国際文化学部Faculty of Intercultural Communication
ART300GA(芸術学 / Art studies 300)映像と文学Film and Literature
林 志津江Shizue HAYASHI
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 国際文化学部Faculty of Intercultural Communication |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2023 |
授業コードClass code | C0872 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 秋学期授業/Fall |
曜日・時限Day/Period | 木3/Thu.3 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 / Ichigaya |
教室名称Classroom name | 市外濠‐S406 |
配当年次Grade | 3~4 |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | ※2023年度は、国際文化学部生のみ2~4年を対象とする。 |
他学部公開科目Open Program | ○ |
他学部公開(履修条件等)Open Program (Notes) | |
グローバル・オープン科目Global Open Program | |
成績優秀者の他学部科目履修制度対象Interdepartmental class taking system for Academic Achievers | |
成績優秀者の他学部科目履修(履修条件等)Interdepartmental class taking system for Academic Achievers (Notes) | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
SDGsCPSDGs CP | |
アーバンデザインCPUrban Design CP | |
ダイバーシティCPDiversity CP | |
未来教室CPLearning for the Future CP | |
カーボンニュートラルCPCarbon Neutral CP | |
千代田コンソ単位互換提供(他大学向け)Chiyoda Campus Consortium | |
旧科目との重複履修Duplicate Subjects Taken Under Previous Class Title | |
人数制限・選抜・抽選Capacity/Selection/Rondom | |
毎年・隔年Frequency | 毎年開講 |
すべて開くShow all
すべて閉じるHide All
Outline (in English)
Why are we sometimes disappointed in movies that are made from literature or would feel disappointed about film adaptation or film as derivative work? This course introduces the fundamentals of reception theory/reader response literary theory as well as the very basis of film studies. It includes theories of derivative work as a film-making concept. For that purposes, the course deals with several combinations of literary works and its filming examples that are made from original literary works.
【Learning Objectives】
・To develop an understanding of a wide range of topics relating to life, culture and society.
・Able to express their own opinions and to write texts of a certain length about themes above, especially about literature, films and its adaptation.
【Work to be done outside of class (preparation, etc.)】
・The standard preparation and revision time for this course is at least two hours each.
・There are prescribed review tasks.
【Grading criteria】
The course will be judged on 100% of ordinary marks (submitted assignments (report) as a result of active participation)
・In addition to the above, students already completed minimum tasks could submit an another report until the final lecture day. It will be included up to 10 % of ordinary marks.
On the basis of this grading system, students who have achieved at least 60% of the objectives of this course will be considered to have passed the course.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
大好きな小説やマンガが映画化・ドラマ化されたので、観てみたら「納得いかない!私の知ってるアレとは全然違うんですけど!」と感じた経験はありますか。この授業では「映像化された文学作品」を例に、文学作品(文字テクスト)から映画(映像)へというメディア・ジャンル変換の過程を分析しながら、芸術とメディアの関わりや、文学と映画のそれぞれが表現しうるものについて、自ら考えを深めていきます。あなたのガッカリした気持ち、あるいは「まあまあ期待以上」という気持ちの正体に、いつもとは違う視点から迫ってみませんか。
到達目標Goal
・さまざまな文学作品や映画に触れることで、文学と映画それぞれの形式的特徴や両者の関連、差異について理解を深めること。
・「映画制作において参照された原典がある」現象の分析を通じ、受容美学の基本を学ぶこと。この点は読む人、観る人としての自分を反省的に捉える訓練にもなります。
・美的な形式(表象文化)の分析を通じ、古典的なメディア論のテーゼの真意を理解すること。
・「オリジナリティー」「模倣」「引用」「暗示」などの基本的な美学概念に触れ、芸術の社会的構築物としての側面を理解し、批判的思考の術を磨くこと。
・この授業の経験を、どんな分野であれ自分のゼミでの勉強や卒論執筆、その他のさまざまな場面に役立てられる自分になること。
その上でこの授業が、皆さんのお気に入りの一作品が見つかる機会になれば嬉しく思います。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
国際文化学部のディプロマポリシーのうち、「DP2」「DP3」に関連。
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
この授業は初回授業回のみ対面授業、2〜14回はオンデマンド型オンライン授業で実施する。
・文学作品とその映像化(映画)、あるいは文学作品とそれに触発されて作られた翻案映画作品のいくつかの組み合わせを扱います。それぞれ特徴的な箇所・シーンを取り上げ、対照的に検討する作業を繰り返し行いながら、必要に応じて重要な理論・概念を参照し、文学・映像作品のそれぞれの形式や読み取れるものについて考察します。
・各回授業後には提出課題(小レポート)を書き提出します。
・LMSとして、HoppiiとGoogle Classroomを使用します。
・提出物のフィードバックは適宜全体に向けて行います。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
なし / No
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching:オンライン/online
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
1[対面/face to face]:オリエンテーション
メディアと技術革新が可能にしたもの、文学(物語テクスト)と映画(映像表現)に関する理論的導入
2[オンライン/online]:J. K.ローリング/C.コロンバス『ハリー・ポッターと賢者の石』(小説1995年、映画2001年)
ファンタジー小説V.S.映像テクノロジー、「空を飛ぶ人/魔法使い」の描写
3[オンライン/online]:筒井康隆/大林宣彦『時をかける少女』(小説1967年、映画1983年)その1
時間芸術と「タイムトラベル」、身体感覚の記憶の表現、人物と背景を構成するためのメディア(1)
4[オンライン/online]:筒井康隆/大林宣彦『時をかける少女』(小説1967年、映画1983年)その2
学校という大切なもの、「ラブシーン」の成立条件、科学と私たちの未来
5[オンライン/online]:万城目学/本木克彦『鴨川ホルモー』(小説2006年、映画2009年)その1
「ステレオタイプ」の使い方、青春群像劇と教養小説(Bildungsroman)というエンターテインメント
6[オンライン/online]:万城目学/本木克彦『鴨川ホルモー』(小説2006年、映画2009年)その2
友情と恋愛と学校の関係、コンピューターゲームは世界と私たちの視覚/知覚をどう変えたのか
7[オンライン/online]:S.フィツジェラルド/J. クレイトン『グレート・ギャツビー』(小説1925年、映画1974年)その1
キラーコンテンツとしての「悩める若者たち」、人物と背景を構成するためのメディア(2)
8[オンライン/online]:S.フィツジェラルド/B. ラーマン『グレート・ギャツビー』(小説1925年、映画2013年)その2
「時代を超えた真実」V.S.「現代風にアレンジ」、作品解釈の歴史が映画化に与える影響
9[オンライン/online]:掘辰雄『風立ちぬ』(1937年)『菜穂子』(1941年)など/宮崎駿『風立ちぬ』(2013年)その1
「私の想像した自然」を描く、人物と背景を構成するためのメディア(3)
10[オンライン/online]:掘辰雄『風立ちぬ』(1937年)『菜穂子』(1941年)など/宮崎駿『風立ちぬ』(2013年)その2
「ない」ものをどうやって視覚で表現するか、個人の運命と戦争に翻弄される人間
11[オンライン/online]:L.v.d.ポスト『獄の影にて』/大島渚『戦場のメリー・クリスマス』(小説1954/1968年、映画1983年)その1
「私」の記憶と真実の複数性、「西洋V.S.東洋」という二項対立
12[オンライン/online]:L.v.d.ポスト『獄の影にて』/大島渚『戦場のメリー・クリスマス』(小説1954/1968年、映画1983年)その2
「もう一人の私」を受け止める、敵/他者を理解したいと思う気持ちの正体
13[オンライン/online]:W.ヘルンドルフ/F.アキン『14歳、僕らの疾走/50年後のボクたちは』(小説2010年、映画2016年)その1
ミレニアル世代のリアリティ、人物と背景を構成するためのメディア(4)
14[オンライン/online]:W.ヘルンドルフ/F.アキン『14歳、僕らの疾走/50年後のボクたちは』(小説2010年、映画2016年)その2
ロードムービーの快感、読者・観者に「語りかける」物語
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
本授業の準備学習・復習時間は各2時間を標準とします。
・授業で扱う文学作品、映像作品をあらかじめ視聴し、授業資料をダウンロードしてください。
・授業資料を手元に置いた状態で、オンデマンド型授業(動画)を視聴してください。
・毎授業終了後、小レポートを作成し提出します。形式は初回授業に周知します。
テキスト(教科書)Textbooks
・授業で扱う文学作品(2〜10回授業)のテクスト、映像作品の映像ソフト(民間各社ビデオレンタル/ストリーミングサービスへのアクセス)は、ご自分で用意していただきます。
・映像作品のうち、9、10回授業作品は国内各社ストリーミングにて未扱により、授業開催時限(木3限)に授業教室で視聴できるようにする予定です。
参考書References
・W・ベンヤミン『複製技術時代の芸術作品』『一方通行路』など(浅井健二郎ほか訳『ベンヤミン・コレクション(1)(2)』ちくま学芸文庫、1995年/1996年所収)
・M・マクルーハン(栗原裕ほか訳)『メディア論』(みすず書房)1987年
・F・キットラー(石光泰夫・石光輝子訳)『グラモフォン・フィルム・タイプライター』(筑摩書房)1999年
・J.・ヘーリッシュ(川島建太郎・津崎正行・林志津江訳)『メディアの歴史 — ビッグバンからインターネットまで』(法政大学出版局)2017年
・A・パザン(野崎歓ほか訳)『映画とは何か(上)(下)』(岩波文庫)2015年
・R・バルト(蓮實重彦ほか訳)『映像の修辞学』(ちくま学芸文庫)2005年
・蓮實重彦『映画 誘惑のエクリチュール』(ちくま学芸文庫)1990年
・杉野健太郎編著『[映画学叢書]映画のなかの社会/社会のなかの映画』(ミネルヴァ書房)2011年
・杉野健太郎編著『[映画学叢書]交錯する映画 ー アニメ・映画・文学』(ミネルヴァ書房)2013年
成績評価の方法と基準Grading criteria
・毎授業提出する課題(「小レポート」/平常点)合計100%を成績評価の対象とします。
・一定以上の課題を提出済みの(一定の基準を満たす)希望者には、「最終レポート」の提出を認めます(締め切りは最終授業回と同日、課題内容および評価基準の詳細は初回授業時に提示)。レポートしての形式や内容の水準を満たすものについては、上限10%で上記成績評価の対象(毎授業提出する課題)に加えます。
以上の成績評価の方法をもとに、本授業の到達目標の60%以上を達成した者を合格とします。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
参加学生からのヒアリングは逐次行ない、参加者の意見や疑問に対する回答はできるだけ速やかに行ないます。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
詳細はHoppii上で秋学期開始前に周知します。
・オンデマンド型オンライン授業で、かつ映画作品を複数扱うので、履修には安定的なインターネット通信環境とPCの準備が不可欠です。また授業で扱う日本語文学作品・翻訳5点(全て文庫で刊行)と映画ソフト8点(レンタルで可/映像サブスクリクションサービスの使用/レンタル)を各自でご準備いただきます。
(以上の条件のクリアが難しい方は、ぜひ履修前に担当者にご相談ください。)
・LMSとして、Google Classroomを使用します。
その他の重要事項Others
・扱う作品と上記の順序は変更されることがあります。
・理由なく提出期限(目安は初回授業時に提示)を大幅に過ぎた授業課題は、原則として受理しません。欠席の代替措置(未提出課題の埋め合わせ)等も特に用意しません。
・部活動の公欠届や、就職活動を理由にした欠席届等の類の提出は不要です。
・第一回目の授業は「対面」で実施予定ですが、新型コロナウィルス感染症の状況次第で、リアルタイム型オンラインで実施することにします。授業形態については学期開始前(第一回目授業より前)に授業支援システムで通知します。