法務研究科Law School
LAW500A2（法学 / law 500）現代的契約関係法Modern Contract Law
大澤 彩Aya OHSAWA
授業コードなどClass code etc
| 学部・研究科Faculty/Graduate school | 法務研究科Law School |
| 添付ファイル名Attached documents | |
| 年度Year | 2023 |
| 授業コードClass code | V4111 |
| 旧授業コードPrevious Class code | |
| 旧科目名Previous Class title | |
| 開講時期Term | 春学期授業/Spring |
| 曜日・時限Day/Period | 金4/Fri.4 |
| 科目種別Class Type | |
| キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
| 教室名称Classroom name | 各学部・研究科等の時間割等で確認 |
| 配当年次Grade | 2～ |
| 単位数Credit(s) | 2 |
| 備考（履修条件等）Notes | 選択 |
| 実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
| カテゴリーCategory |
展開・先端科目群 展開 |
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Outline (in English)
This course deals with the actual problem on the contract law, for exemple, the conclusion of the contract, the unfair contract terms, several type of contract. Especially, we will consider the new contract law after 2020. We will also deals with the problem on the contract party and the digitalization of contract.
The goals of this course are to understand the interpretation and the problem of these rules, with the case study. We will discuss the theory and actuel problem of these rules.
Before/after each class meeting, students will be expected to spend four hours for the analysis of cases in the text.
Grading will be decided based on Class manner, questions and answers (30%), and regular examination (70%).
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的（何を学ぶか）Outline and objectives
現代契約社会において、法律行為法などの契約の締結や内容規制に関する問題や、各契約類型における諸問題とそれに対する民法や特別法が有する役割や今後の課題を認識かつ検討することが本授業の目的である。具体的には、2020年から施行されている民法（債権関係）改正法で変容を受けた契約類型や民法の規定を中心的な素材としつつ、消費者や保証人といった、契約において劣位にある当事者をめぐる問題、さらには、契約の定型化やデジタル化といった現代の契約法が有する課題にも取り組む。
到達目標Goal
現代契約社会において、法律行為法や契約総論・各論の規定、さらには、関連する特別法の規定が、現代の契約をめぐる諸問題に対応する上で十分な意義を持っているか否か、および、残された課題は何かについて、具体的な事案をもとに検討する。特に、2020年から施行されている民法（債権関係）改正法の内容や意義を十分に理解できるようにする。これらを検討するために、本授業では、テキストの具体的な例題を通して、民法（特に債権法改正で変容を受けた規定）や特別法の理論的・実務的課題について双方向、多方向で分析する。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか（該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連）Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「ＤＰ６」に関連
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)（学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. ）
毎回、指定したテキストあるいは配布資料に掲載されている事例の検討を行う。その際には、テキストや配布資料に掲載されている債権法改正の内容や特別法の規定についても、自分で参考文献（必要に応じて指示する）を読んで予習して欲しい。
テキストや配布資料に示された課題については、授業の中でフィードバックする。
アクティブラーニング（グループディスカッション、ディベート等）の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク（学外での実習等）の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching：対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回[対面/face to face]：錯誤の現代化
いわゆる基礎事情錯誤規定新設の背景や今後の解釈の在り方の検討
［準備学習等］
テキスト1頁から16頁及び事前配付資料の検討
第2回[対面/face to face]：詐欺・強迫と消費者契約法
詐欺・強迫規定の限界と、消費者契約法4条による修正とその限界の検討
［準備学習等］
事前配付資料の検討
第3回[対面/face to face]：無効・取消しの効果
民法121条の2の新設の背景と解釈の検討
［準備学習等］
テキスト33頁から48頁及び事前配付資料の検討
第4回[対面/face to face]：定型約款規制
定型約款規定の解釈と消費者契約法による内容規制の検討
［準備学習等］
テキスト225頁から240頁及び事前配付資料の検討
第5回[対面/face to face]：不動産契約の諸問題①売買における契約不適合
売買における契約不適合責任についての検討
［準備学習等］
テキスト265頁から282頁及び事前配付資料の検討
第6回[対面/face to face]：不動産契約の諸問題②請負契約における契約不適合
請負の契約不適合責任についての検討
［準備学習等］
テキスト343頁から358頁及び事前配付資料の検討
第7回[対面/face to face]：賃貸借契約の諸問題ー原状回復義務について
賃貸借契約における原状回復義務についての検討
［準備学習等］
テキスト313頁から328頁及び事前配付資料の検討
第8回[対面/face to face]：サービス契約の諸問題
債権法改正論議における準委任規定の現代化についての検討
［準備学習等］
事前配付資料の検討
第9回[対面/face to face]：保証契約の諸問題
個人保証人の保護をめぐる規定の解釈と課題の検討
［準備学習等］
テキスト145頁から161頁及び事前配付資料の検討
第10回[対面/face to face]：複合契約論－デジタル・プラットフォームをめぐる諸問題
デジタル・プラットフォーム上の契約トラブルについての検討
［準備学習等］
事前配付資料の検討
第11回[対面/face to face]：債務不履行の現代化①損害賠償
債務不履行に関する新規定の検討
［準備学習等］
テキスト79頁から93頁及び事前配付資料の検討
第12回[対面/face to face]：債務不履行の現代化②解除
解除に関する新規定の検討
［準備学習等］
テキスト255頁から268頁及び事前配付資料の検討
第13回[対面/face to face]：消滅時効の現代化
新しい消滅時効法制の検討
［準備学習等］
テキスト49頁から63頁及び事前配付資料の検討
第14回[対面/face to face]：契約法をめぐる今後の課題－債権法改正の残された課題と契約当事者間の格差について
債権法改正で採用されなかった事情変更の原則や契約当事者の格差に関する規定の検討
［準備学習等］
事前配付資料の検討
授業時間外の学習（準備学習・復習・宿題等）Work to be done outside of class (preparation, etc.)
テキストの該当頁及び毎回、事前配布する資料に目を通しておくこと。特に指定するテキストや配布資料の事例についての解答をあらかじめ作成しておくこと。本授業の準備学習・復習時間は各2時間を標準とします。
テキスト（教科書）Textbooks
森田宏樹監修『ケースで考える債権法改正』（有斐閣、2021年）
さらに、理解の手助けとして事前配布資料を用意する予定である。
参考書References
演習事例が掲載されている、千葉恵美子ほか編『Law and Practice民法Ⅰ総則・物権』『Law and Practice 民法Ⅱ債権』（商事法務、2022年）。
改正債権法に関する書籍として、筒井健夫・村松秀樹編著『一問一答 民法（債権関係）改正』商事法務、2018年、潮見佳男『民法（債権関係）改正法の概要』きんざい、2017年、大村敦志＝道垣内弘人編『解説民法（債権法）改正のポイント』（有斐閣、2017年）松岡久和ほか編『改正債権法コンメンタール』（法律文化社、2020年）。改正債権法に関する演習本として、潮見佳男ほか編著『Before/After民法改正（第2版）』（弘文堂、2021年）
契約法に関する書籍として、中田裕康『契約法（新版）』（有斐閣、2021年）、中田裕康『債権総論（第4版）』（岩波書店、2020年）。
成績評価の方法と基準Grading criteria
①契約法をめぐる諸問題の内容を正確に理解できているか。
②その諸問題を解決する上での理論的・実務的課題を抽出・理解できているか。
③債権法改正に基づく影響を正確に理解しうるか否か
等を評定の基準とする。
授業期間中における評価（平常点）
授業中の質疑応答３０％
期末における評価
定期試験 ７０％
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
本年度授業担当者変更によりフィードバックできません。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
特にない。
その他の重要事項Others
民法は民法の規定だけではなく、借地借家法や消費者契約法などの特別法による修正を受けながら発展しています。契約法をめぐる諸問題を検討する上では、民法（特に債権法改正による変容を受けた規定）だけではなく、これらの特別法についても学ぶことが、実務家を目指す皆さんには求められます。担当教員は、民法（特に契約法）だけではなく消費者法も専門としています。