人間環境学部Faculty of Sustainabillity Studies
HIS300HA（史学 / History 300）ヨーロッパ環境史論ⅡEuropean Environmental History Ⅱ
辻 英史Hidetaka TSUJI
授業コードなどClass code etc
| 学部・研究科Faculty/Graduate school | 人間環境学部Faculty of Sustainabillity Studies |
| 添付ファイル名Attached documents | |
| 年度Year | 2023 |
| 授業コードClass code | C2315 |
| 旧授業コードPrevious Class code | |
| 旧科目名Previous Class title | 人間環境特論（ヨーロッパ都市環境史論Ⅱ） |
| 開講時期Term | 秋学期授業/Fall |
| 曜日・時限Day/Period | 木2/Thu.2 |
| 科目種別Class Type | |
| キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
| 教室名称Classroom name | 市Y‐Y804 |
| 配当年次Grade | 1～4 |
| 単位数Credit(s) | 2 |
| 備考（履修条件等）Notes | 環ｺｱ：グ,文 |
| 他学部公開科目Open Program | ○ |
| 他学部公開（履修条件等）Open Program (Notes) | 2年生以上 |
| グローバル・オープン科目Global Open Program | |
| 成績優秀者の他学部科目履修制度対象Interdepartmental class taking system for Academic Achievers | |
| 成績優秀者の他学部科目履修（履修条件等）Interdepartmental class taking system for Academic Achievers (Notes) | |
| 実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
| SDGsCPSDGs CP | |
| アーバンデザインCPUrban Design CP | |
| ダイバーシティCPDiversity CP | |
| 未来教室CPLearning for the Future CP | |
| カーボンニュートラルCPCarbon Neutral CP | |
| 千代田コンソ単位互換提供（他大学向け）Chiyoda Campus Consortium | |
| カテゴリー（一般・総合型選抜、編入学試験入学者）Category |
展開科目 コースコア科目/コース連環科目 |
| カテゴリー（社会人RSP入試入学者）Category |
展開科目 人文科学関連科目群 |
| カテゴリー（2022年度以前）Category (～2022) |
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Outline (in English)
History of social work and social welfare in Europe from the middle ages to the contemporary period.
There are various forms of "vulnerable persons" in society. They are those who, due to illness, poverty, old age, disability, unemployment, or other reasons, are unable to lead a normal life and sometimes cannot make a living on their own. The socially "vulnerable" are often pushed to the margins of society and may be subject to discrimination and persecution. At the same time, however, providing them with protection and rescue has always been a major social concern, regardless of the time period or region. Who are the "vulnerable," why are they excluded, and who rescues them, and by what means, have changed dramatically over time, reflecting different social conditions.
This lecture will examine how the exclusion of the "vulnerable" from society and their inclusion through rescue have been conducted in European society, from the charitable activities of the Christian Church in the Middle Ages to the modern social welfare system.
Students should review using the lecture resume and materials. In addition, students are required to prepare and submit mini-reports on class content twice during the semester.
Reading the literature introduced in class will enhance your understanding of the course content. The standard preparation and review time for this class is 2 hours each.
Comprehensive evaluation will be based on two mini-reports (20%) and a written exam at the end of the semester (80%).
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的（何を学ぶか）Outline and objectives
「弱者」の包摂と排除の社会史
到達目標Goal
社会のなかには、さまざまなかたちの「弱者」がいる。病気・貧困・老齢・障害・失業などの理由により、通常の生活を送ることができず、時には自力で生計を維持できなくなった人々である。社会的「弱者」は、往々にして社会の周縁に追いやられ、差別や迫害を受ける場合もある。しかし、同時に彼らに保護し救助の手をさしのべることは、時代と地域を問わず、つねに社会の大きな関心事であった。「弱者」とはどのような人たちで、なぜ排除されるのか、また誰がどのような手段で彼らを救助するのか、そのあり方は、それぞれの社会状況を反映して、時代とともに大きく変化してきた。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか（該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連）Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「DP3」に関連
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)（学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. ）
本講義では、ヨーロッパ社会において、こうした「弱者」の社会からの排除と、その救助を通じた包摂が、どのようにおこなわれてきたのか、中世のキリスト教会による慈善活動から現代の社会福祉制度にいたるまで検証してみたい。
毎回同時代の重要な文献（日本語訳を使用する）を資料として参照するほか、理解の助けになるような図像・写真・映像などを紹介する。また、それぞれのトピックに関係の深い文学・絵画・映画・音楽・建築といった芸術作品をとりあげて紹介していく。
アクティブラーニング（グループディスカッション、ディベート等）の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
なし / No
フィールドワーク（学外での実習等）の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching：対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回[オンライン/online]：導入 「弱者」の社会史について。
いま、社会的な「弱者」を問題にすることの意義について。
第2回[対面/face to face]：キリスト教精神と道徳
キリスト教道徳が、慈善というかたちでいかに社会のなかでセイフティーネットの役割を果たしていたか。
第3回[対面/face to face]：中世における排除のあり方
乞食、ジプシー、「ライ病患者」、ユダヤ人など中世社会から排除された人々の姿を紹介する。
第4回[対面/face to face]：中近世の包摂の制度
救貧法や貧民救済制度を例に、救助と一体となった規律化の試みについて考える。
第5回[対面/face to face]：産業革命による社会の変化
18-19世紀の工業化は社会の秩序を揺るがし、それまでの排除と包摂のあり方を一変させた。
第6回[対面/face to face]：弱者の団結
新たに出現した工業労働者たちは、その弱い立場のゆえに団結し、やがてマルクス主義の影響下に自らを組織化していく。
第7回[対面/face to face]：近代市民社会と包摂の制度
都市内の弱者の包摂に、市民社会はどのような制度を持って取り組んだか。
第8回[対面/face to face]：社会福祉制度の始まりと発展
19世紀後半から国民国家の強化を背景に国家が主導して国民の生活を保障する制度が構築されていく。
第9回[対面/face to face]：総力戦と福祉国家
第1次世界大戦、世界大恐慌、第2次世界大戦とつづく非常事態は、各国の社会福祉制度の発展にどのような影響を与えたか。
第10回[対面/face to face]：福祉国家と黄金時代
1950年代後半から1960年代の高度経済成長下で、ヨーロッパ各国の社会福祉制度はその最盛期を迎える。
第11回[対面/face to face]：社会主義という可能性
ソ連など社会主義経済のもとでの社会保障のあり方を考える。
第12回[対面/face to face]：福祉国家の動揺と再編
1970年代以来、景気の停滞を受けて各国は産業構造の変化への対応と貧困の克服のための新しい取り組みを開始した。
第13回[対面/face to face]：新自由主義と「新しい中道」
1990年代半ばから2000年代に架けて試みられた社会民主主義の新展開を分析する。
第14回[対面/face to face]：多文化社会における排除と包摂
複雑な社会問題を生じさせている外国人移民とホスト社会の葛藤について。
授業時間外の学習（準備学習・復習・宿題等）Work to be done outside of class (preparation, etc.)
毎回の講義で紹介される資料等を使用して必ず予習・復習をすること。
授業期間中に 2 回、授業内容に関するミニリポートを作成し、提出すること。
授業の進度に応じて、『世界の歴史』(中央公論新社)、『興亡の世界史』（講談社）、『世界史リブレット』(山川出版社)などの概説書の該当巻を読むと、授業内容への理解が深まるであろう。本授業の準備学習・復習時間は、各2時間を標準とします。
テキスト（教科書）Textbooks
レジュメを配布する。
参考書References
上記のほか、授業中に適宜指示する。
成績評価の方法と基準Grading criteria
2 回のミニリポート（20 ％）と学期末の筆記試験(80％)により、総合的に評価する。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
特になし
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
プロジェクターにより画像・映像を見せる。
その他の重要事項Others
・高校世界史の授業程度の知識を前提として授業を進めるが、高校で世界史を選択していなかった人や苦手だった人でも聴講は可能である。
・旧科目名称「人間環境特論（ヨーロッパ都市環境史論Ⅱ）」を修得済の場合、本科目は履修はできません。
関連の深いコース
履修の手引き（P100.「7 コース制」）を参照してください。
実務経験のある教員による授業
本科目は、「実務経験のある教員による授業」に該当しません。