法務研究科Law School
LAW500A2（法学 / law 500）消費者法Consumer Law
桜井 健夫Takeo SAKURAI
授業コードなどClass code etc
| 学部・研究科Faculty/Graduate school | 法務研究科Law School |
| 添付ファイル名Attached documents | |
| 年度Year | 2023 |
| 授業コードClass code | V5151 |
| 旧授業コードPrevious Class code | |
| 旧科目名Previous Class title | |
| 開講時期Term | 春学期授業/Spring |
| 曜日・時限Day/Period | 木5/Thu.5 |
| 科目種別Class Type | |
| キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
| 教室名称Classroom name | 各学部・研究科等の時間割等で確認 |
| 配当年次Grade | 2～ |
| 単位数Credit(s) | 2 |
| 備考（履修条件等）Notes | 選択 |
| 実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
| カテゴリーCategory |
展開・先端科目群 先端 |
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Outline (in English)
Purpose of the lesson: Based on the knowledge of the basic law such as the Civil Code, we acquire knowledge about the consumer law (Consumer Contract Law, Specified Commercial Transactions Law, Installment Sales Law, and many other laws) and ability to apply it to practice.
Before each class meeting, students will be expected to have read the relevant chapter(s) from the text. Your required study time is at least four hours for each class meeting.
Grading will be decided based on lab reports (50%), Short examinations (30%), and the quality of the students’ experimental performance in the lab (20%).
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的（何を学ぶか）Outline and objectives
授業の概要： 民法を消費者法の視点から捉え直したうえ、消費者取引形態の切り口（特定商取引法の対象取引、割賦販売法の対象取引、インターネット取引）、消費者取引対象の切り口（消費者信用、金融商品、動産、不動産、医療サービス）で構成された各回のテーマごとに、判例等を素材としたケースについて、そのテーマに必要な法知識を前提に、結論に至る道筋を考えていく。
授業の目的： 民法等の基本法の知識を土台として、消費者法（消費者契約法、特定商取引法、割賦販売法、その他多数の法律）についての知識を修得し、実務に応用する力を身につける。
到達目標Goal
消費者問題の実情を把握し、消費者法の基本的な内容を理解したうえ、具体的ケースへの適用を通じて、法的思考力、法的判断力、法的批判力、法的展開力を身につける。同時に、民法の基礎知識（特に意思表示、契約、不法行為）を再確認し、その応用力を身につける。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか（該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連）Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「ＤＰ６」に関連
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)（学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. ）
消費者法の基礎知識については、教科書等による予習を求め、授業では、そのテーマの要点を講義した上、判例等を素材としたケースで、民法、消費者法の具体的な適用につき質疑、討議する方法をとる。毎回、授業の開始時に前回テーマについて小テストを行って理解と記憶の定着を確認し、必要なフィードバックを行う。（授業内でインターネットを使用することがある。）。弁護士としての実務経験を活かし、具体的問題解決に向けた視点も解説する。
アクティブラーニング（グループディスカッション、ディベート等）の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク（学外での実習等）の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching：対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回[対面/face to face]：オリエンテーション・消費者法総論
①消費者問題とは何か／②消費者問題の歴史／③消費者法とは何か／④消費者基本法／⑤消費者庁関連３法／⑥事例：民商法の形式的適用では不当な結果となる事例
［準備学習等］（参考書１の対応する章）第１章
第2回[対面/face to face]：消費者と契約１
①契約の拘束力についての民法の原則／②契約の存在・不存在／③契約の成立・不成立／④無効（公序良俗違反等）／⑤取消し（錯誤、詐欺、脅迫等）／⑥信義則による拘束力修正／
⑦拘束力を問題とせずに損害賠償で解決（取引型不法行為）／⑧事例：原野商法事例
［準備学習等］第２章、第３章
第3回[対面/face to face]：消費者と契約２（消費者契約法）
①取消し範囲の拡大（消費者契約法）／②無効条項の拡大（消費者契約法）／③事例１：誤認類型／④事例２：困惑類型／⑤事例３：無効条項（学納金返還訴訟）／⑥消費者団体訴訟制度の概要／⑦集団的消費者被害救済制度の概要／⑧差止め請求事例
［準備学習等］第４章
第4回[対面/face to face]：消費者と契約３（取引型不法行為）
①契約でなぜ不法行為責任？／②不法行為の要件と取引型不法行為の特徴／③事例：外国為替証拠金取引事例
［準備学習等］第５章
第5回[対面/face to face]：特殊取引（訪問販売、通信販売、電話勧誘販売、継続的役務提供契約、業務提供誘引販売、連鎖販売、訪問購入）
①特商法の概要解説／②訪問販売とクーリングオフ／③通信販売と広告規制／④継続的役務提供契約と中途解約／⑤事例：継続的役務提供契約中途解約事例
［準備学習等］第６章
第6回[対面/face to face]：支払決済（販売信用も含む）
①資金決済法、割賦販売法の概要解説／②事例１：クレジットと訪問販売事例／③事例２：電子マネーとサクラサイト被害事例
［準備学習等］第７章
第7回[対面/face to face]：消費者信用（多重債務）
①金利規制の考え方／②出資法、利息制限法、貸金業法、破産法、民事再生法等／③事例：多重債務事例（破産、個人再生、任意整理）
［準備学習等］第13章
第8回[対面/face to face]：金融商品の消費者問題
①金融商品取引法・金融サービス提供法の概要／②民法（不法行為・債務不履行（適合性の原則、説明義務等））／③事例１：証券取引事例／④事例２：デリバティブ取引事例
［準備学習等］第10章
第9回[対面/face to face]：動産の消費者問題（商品の安全）
①商品の安全性と消費者／②製造物責任法／③事例：製造物責任事例
［準備学習等］第11章
第10回[対面/face to face]：不動産の消費者問題
①欠陥住宅問題／②品確法の内容と適用範囲／③建築士との連携／④事例：欠陥住宅事例
［準備学習等］第12章
第11回[対面/face to face]：身体の消費者問題（医療サービス、医療事故）
①医療サービスの消費者問題／②医療事件の特徴（証拠保全、医師との連携）／③事例：医療事故事例
［準備学習等］第14章
第12回[対面/face to face]：インターネットの消費者問題（ネット取引、ネット自体の問題）
①プロバイダーとの契約問題／②ネット取引の法律問題（プラットフォーム関連法）／③個人情報の集積(個人情報保護法）、発信者情報問題（プロバイダー責任制限法）／④事例：プラットフォーム事業者の責任が問題となる事例または出会い系サイト事例
［準備学習等］第15章
第13回[対面/face to face]：紛争処理
①解決方法の選択／②ＡＤＲ、訴訟の実情／③消費者訴訟のポイント ④事例１：ワラント事例（法創造現象―説明義務の定着）／⑤事例２：変額保険事例（世間の常識と法常識の乖離―常識からの出発）
第14回[対面/face to face]：まとめとレポートの講評
①論点に対するアプローチ ②論理の流れ ③結論と理由の関係、論述の順序
授業時間外の学習（準備学習・復習・宿題等）Work to be done outside of class (preparation, etc.)
事前に教科書の次回の範囲等を読んで理解する。
事後に、授業中に行った小テストの解答やケースへの適用を意識して教科書等を読み復習する。本授業の準備学習・復習時間は各2時間を標準とする。
テキスト（教科書）Textbooks
日弁連編『消費者法講義（第5版）』（日本評論社，2018，4644円）
参考書References
１ 中田邦博・鹿野菜穂子編著『基本講義 消費者法（第4版）』（日本評論社，2022）
２ 大村敦志『消費者法（第4版）』（有斐閣，2011）
３ 河上正二・沖野眞己編『消費者法判例百選 第2版』（有斐閣，2020）
４ 桜井健夫ほか『新・金融商品取引法ハンドブック（第４版）』（日本評論社，2018）
成績評価の方法と基準Grading criteria
授業時間における評価（平常点）：毎回行うミニテスト 30点、質疑応答状況 20点
期末における評価：期末レポート 50点
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
変化の速い分野であるので、教科書が出版された2018年秋以降の実態変化、法改正、新法制定、裁判例をフォローする必要があり、それを整理してわかりやすく伝えるレジュメ等の資料が重要となる。毎年度、学生の反応や意見をもとに、相当時間をかけて資料を作成している。