文学部Faculty of Letters
LIT200BD（文学 / Literature 200）英米文学特殊講義ⅠTopics in English and American Literature I
宮川 雅Tadashi MIYAKAWA
授業コードなどClass code etc
| 学部・研究科Faculty/Graduate school | 文学部Faculty of Letters |
| 添付ファイル名Attached documents | |
| 年度Year | 2023 |
| 授業コードClass code | A2965 |
| 旧授業コードPrevious Class code | |
| 旧科目名Previous Class title | |
| 開講時期Term | 春学期授業/Spring |
| 曜日・時限Day/Period | 火3/Tue.3 |
| 科目種別Class Type | |
| キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
| 教室名称Classroom name | 市Ｙ‐Ｙ５０５ |
| 配当年次Grade | 2～4 |
| 単位数Credit(s) | 2 |
| 備考（履修条件等）Notes | |
| 他学部公開科目Open Program | ○ |
| 他学部公開（履修条件等）Open Program (Notes) | 2～4 |
| グローバル・オープン科目Global Open Program | |
| 成績優秀者の他学部科目履修制度対象Interdepartmental class taking system for Academic Achievers | ○ |
| 成績優秀者の他学部科目履修（履修条件等）Interdepartmental class taking system for Academic Achievers (Notes) | 2～4 |
| 実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
| SDGsCPSDGs CP | |
| アーバンデザインCPUrban Design CP | |
| ダイバーシティCPDiversity CP | |
| 未来教室CPLearning for the Future CP | |
| カーボンニュートラルCPCarbon Neutral CP | |
| 千代田コンソ単位互換提供（他大学向け）Chiyoda Campus Consortium | |
| カテゴリーCategory | 英文学科 |
| 他学科公開科目 | ○ |
| クラスGroup | |
| 昼夜表記Day or Night |
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Outline (in English)
[Objective] This lecture tries to consider several literary topics through reading closely Jean Webster's novel Daddy-Long-Legs (1912). Students will learn and think about the American-vernacular style; the narrative point of view; the "time" in narrative; literary allusions and quotations; symbolism of space; genres of bildungsroman and epistolary novel; English versification, and several kinds of "background" knowledge.
[Learning activities outside of classroom:] Before/after each class meeting, students are expected to spend 2 hours respectively to understand the course content.
[Grading Criteria/Policies:] Overall grade in the class will be decided based on the following: in-class contribution [positive participation] (30%),final examination (70%).
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的（何を学ぶか）Outline and objectives
≪ジーン・ウェブスターから英米文学を考える――『あしながおじさん』から／へ≫
マーク・トウェインの姪の娘で、彼が出資してつくった出版社 Charles L. Webster and Companyの社主チャールズ・ウェブスターの娘でもあるのが『あしながおじさん Daddy Long-legs』(1912) の著者として有名な女性作家ジーン・ウェブスター(Jean Webster, 1876-1916) で、ヴァッサー大学在学中に創作を始めて、作家デヴューしたときには大叔父の大作家から激励の手紙をもらったりもしていて、文体的にも American vernacular と呼べる口語体のスタイルの作品を書いた。が、文学史的には、大衆作家――児童文学ないし少女小説ないしユーモア小説作家――として、まともにとりあげられることはなかったと言ってよい。大衆作家ないし少女小説作家として周縁に位置づけられた女性作家ウェブスターの小説を中心に据え、アメリカ文学の特性や英米文学一般について、あるいは小説論について語ることで、複層的に視野を広げてもらいたい。
到達目標Goal
①作品の構造を語れる。
②書簡体と視点について語れる。
③文体について語れる。
④テクストを丁寧に読む楽しみを味わえる。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか（該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連）Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「DP4」に関連
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)（学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. ）
特殊講義として、文学史では語れない突っ込んだ議論を、いくつかのテーマに即してウェブスターの『あしながおじさん』を中心にしておこなっていく。作品テクストを丁寧に読んでもらうことが議論の前提となる。教師が注釈プリント（ハンドアウト）をこしらえるので、それと作品テクストを読んでくることが出席するうえで必要。
歴史的背景的文化的知識についても語る。
授業で提出されたリアクションペーパーなどにおけるコメント・質問へは、そのうちのいくつかを取り上げ、全体に対してフィードバックをおこない、議論に活かします。
アクティブラーニング（グループディスカッション、ディベート等）の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク（学外での実習等）の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching：対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回[対面/face to face]：イントロダクション——古い映画を観る
プロローグ／テクストと参考文献について／邦題『孤児の生涯』(1919) サイレント映画時代のスター Mary Pickford (1892-1979)主演、 Marshall Neilan (1891-1958) 監督、85分。
第2回[対面/face to face]："Blue Wednesday" を読む――枠構造
ジャンル問題――少女小説と児童文学と「滑稽文学」(ユーモア小説）、そしてフェミニズム小説――東健而と遠藤寿子、そしてエレイン・ショーウォルター
第3回[対面/face to face]：1年生の手紙
文体問題――American vernacular と Mark Twain／アメリカの大学について／北部と南部
第4回[対面/face to face]：書簡体
書簡体小説の伝統／一人称の語りと物語の時間
第5回[対面/face to face]：2年生の手紙
小説の時間／カレンダー／建物のシンボリズム
第6回[対面/face to face]：空間のシンボリズム
devil down-heads と地獄のイメジ
第7回[対面/face to face]：ムカデ（百足）と詩脚
英詩の構造／電報
第8回[対面/face to face]：3年生の手紙
冒険と小説
第9回[対面/face to face]：引用の織物
英文科の授業と読書
第10回[対面/face to face]：教養小説――芸術家小説
ピカレスク小説からの変容／小説のジャンル
第11回[対面/face to face]：４年生の手紙
本について
第12回[対面/face to face]：恋愛小説とフェミニズム
あらためてジャンル問題を考える
第13回[対面/face to face]：社会問題
social reform への関心／フェビアン協会／『続あしながおじさん』における優生思想への批判
第14回[対面/face to face]：まとめ
エピローグ――belong to の意味
授業時間外の学習（準備学習・復習・宿題等）Work to be done outside of class (preparation, etc.)
この授業の標準的な予習・復習時間はそれぞれ２時間です。作品を積極的に読んでいただきたい。できるだけ（翻訳でもよいので）作品を読む、そのことに予習２時間復習２時間割けるなら、授業はそれなりに注意深く聞く（聴く）だけでよい（というくらいです）。
テキスト（教科書）Textbooks
Elaine Showalter 編の Penguin Classics 版 Daddy-Long-Legs and Dear Enemy をプリントもしくは電子媒体で配布する。古い訳（たとえば『世界滑稽名作集』[1929]所収の東健而の訳――その10年前の1919年、サイレント映画の 『孤児の生涯』の出た年、の、たぶん暮れに出版された本邦初訳『滑稽小説 蚊とんぼスミス』のリプリント）も Hoppii の教材にいれる。
参考書References
初回に参考書などのリストを提示する。折に触れて研究書・論文などを示す。教室での配布資料は、作品テクストとともに、そして配布できない資料とともに 、Hoppii の「教材」になるべく蓄積するようにしたい。
成績評価の方法と基準Grading criteria
期末試験（70パーセント）と授業への積極的参加度――抜き打ち小テスト、アンケート、リアクションペーパーなど（30パーセント）。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
学生の議論への参加を考えてみようとは思いますが、きほん熱く語るしかないかな、と考えています。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
オンラインでおこなう場合があるので、Zoom のための機器とインターネット接続環境を準備していただきたい。