経済学部Faculty of Economics
ECN200CA（経済学 / Economics 200）社会経済思想史ＢHistory of Socioeconomic Idea B
後藤 浩子Hiroko GOTO
授業コードなどClass code etc
| 学部・研究科Faculty/Graduate school | 経済学部Faculty of Economics |
| 添付ファイル名Attached documents | |
| 年度Year | 2023 |
| 授業コードClass code | K6228 |
| 旧授業コードPrevious Class code | |
| 旧科目名Previous Class title | |
| 開講時期Term | 秋学期授業/Fall |
| 曜日・時限Day/Period | 月2/Mon.2 |
| 科目種別Class Type | |
| キャンパスCampus | 多摩 |
| 教室名称Classroom name | 経205 |
| 配当年次Grade | 2 |
| 単位数Credit(s) | 2 |
| 備考（履修条件等）Notes | |
| 他学部公開科目Open Program | ○ |
| 他学部公開（履修条件等）Open Program (Notes) | |
| グローバル・オープン科目Global Open Program | |
| 成績優秀者の他学部科目履修制度対象Interdepartmental class taking system for Academic Achievers | ○ |
| 成績優秀者の他学部科目履修（履修条件等）Interdepartmental class taking system for Academic Achievers (Notes) | |
| 実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
| SDGsCPSDGs CP | |
| アーバンデザインCPUrban Design CP | |
| ダイバーシティCPDiversity CP | |
| 未来教室CPLearning for the Future CP | |
| カーボンニュートラルCPCarbon Neutral CP | |
| 千代田コンソ単位互換提供（他大学向け）Chiyoda Campus Consortium | |
| カテゴリー（2015年度以前入学生） | 専門教育科目 |
| カテゴリー（2016年度以降入学生） | 専門教育科目 |
| カテゴリーCategory |
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Outline (in English)
【Course outline】
"Criticism of mercantilism and formation of political economy"
In need of procurement of war expenditure, institutional innovation of public credit occurred in England in the end of the seventeenth century. However, in France, the national debt had expanded due to Colbert's manufacture-oriented policy and increase of financial burden of war since the seventeenth century and absolute monarchy was on the verge of self-bankruptcy. To cope with this quagmire, the Banque royale was established in the beginning of the 18th century, and bank notes were issued, but this so-called "Law system" failed in 1720. At the same time, Britain also experienced the investment boom and its collapse, namely the South Sea Bubble. Amid such historical circumstances, various prescriptions for the ailing economies are made up first in France and then in Britain. Adam Smith examined thoroughly those critical reviews of mercantile policy and gave birth to The Wealth of Nations.
【Learning Objectives】
At the end of the course, students are expected to understand the formation of the public credit system called the "Financial Revolution", the criticisms of mercantilism and the birth of physiocracy and political economy.
【Learning activities outside of classroom】
After each lecture, students will be expected to make a summary of a lecture in 1200 to 1400 characters on a reaction paper. Your study time will be more than 4 hours.
【Grading Criteria/ Policies】
Your overall grade in the class will be decided based on the following
Term-end examination; 60%, Short reports (Summaries of the lectures):40%
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的（何を学ぶか）Outline and objectives
「重商主義批判の流れと経済学の形成」
戦費調達の必要に迫られ、17世紀末イングランドでは公信用の制度的革新が生じました。しかし、フランスでは、17世紀来のコルベール的工業重視政策と戦費増大で国家債務が膨らみ、絶対王政は自己破産の危機に瀕します。これに対処すべく、18世紀初頭には、フランス王立銀行が設立され、銀行券が発行されましたが、このいわゆる「ローのシステム」は1720年に破綻します。同時期にブリテンもまた「南海泡沫事件」で投資ブームとその破綻を経験します。このような歴史的状況の中で、まずはフランスで、そしてブリテンで、様々な処方箋が提出され、スミスによるそれらの批判的検討は『国富論』に結実します。
到達目標Goal
学生が、この講義を通して、17世紀末「イングランド財政・金融革命」による公信用制度の普及と膨張する国家財政を背景に、18世紀に続々登場する重商主義政策批判の言説を介して、法学を補完する「立法者の科学」として経済学が誕生する過程を理解し、国際社会で主体的に生きるための歴史的思考力を培うことを目指します。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか（該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連）Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「DP2」に関連
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)（学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. ）
授業形態は対面での講義を基本とし、必要に応じてZoomでのオンライン併用で行います。
毎回の授業で1200～1400字の講義の内容をまとめたリアクション・ペーパーを提出してもらい、これに対する受講者全体へのフィードバックは次回の授業開始時に教員からのコメントとして提示します、またリアクション・ペーパーの内容から見て授業内容の理解が不十分と思われる学生に対しては、個別に「学習支援システム」を通じて添削指導を行います。
アクティブラーニング（グループディスカッション、ディベート等）の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
なし / No
フィールドワーク（学外での実習等）の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching：対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回[対面/face to face]：重商主義批判の流れ
フランスとスコットランドにおける脱オランダ・モデルの探究。以降14回までの本学期の講義内容は、高校世界史A／Bにおける「産業社会と国民国家の形成：フランス革命と18世紀後半から19世紀までのヨーロッパ・アメリカの経済的・政治的変革」を教授する際に役立つ専門的知識を提供します。
第2回[対面/face to face]：ジョン・ロー
国家債務処理システムのプランとその破綻
第3回[対面/face to face]：ボワギルベール(1)
欲求と富
第4回[対面/face to face]：ボワギルベール(2)
自然的自由の体制の希求
第5回[対面/face to face]：Ｊ・Ｆ・ムロン(1)
商業のための立法原理の探究：貿易と産業の連関
第6回[対面/face to face]：Ｊ・Ｆ・ムロン(2)
貨幣と信用
第7回[対面/face to face]：Ｒ・カンティロン(1)
商業の一般法則の分析
第8回[対面/face to face]：Ｒ・カンティロン(2)
市場価格と貨幣流通
第9回[対面/face to face]：Ｆ・ケネー(1)
「経済表」：国富の循環の分析
第10回[対面/face to face]：Ｆ・ケネー(2)
フィジオクラシーと合法的専制主義
第11回[対面/face to face]：Ａ・スミス(1)
スミスによる基本概念の整理：資本・分業・交換
第12回[対面/face to face]：Ａ・スミス(2)
「重商主義体系」批判
第13回[対面/face to face]：Ａ・スミス(3)
経済発達の自然的過程と制度の影響
第14回[対面/face to face]：Ａ・スミス(4)
公債批判と国家財政論
授業時間外の学習（準備学習・復習・宿題等）Work to be done outside of class (preparation, etc.)
学生は、毎回の講義の後に、学習支援システムの「課題」欄に提示してある問いに答える形で講義の内容をまとめたレポートを作成し、6日以内にそれを提出します。これに必要な学習時間は最低4時間です。毎回教員が目を通し、合格すればレポート評価分の点数として10点加算され、合格水準に満たないものは必要箇所を修正して再提出して頂きます。
テキスト（教科書）Textbooks
とくにテキストは指定せず、私の講義ノートにそって授業を進めます。毎回、授業でレジュメと資料を学習支援システムを通じて配布します。
参考書References
イシュトヴァン・ホント『貿易の嫉妬』（昭和堂、2009年）
ラース・マグヌソン著、熊谷次郎・大倉正雄訳『重商主義：近世ヨーロッパと経済的言語の形成』（知泉書館、2009年）
米田昇平『欲求と秩序：18世紀フランス経済学の展開』（昭和堂、2005年）
ジャン=フランソワ・ムロン著、米田昇平・後藤浩子訳『商業についての政治的試論』（京都大学学術出版会、2015年）
成績評価の方法と基準Grading criteria
毎回の講義内容をまとめたレポート（40％）と秋学期末の定期試験の成績（60％）で評価します。授業でとりあげる各思想家が置かれていた歴史的状況と彼らの思想史的な重要性についての理解度を基準として評価します。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
歴史状況の具体的な認識を促進するため、写真や地図、動画などを教材として有効に利用します。