法について解説する。
[準備学習等]
第1回授業で配布する文献リストにある文献のうち、予め指示するものに目を通しておくこと。
第8回[オンライン/online]:コミュニケーション(4)
供述信用性評価(つづき)
供述信用性評価技法のうち、供述の内容的側面および形式的側面に注目する技法について解説する。
[準備学習等]
第1回授業で配布する文献リストにある文献のうち、予め指示するものに目を通しておくこと。
第9回[オンライン/online]:コミュニケーション(5)
供述信用性評価(つづき)
供述信用性評価技法のうち特に供述の形式的側面に注目する技法を用いた鑑定事例を紹介する。
[準備学習等]
第1回授業で配布する文献リストにある文献のうち、予め指示するものに目を通しておくこと。
第10回[オンライン/online]:意志決定(1)共同的意志決定過程の基礎
複数の人が関与する意志決定過程の基本的な特徴について、裁判員裁判における評議を視野に入れながら解説する。
[準備学習等]
第1回授業で配布する文献リストにある文献のうち、予め指示するものに目を通しておくこと。
第11回[オンライン/online]:意志決定(2)裁判員裁判における意志決定支援
裁判員裁判の評議における意志決定を支援する「コミュニケーションデザイン」について解説する。
[準備学習等]
第1回授業で配布する文献リストにある文献のうち、予め指示するものに目を通しておくこと。
第12回[オンライン/online]:カウンセリング(1)臨床心理学的介入の基礎
心理的なカウンセリングの基礎理論と基本的手法について解説する。
[準備学習等]
第1回授業で配布する文献リストにある文献のうち、予め指示するものに目を通しておくこと。
第13回[オンライン/online]:カウンセリング(2)犯罪被害者等への心理的支援
犯罪被害者など心に深い傷を負った人々のコミュニケーションにおいて考慮すべき心理的要因について解説する。
[準備学習等]
第1回授業で配布する文献リストにある文献のうち、予め指示するものに目を通しておくこと。
第14回[オンライン/online]:まとめ
本講義の内容を振り返りまとめと質疑を行う。受講生からのリクエストがあれば、特定の話題について講義を行う場合もある。
[準備学習等]
第2回から第13回までの講義内容を振り返り、質問やディスカッションの準備をしておくこと。
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
第1回授業で配布する文献リストにある文献を各パートの終了後に読むことで、より深い理解を得ることができる。本授業の準備学習・復習時間は各2時間を標準とする。
テキスト(教科書)Textbooks
特に指定しない。
参考書References
第1回の授業で参考文献リストを配布する。
成績評価の方法と基準Grading criteria
法実務の視点から講義内容にコメントをするレポートを学期末に提出してもらい評価の主要材料とする(80%)。これと平常点(20%)をあわせて評価を決定する。
授業期間中における評価(平常点)
授業内での質疑や討論への参加状況 20%
期末における評価
レポート 80%
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
2021年度はオンラインでの授業実施であったため、受講者とのコミュニケーションを十分にとることが難しい状況であった。今年度の授業では、本授業の内容に関連する受講生の他授業における取り組みなどについても機会を設けて情報収集し、授業内容に反映できる事項を積極的に取り入れていくようにしたい。