法務研究科Law School
LAW500A2（法学 / law 500）民法演習ⅢSeminar on Civil Law Ⅲ
滝沢 昌彦Masahiko TAKIZAWA
授業コードなどClass code etc
| 学部・研究科Faculty/Graduate school | 法務研究科Law School |
| 添付ファイル名Attached documents | |
| 年度Year | 2023 |
| 授業コードClass code | V1542 |
| 旧授業コードPrevious Class code | |
| 旧科目名Previous Class title | |
| 開講時期Term | 秋学期授業/Fall |
| 曜日・時限Day/Period | 水5/Wed.5 |
| 科目種別Class Type | |
| キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
| 教室名称Classroom name | 各学部・研究科等の時間割等で確認 |
| 配当年次Grade | 2 |
| 単位数Credit(s) | 2 |
| 備考（履修条件等）Notes | 選択 |
| 実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
| カテゴリーCategory |
法律基本科目群（応用科目） 民事系 |
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Outline (in English)
The purpose of this seminar is to discover what is the problem in cases including various problems related to Japanese benevolent intervention in another's affairs, unjust enrichment and tort law, and then to discuss logically based on judgments and theories. Your study time will be more than four hours for a class. Your overall grade in the class will be decided based on the following Term-end examination:80%, Mid-term report:10%, and in-class contribution:10%.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的（何を学ぶか）Outline and objectives
債権各論の内いわゆる法定債権、すなわち、事務管理、不当利得および不法行為（６９７条から７２４条の２まで）を扱う。もっとも、民法は全体として一つの体系をなしているので、必ずしも条文の順に従って扱うわけではなく、また、適宜、関連する分野にも触れることになる。そして、これが民法全体の総復習の機会にもなる。
授業の形式としては、事前に提示した事例問題に基づいて、教員と学生との対話や学生同志の討論を行う。単なる暗記勉強ではなく、議論を通じて相手を説得する能力を養う為である。
到達目標Goal
まずは、基本的な概念や制度を確認して、問題となる論点についての判例や学説についての理解を深める。この講義は、民法全体について一通りの知識があることを前提としているので、ここまでは当然のことのようであるが、一度勉強した位で全範囲について深く正確な知識を取得していることは期待できないので（それは分かっている）、基礎的な知識の確認をする。その範囲・理解度については、いわゆるコア・カリキュラムの修得が（最低限の）目標である。
そして、さらに、未知の問題に直面したときに、自分の知識から推して考える応用力を養うことも目標である。上記のように、これは判例や学説を参考にしつつ、相手を納得させる独自の議論を展開する説得力を身につけることである。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか（該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連）Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「ＤＰ１」と「ＤＰ２」に関連
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)（学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. ）
上記のように、事前に提示した事例問題について対話や討論によって授業を進める。また、文章を書く能力を養う為に、レポートを（最低１回は）課す予定である。この場合、レポートは添削して返却する。
アクティブラーニング（グループディスカッション、ディベート等）の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク（学外での実習等）の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching：対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回[対面/face to face]：事務管理
事務管理の成立要件および効果 代理との関係
第2回[対面/face to face]：不当利得 ①：給付利得
不当利得の一般的な理解（成立要件）と類型論 給付利得としての双務契約の清算方法
第3回[対面/face to face]：不当利得②：侵害利得・支出利得
類型論のうち侵害利得と支出利得 侵害利得と物権法との対比
第4回[対面/face to face]：不当利得③：不当利得の三角関係
三当事者間における不当利得 転用物訴権に関する判例・学説
第5回[対面/face to face]：不法行為の要件①：過失故意・過失
不法行為の成立要件の枠組み（客観的要件と主観的要件） 主観的要件：故意・過失
第6回[対面/face to face]：不法行為の成立要件②：違法性・因果関係
不法行為の客観的成立要件：違法性と因果関係 事実的因果関係と相当因果関係
第7回[対面/face to face]：不法行為責任の効果①：損害賠償等
損害概念：差額説・損害＝事実説 相当因果関係 損害額の算定
第8回[対面/face to face]：不法行為の効果②：責任能力・正当防衛等
責任能力 正当防衛・緊急避難 その他の違法性阻却事由
第9回[対面/face to face]：不法行為の効果③：過失相殺
過失相殺 被害者側の過失 共同不法行為における過失相殺
第10回[対面/face to face]：特殊な不法行為①：監督者責任
監督義務者の責任 監督義務者固有の（７０９条による）責任
第11回[対面/face to face]：特殊な不法行為②：使用者責任
使用者責任の主な場合と判断基準
第12回[対面/face to face]：特殊な不法行為③：土地工作物責任
土地工作物責任の主な場合と判断基準 （瑕疵に関する）客観説と義務違反説
第13回[対面/face to face]：特殊な不法行為④：製造物責任等
製造物責任 欠陥概念
第14回[対面/face to face]：特殊な不法行為⑤：共同不法行為
主観的関連共同性と客観的関連共同性 競合的不法行為
授業時間外の学習（準備学習・復習・宿題等）Work to be done outside of class (preparation, etc.)
毎回の事例問題について、事前に、どの条文が適用されるのか、その際どのような問題が生じるのかを考え、各自の教科書などを参考にして判例や学説を調べて自分の見解をまとめてくる必要がある。なお、本授業の準備学習・復習時間は各２時間を標準とする。
テキスト（教科書）Textbooks
あえて指定しないが、いわゆる体系書を各自で１冊は準備してほしい。
参考書References
いわゆる共著の教科書としては、滝沢昌彦ほか『新ハイブリッド民法４債権各論』（法律文化社・２０２２年）を挙げさせてもらうが、他にも良書はある。単著のものとしては、最近では潮見佳男『基本講義 債権各論Ⅱ 不法行為法（第４版）』（新世社・２０２１年）などがある。なお、窪田充見＝森田宏樹編『民法判例百選Ⅱ債権（第９版）』（有斐閣・２０２３年）は基本的な必須文献として備えてほしい。
成績評価の方法と基準Grading criteria
授業期間中における評価（平常点）
授業態度、質疑応答 １０％
レボート １０％
期末における評価
定期試験 ８０％
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
事例について具体的なイメージにするため、時系列、関係図を板書することとする。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
（全く当然であるが）六法（小型のものでよい）は毎回持参すること。