法務研究科Law School
LAW500A2(法学 / law 500)倒産法ⅡInsolvency Law Ⅱ
杉本 和士Kazushi SUGIMOTO
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 法務研究科Law School |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2023 |
授業コードClass code | V5261 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 秋学期授業/Fall |
曜日・時限Day/Period | 火4/Tue.4 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | 各学部・研究科等の時間割等で確認 |
配当年次Grade | 2~ |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | 選択 |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
カテゴリーCategory |
展開・先端科目群 先端 |
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すべて閉じるHide All
Outline (in English)
-This course introduces the principles of insolvency law to students taking this course.
-The goals of this course are to
(1) obtain basic knowledge about the principles and proceedings of insolvency law.
(2) be able to understand and explain how to apply the principles and proceedings to the cases.
-Before/after each class meeting, students will be expected to spend four hours to understand the course content.
-Your overall grade in the class will be decided based on the following ; Term-end examination: 100%.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
・この講義では,倒産法(倒産処理法とも呼ばれる)を学修する。特に再建型手続の基本法である民事再生法に関するに関する基礎的な概念,規律及び手続についての学修を行い,修得することを目的とする(倒産法Iにおいて破産法をすでに学修していることを前提とする)。なお,倒産法の「基礎」を扱うとはいえ,再生手続に関する規律について詳細に扱う予定であるため,相応の学習が要求される点につき留意されたい(倒産事件を法律実務家として扱うために要求される「基礎」の修得を目的とするものだと理解されたい)。
到達目標Goal
・再生手続の手続構造を理解し,かつ,個々の規律を条文に即して説明することができる。
・民事再生法における実体的規律について,条文に即して基本的な規律の趣旨,要件等を具体例に即して適切に説明することができる。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「DP6」に関連
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
・教材として一定の範囲毎に講義ノートを配布し,各回,受講生の十全な予習を前提に,「読み切り形式」で講義ノートの該当範囲の講義を行う。併せて,適宜,事例や設問に関する質疑応答を行い,受講学生との双方向における議論を通じて,受講学生の理解を深める。
・各回の講義の初めに,前回の講義に関して学習支援システム上で提出されたリアクションペーパーの内容を採り上げて,全体に対してフィードバックを行う。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
なし / No
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching:対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回[対面/face to face]:民事再生法及び再生手続の概要
倒産法制全体における民事再生法の位置付け,再生手続全体の流れを,破産手続と比較しつつ概観する。
第2回[対面/face to face]:再生手続の開始
再生手続開始申立てから再生手続開始決定に至るまでの手続を扱う。特に保全措置,再生手続開始原因及び再生手続開始の効果について,破産手続と比較しつつ検討を行う。
第3回[対面/face to face]:再生債務者の地位・手続機関
再生手続における再生債務者の地位及びこれに関する規律について検討する。併せて,再生手続における他の手続機関(管財人,保全管理人,監督委員)についても扱う。
第4回[対面/face to face]:再生債務者財産とその調査及び確保―財産評定,営業・事業譲渡,法人役員等の責任追及
再生債務者財産の概念を確認した上で,再生債務者財産の調査及び確保に関する財産評定,営業・事業譲渡に関する許可の制度及び法人役員等の責任追及を検討する。
第5回[対面/face to face]:再生債権・共益債権・一般優先債権・開始後債権
再生債権,共益債権,一般優先債権及び開始後債権の概念及び要件,再生債権の届出・調査・確定の手続について,破産手続における破産債権及び財団債権の処遇と比較しつつ検討する。
第6回[対面/face to face]:再生債権の届出・調査・確定,係属中の手続関係の処理
再生債権の届出・調査・確定の手続について,破産手続における破産債権と比較しつつ,検討する。
再生手続開始時において係属中の手続関係の処理について,破産手続の場合と比較しつつ検討する。
第7回[対面/face to face]:再生計画の成立
再生計画の必要的記載事項及び任意的記載事項について具体例を示しつつ検討し,再生計画案の提出から再生計画の成立に至る手続規律を検討する。
第8回[対面/face to face]:再生計画の遂行,再生手続の終了,破産手続への移行;個人再生手続
再生計画の遂行過程を概観した上で,その変更又は取消しの規律について検討する。併せて再生手続の終了及び破産手続への移行に関する規律を扱う。
個人再生手続について,各手続の規律を扱う。
第9回[対面/face to face]:物的担保の処遇(1):再生手続における別除権の意義・範囲・行使
再生手続における物的担保の処遇に関する規律として,別除権の意義,範囲及びその行使の在り方について検討する。
第10回[対面/face to face]:物的担保(2):再生手続における別除権行使に対する再生債務者等の対処
再生手続における物的担保の処遇に関する規律として,再生手続における別除権行使に対する再生債務者等からの対処の在り方について検討する。
第11回[対面/face to face]:未履行契約処遇に関する一般原則と各種契約における特則
双方未履行双務契約の処遇に関する再生手続における一般原則と各種契約におけるその特則について破産手続と比較しつつ検討する。
第12回[対面/face to face]:相殺権(1):再生手続における相殺権の規律
再生手続における相殺権行使に関する規律について破産手続と比較しつつ検討する。
第13回[対面/face to face]:相殺権(2):賃貸人の再生手続における賃料債権,敷金返還請求権に関する特則,破産手続における規律との対比
賃貸人の再生手続における賃料債権及び敷金返還請求権に関する特則について,賃貸人破産の場合と比較しつつ,検討を行う。相殺権全般に関して,破産手続における規律との対比を整理する。
第14回[対面/face to face]:否認権
再生手続開始後の法律行為に関する規律を概観した上で,再生手続における否認権制度について検討し,否認権行使に関する規律について扱う。
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
・授業時間外の学習(予習・復習のほか,発展学習)に関する一般的な指示は,初回講義冒頭のガイダンスで行うほか,適宜,各回の講義の進行に応じて行う。併せて,予習用教材を配布する。
・なお,本授業の準備学習・復習時間は各2時間を標準とする。
テキスト(教科書)Textbooks
・講義は,教員の配布する講義ノート及び予習復習用教材を用いて進める。
・使用する教材等は,全て「法政大学学習支援システム」においてPDFファイルとして配布する。必ず受講前に各自で教材を準備しておくこと。
参考書References
・本格的な体系書又はコンメンタールとして,適宜,下記を参照することを推奨する。
伊藤眞『破産法・民事再生法』(有斐閣,第5版,2022年)
・判例集として,下記を指定する。
松下淳一=菱田雄郷編『倒産判例百選〔第6版〕』(有斐閣,2020年)
成績評価の方法と基準Grading criteria
・期末試験100%により評価する。なお,成績評価に際しては,上記の到達目標が指標となる。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
該当なし
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
なし
その他の重要事項Others
・この講義は,「倒産法I」において破産法に関する基礎を習得していることを前提に行う。したがって,「倒産法I」を履修していない者の履修は,原則として望ましくない(ただし,その場合の履修を妨げるものではなく,「倒産法II」からの履修を希望する者は,履修時に教員から学習の指示を受けなければならない)。