通信教育部(通信学習)School of Correspondence Education (Correspondence Learning)
PHL100TA(哲学 / Philosophy 100)論理学Logic
教科担当責任者 / Instructor in charge of class:計良 隆世Ryusei KEIRA
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 通信教育部(通信学習)School of Correspondence Education (Correspondence Learning) |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2023 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
担当者Instructor name | 大貫 義久、計良 隆世 |
科目種別Class Type | 通信学習(リポート・試験) |
履修学年Grade | 1~4 |
単位数Credit(s) | 4 |
備考(履修条件等)Notes | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
カテゴリーCategory | 一般教育・語学・保健体育科目 |
すべて開くShow all
すべて閉じるHide All
Outline (in English)
This is mainly a course to learn Western traditional logic. The main aim of this course is to help students acquire the basic knowledge and skills needed to make valid immediate and mediate (syllogistic) inferences.
This course also gives students a simple introduction to modern propositional logic through learning the meaning of logical connectives, truth-value analysis, the forms of tautologies and so forth.
Final grade will be decided based on an exam for credit. Previously submitted reports will be considered in determining the final grade.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
【学習の到達目標】Goal
論理学の基礎を学び、正しい論理的思考または正しい推論を行うのに必要とされる基礎的な知識と技術を習得することが、本科目の到達目標です。この学習を通して、自分が行う思考や推論のみならず、他者が述べる意見や論証が論理的に正しく行われているかどうか、批判する能力を身につけることも可能となります。
【この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)】Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
論理学の基礎を学び、正しい論理的思考または正しい推論を行うのに必要とされる基礎的な知識と技術を習得することが、本科目の到達目標です。この学習を通して、自分が行う思考や推論のみならず、他者が述べる意見や論証が論理的に正しく行われているかどうか、批判する能力を身につけることも可能となります。
【授業で使用する言語】Default language used in class
日本語 / Japanese
【科目の概要】Method(s)
論理学は、思考の内容、即ち、何を考えるべきかを問題とする学問ではなく、正しく考えるためにはどのように考えるべきかという思考の形式および法則を研究する学問です。
本科目では、西洋論理学を学び、それ以外の論理学(例えば、古代インドの論理学等)は学びません。西洋論理学は、古代ギリシャのアリストテレス以来受け継がれてきた伝統的論理学と、19世紀後半から20世紀にかけて、それが修正・拡張されて成立したと見なされる現代論理学(記号論理学)とに分かれます。本科目では、伝統的論理学の学習からスタートし、現代論理学の領域に少し入って、その最も基本的な事柄の学習までを行います。
伝統的論理学の学習では、テキストの構成に従い、概念論、判断(命題)論、推理論と順々に学んで行きます。
現代論理学については、否定・連言・選言・条件・等値といった論理的結合子の定義の理解、命題の真・偽を考えることによる真理値表の作成、命題文の記号化など、主に、命題論理学の基礎を学びます。
【成績評価基準】Grading criteria
最終成績は単位修得試験により評価しますが、評価の際は先に提出されたリポートの内容を考慮します。
リポートと試験の採点基準は、テキストで説明されている規則や解答法に従い、またそこで採用されている記号等を用いてリポートや試験答案を作成し、論理的に正しい答えを導くことができているかどうかによります。
【テキスト名および詳細】Textbooks
指定市販本『改訂版 論理学の初歩』、梓出版社、大貫義久・白根裕里枝・菅沢龍文・中釜浩一著、2013年、¥2,000+税
上記テキストが入手できない場合は、Amazon POD(プリント・オン・デマンド)からの購入となります。販売価格等の詳細はAmazon webサイトにて確認してください。
(Amazon Webサイト)
https://www.amazon.co.jp/
本書は、「論理学」という学問を初めて学ぶ大学初年級の学生のために書かれた論理学の教科書です。
もともとは、“授業で使う教科書”として著されたものですが、例題や練習問題も比較的充実しており、独習者の手引き書ともなるように配慮されています。
本書の構成は以下のとおり:
第1部 伝統的形式論理学の基礎
第1章 思考の根本原理
第2章 概念
第3章 命題
第4章 推理(1) 演繹推理(直接推理)
第5章 推理(2) 演繹推理(間接推理)
第6章 伝統的論理学にベン図を適用する方法
第2部 近代以降の論理学
第1章 帰納法の論理学
第2章 命題論理学
第3章 述語論理学
【学習指導、注意点等】Work to be done outside of class (preparation, etc.)
通信学習のリポートに添削・講評でフィードバックする。 まず何よりも、テキストを熟読して下さい。「論理学」で使われることば(専門用語)は、堅苦しい漢字熟語が多いですが、それほど理解困難なものではありません。テキストの説明を読み、例題を理解し、練習問題を解いてみる、という流れで学習を進めて下さい。練習問題の大半は、説明・例題を見れば、解けるはずです。
<学習のポイント>
1.伝統的論理学
①概念論: 概念の内包と外延とは何か。また内包と外延はどのような関係にあるのか。
②命題論:
a.四種の定言命題において、どの主語概念(S)とどの述語概念(P)が周延され、どのS・Pが不周延であるのか。
b.四種の定言命題それぞれについて、主語概念(S)と述語概念(P)との外延的包摂関係をオイラー図で表すとどのようになるか。オイラー図を書けるようにする。
c.定言命題への標準形式化の方法とはどのようなものか。標準形式化を実際に自分で行えるようにする。
③直接推理:
a.四種の対当関係それぞれにおいて、命題間の真偽関係はどのようになっているか。真偽の判定をできるようにする。
b.換質法・換位法・換質換位法によっては、それぞれ、どの種類の定言命題をどの種類の定言命題に変形することができるのか。実際に自分で変形をできるようにする。
④間接推理: 定言三段論法・仮言三段論法・選言三段論法のそれぞれついて、どのような形式をもつ推理が妥当であり、どのような推理が妥当でないのか。それを理解した上で、実際に、三段論法による推理の妥当・非妥当を判定できるようにする。
2.現代論理学(命題論理学)
①命題論理学は、否定と接続詞の論理学と言われるが、否定・接続詞(連言・選言・条件・等値)という論理的結合子の働きはどのように定義されているのか。5種の論理的結合子の真理値表を書けるようにする。
②条件命題の逆・裏・対偶とは何か、ある条件命題とそれと逆・裏・対偶の関係にある命題との真偽の関係はどのようになっているかを理解し、逆・裏・対偶の関係にある命題を作れるようにする。
③命題論理学における総合命題・恒偽命題・トートロジーとは何か。推理が妥当であるのは、どのような場合であるのか。真理値表を作成することにより、推理の妥当・非妥当を判定できるようにする。
<参考文献>
近藤洋逸・好並英司共著『論理学入門』岩波全書
野矢茂樹著『論理学』東京大学出版会
坂本百大・坂井秀寿共著『新版 現代論理学』東海大学出版会