人文科学研究科Graduate School of Humanities
LIT500B7(文学 / Literature 500)沖縄文芸史ⅠLiterary History of Okinawa I
福 寛美
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 人文科学研究科Graduate School of Humanities |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2022 |
授業コードClass code | X1096 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 春学期授業/Spring |
曜日・時限Day/Period | 金4/Fri.4 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | 各学部・研究科等の時間割等で確認 |
配当年次Grade | |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
カテゴリーCategory | 国際日本学インスティテュート(修士課程)-関連科目 |
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Outline (in English)
The Omoro Soshi is the first written compilation of sacred songs and poems collected by Ryukyu kingdom. The Ryukyuan folklores in the Irousetsuden and the Okinawan cultural background may have affected the development of its oral traditions. In this course, you will learn the Ryukuan sacred songs and literature are related to the cultures of surrounding areas and developed their own unique styles. The members of this course will also be required to make a presentation to deepen their understandings.The goal is to have a deep understanding of Ryukyuan literature. For learning outside of class hours, read textbooks and references carefully. The method and criteria for grade evaluation are to attend at least 6 times and take a test.The test is 70% and the normal score is 30%.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
・琉球王国初の文字資料『おもろさうし』に親しむ。
・琉球の口頭伝承を記した『遺老説伝(いろうせつでん)』の説話を読む。
・また簡単な発表を通し、神歌や口頭伝承への理解を深める。
・琉球文学の古典に親しむ。
到達目標Goal
・『おもろさうし』はおもろと称する神歌を集成した冊子である。おもろは日本本土のどのような歌謡とも似ていない。その世界観、そして神霊観を知ることを目的とする。
・また琉球の口頭伝承を記した『遺老説伝(いろうせつでん)』の説話を読み、その説話に影響を与えたと考えられる事象の考察も目的とする。
・琉球文学の古典に親しむことを目的とする。
・琉球文学を深く理解することを到達目標とする。
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
・講義形式と演習形式をまぜて行う。
・講義をした後、講義の内容にかかわる事象を学生が調べ発表する、という形をとる。
・調べものは琉球・沖縄に関する基本的な文献(辞典など)を使う程度とする。
・対面形式の授業とする。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching:対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回[対面/face to face]:『おもろさうし』のおもろとおもろの鷲の用例を読む1
おもろの読み方を知り、おもろ世界の鷲の用例を読む。
第2回[対面/face to face]:『おもろさうし』のおもろとおもろの鷲の用例を読む2
おもろ世界の鷲の用例を読んでいく。
第3回[対面/face to face]:第1回、第2回の講義をふまえ、学生が調べたことを発表する
琉球・沖縄の文学や民俗に関する辞典の記述を読み、簡単に発表する。
第4回[対面/face to face]:おもろ世界の鷲の霊能、鷲のつく地名を考察する
おもろ世界の鷲は霊能ある存在とされている。そのことを考察していく。
第5回[対面/face to face]:鷲、そして鷲羽には戦勝の霊力があるとされた。そのことを考察する
おもろ世界の鷲、そして鷲羽の用例のうち、戦勝と関わる用例をみていく。
第6回[対面/face to face]:第4回、第5回の講義をふまえ、学生が調べたことを発表する
『おもろさうし』の研究書で鷲の用例を考察したものを読み、簡単に発表する。
第7回[対面/face to face]:おもろ世界の船と猛禽類のダブルイメージのおもろを読む
おもろ世界では船が猛禽類とダブルイメージされることがある。その用例を読んでいく。
第8回[対面/face to face]:琉球船は実際に猛禽類と重ね合わされていた。そのことを考察する
琉球船には猛禽類の目玉模様が付けられていた。その意味を考察していく。
第9回[対面/face to face]:第7回、第8回の講義をふまえ、学生が調べたことを発表する
琉球船の絵図は残っており、インターネットでも検索できる。その絵図、またおもろについて調べ、簡単に発表する。
第10回[対面/face to face]:『遺老説伝』を知る
琉球の口頭伝承を集成した『遺老説伝』について学び、鷲羽の説話を読む。
第11回[対面/face to face]:鷲のイメージを考察する
おもろ世界の鷲のイメージ形成に関与した、と思われる神話を読む。また矢羽根として珍重された鷲の尾羽について学ぶ。
第12回[対面/face to face]:第10回、第11回の講義ををふまえ、学生が調べたことを発表する
『遺老説伝』の現代語訳を読む、またインターネットで読める文献を読み、簡単に発表する。
第13回[対面/face to face]:鳥の墓の伝承、現代の八重山諸島で愛される「鷲之鳥節」について考察する
多良間(たらま)島の鳥の墓の伝承、現代も愛される「鷲之鳥節」とおもろ世界の鷲を比較する。
第14回[対面/face to face]:春学期の講義をふまえ、学生が調べたことを発表する
主に第13回の講義に関わる事象を簡単に調べ、発表し、春学期をまとめる。
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
・『火山と竹の女神』(教科書)の「おもろ世界の鷲」の部分を読む。
・授業支援システムにおもろの読み方、「おもろ世界の鷲」に関わる事柄を記したプリントをアップするので、あわせて読む。
・大学の沖縄文化研究所にはおもろ、ほか琉球文学に必要な文献が揃っているので、発表する時はそこで辞書を引いたり、参考文献を読んだりする。
・学習時間は各自の任意とする。
テキスト(教科書)Textbooks
・『火山と竹の女神』(福寛美、七月社、2021年)本体2500円+税
参考書References
・『喜界島・鬼の海域』(福寛美、新典社、2008年)
・『『おもろさうし』と群雄の世紀』(福寛美、森話社、2013年)
・『ぐすく造営のおもろ』(福寛美、新典社、2015年)
・『奄美群島おもろの世界』(福寛美、南方新社、2018年)
成績評価の方法と基準Grading criteria
・期末試験は、問題を複数提示し、2問を選んでそれぞれ400字以上記述することとする。
・平常点に含まれる、出席回数、発表への積極性も評価基準とする。
・期末試験70%、平常点30%で評価する。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
担当者は琉球文学のほか、民俗学、神話学も専攻している。
そのため、『おもろさうし』以外の学生の関心に応えることも可能である。
学生からの申し出があった場合、『おもろさうし』のほか、シャーマン、神話なども積極的に授業で対応していきたい。
過去の授業では、学生からの申し出によってシャーマンについて述べた。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
特になし。
その他の重要事項Others
春学期、秋学期ともに同じテキストを使用する。
担当教員の専門分野等
<専門領域>
琉球文学(『おもろさうし』)
民俗学(南西諸島のシャーマン)
神話学(日本神話、琉球神話)
<研究テーマ>
現在の研究テーマの中心は南西諸島の神霊観である。また『おもろさうし』の言語の中に奈良時代の東国方言と同じものがあることに注目し、研究を進めている。
<主要研究業績>
『ぐすく造営のおもろ』(新典社、2015年)
『うたの神話学』(森話社、2014年)
『ユタ神誕生』(南方新社、2013年)
『『おもろさうし』と群雄の世紀』(森話社、2013年)
『夜の海、永劫の海』(新典社、2011年)
主要研究業績
『琉球の恋歌』(新典社、2010年)
『喜界島・鬼の海域』(新典社、2008年)
その他
『奄美三少年 ユタへの道』(円聖修著、南方新社、2017年)の監修