文学部Faculty of Letters
LIT200BD(文学 / Literature 200)英米文学特殊講義ⅢTopics in English and American Literature Ⅲ
吉田 裕Yutaka YOSHIDA
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 文学部Faculty of Letters |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2023 |
授業コードClass code | A2967 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 春学期授業/Spring |
曜日・時限Day/Period | 月5/Mon.5 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | 市Y‐Y404 |
配当年次Grade | 2~4 |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
他学部公開科目Open Program | ○ |
他学部公開(履修条件等)Open Program (Notes) | 2~4 |
グローバル・オープン科目Global Open Program | |
成績優秀者の他学部科目履修制度対象Interdepartmental class taking system for Academic Achievers | ○ |
成績優秀者の他学部科目履修(履修条件等)Interdepartmental class taking system for Academic Achievers (Notes) | 2~4。定員制で実施し、選抜を行う場合は英文学科生が優先されます。 |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
SDGsCPSDGs CP | |
アーバンデザインCPUrban Design CP | |
ダイバーシティCPDiversity CP | |
未来教室CPLearning for the Future CP | |
カーボンニュートラルCPCarbon Neutral CP | |
千代田コンソ単位互換提供(他大学向け)Chiyoda Campus Consortium | |
カテゴリーCategory | 英文学科 |
他学科公開科目 | ○ |
クラスGroup | |
昼夜表記Day or Night |
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Outline (in English)
【Course outline】
This lecture deals with the history of Caribbean Literature. Students will learn famous works and their backgrounds. In reading a series of Caribbean fiction and poems, we learn the very basics of how to read fiction written in English language and, furthermore, a critical attitude to discuss and analyze fiction.
【Learning Objectives】
The objective of this lecture is to get used to thinking about literary works in contrast to history and politics, and to learn complex phenomena involving feminism, migration, race, class---intersectionality in today's nomenclature---through reading fiction.
【Learning activities outside of classroom】
Students will be expected to have completed the required assignments after each class meeting. Your study time will be more than four hours for a class.
【Grading Criteria /Policy】
Your overall grade in the class will be decided based on the following.
Term-end exam: 70%
In class contribution and reaction papers: 30%
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
本講義では、カリブ文学を通史的に学ぶことで、代表的な文学作品やその背景についての知識を体系的に身につけることを目指します。英語で作品を読み解く基礎を身につけた上で、作品を批評的に読解する訓練も行います。音楽や映像も考察の対象とします。
本講義のもう一つの主眼は、カリブ文学を読むことを通じて、文学作品と現実の歴史や政治を行き来しながら考える習慣を身につけることです。特に、春学期の英米文学特殊講義Ⅲでは、カリブ海地域と近代世界の形成について、コロンブスの到来から20世紀前半までの歴史や政治を扱いつつ、関連する文学作品を紹介して、文学史の概要を学びます。カリブ文学のみならず、植民地以後の歴史が刻まれた作品には、フェミニズム、移動、人種、階級などの複合的な関係性(最近の言葉では「インターセクショナル」な関係性)を読み取ることができます。
文学作品は現実と関係がないと思われがちですが、決してそんなことはありません。むしろ、現実との葛藤のなかで書かれてきたものも数多くあります。その中で、皆さんなりの葛藤を見出してください。
到達目標Goal
1.カリブ文学とは何かについて、とりわけコロンブスによるカリブ海地域の発見から20世紀前半までの歴史的・文化的な概要を身につけること。
2.カリブ文学がどのような背景から生まれて、どのような課題に直面しているのかを、自分の言葉で説明できるようになること。
3.英語で書かれた文学作品を分析し、解釈することができるようになること。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「DP3」「DP4」に関連
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
授業の最後に毎回リアクションペーパーを提出すること。授業の初めにリアクションペーパーの一部を紹介し、教員が質疑などに答える。
授業では既存の翻訳と英語での原著を交えて扱う。英語圏カリブ文学は翻訳が少ないので、どうしても原文と付き合うことが多くなるが、作品の未読者にも理解可能なように、こちらで作品の要約やキーワードの説明をするので心配はいらない。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching:対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回[対面/face to face]:イントロダクションC.L.R. James, “From Toussaint L’Ouverture to Fidel Castro” (1963)
カリブ文学の定義について学ぶ。
第2回[対面/face to face]:Vera Bell, “Ancestor on the Auction Block” (1948)
Orland Patterson, The Sociology of Slavery (1967)
奴隷制度について学ぶ。砂糖の生産と労働の実態を知る。
第3回[対面/face to face]:C.L.R. James, The Black Jacobins (1938)
ハイチ革命の経緯と世界史的意義について学ぶ。ハイチ革命を演劇として描いた作品を比較する。
第4回[対面/face to face]:Mary Prince, The History of Mary Prince (1831)
奴隷解放に資本主義の発展が果たした役割、ジェンダーのちがいによる経験の差異について学ぶ。
第5回[対面/face to face]:Jean Rhys, Wide Sargasso Sea (1966)
イギリスの家父長制度と不在地主制度がカリブ海地域の植民地統治に与えた影響について学ぶ。
第6回[対面/face to face]:Vic Reid, New Day (1949)
モラント湾の反乱(1865)がカリブ海地域の歴史、イギリスの政治に与えたインパクトについて学ぶ。
第7回[対面/face to face]:Edgar Mittelholzer, Corentyne Thunder (1941)
Redemption Song, BBCドキュメンタリー
インド及び中国からの移民を中心に、年季奉公制度の世界史的な意義について学ぶ。
第8回[対面/face to face]:Jamaica Kincaid, Annie John (1985)
Austin Clarke, Growing Up Stupid Under Union Jack (1980)
植民地教育に英文学が果たした役割について学ぶ。帝国統治の言説と人種差別との関係について学ぶ。
第9回[対面/face to face]:Marcus Garvey, Speeches,
Eric Walrond, Tropic Death (1926)
合衆国やパナマへの移住経験と人種意識の関係について学ぶ。
第10回[対面/face to face]:Claude McKay, Una Marson, Louise Bennet
故郷を離れることと民衆語で詩を書くことの関係について学ぶ。
第11回[対面/face to face]:C.L.R. James, “Victory” (1929)
Alfred Mendes, Black Fauns (1935)
バラック・ヤード・ジャンルと文芸運動について学ぶ。
第12回[対面/face to face]:Geroge Lamming, In the Castle of My Skin (1953)
音楽Paul Robeson, "Let My People Go"
1930年代のストライキとその後の自治の獲得、物語での自我の揺れとの関連について学ぶ。
第13回[対面/face to face]:Aimé Césaire, Return to My Native Land (1956),
Lorna Goodison, “I am Becoming My Mother”(1986)
ネグリチュード運動について学ぶ。「故郷」の発見と「母国」イメージの関係について学ぶ。
第14回[対面/face to face]:まとめ
講義の内容をまとめる
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
予習・復習時間はそれぞれ2時間ずつとする。
予習は、あらかじめこちらで指定及び配布した作品からの引用箇所について、分からない単語や表現を可能な限り辞書で調べてくること。分からない表現や気になった箇所についてメモをしてくること(2時間)。復習は、授業で紹介した関連文献や引用について、積極的に読むこと。授業中に説明した内容で分からない部分について、質問を考えてくること(2時間)。
テキスト(教科書)Textbooks
テキストは購入する必要はない。授業の資料はこちらで作成する。必要な場合は、授業支援システムにて配布する。
参考書References
川北稔『砂糖の歴史』岩波ジュニア新書、1996年。
エリック・ウィリアムズ『資本主義と奴隷制 』ちくま学芸文庫、中山毅訳、2020年。
エリック・ウィリアムズ『コロンブスからカストロまで――カリブ海域史、1492-1969(I) (II) 』岩波現代文庫、川北稔訳、2014年。
その他、詳しくは授業中に関連文献を紹介する。
成績評価の方法と基準Grading criteria
毎回の授業のリアクションペーパー(30%)
期末試験(70%)
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
本年度新規科目につきアンケートを実施していません
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
特になし。
その他の重要事項Others
この授業は基本的に対面授業だが、感染状況によっては受講生との相談の上、オンライン授業に切り替えることがある。
なお、この授業は単独でも受講可能であるが、秋学期の「英米文学特殊講義IV」と内容が連動しているため、あわせて受講することが望ましい。